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16~

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 その後、ボッタクリの情報が入って向かった店でも同じことをして、値を常識的に下げさせるが地球側でもあるようなデカイ兄ちゃんが出て来てのシチュエーションが始まる。

だが、テンションは変わらない鷹士に突っかかる輩を一撃で飛ばすのは特殊部隊の隊員。

知らなかったフリをしながら「あら?来てたの?なぁ~んだ、一緒に飲もうや。ここの結構旨いんだってさ。しかも良心的な値段なん・・・だよね?」と、別のデカイ輩に尋ねる。


そして店長らしき者もイカツイ趣きで「なんだぁ?どこのもんだ?イチャモン付け・・・ゲッ!」

物凄い素早さで土下座する店長も皇帝の容姿や顔を知っていたようだ。

他の用心棒的な奴らにも「バカッ、お前ら・・・皇帝だぞ。敵う相手じゃねぇって」

と、一斉に謝罪を述べながら全員で土下座をしていった。

この星でも土下座ってあるんだぁ、と思いながらボッタクリの被害にあった者から聴いてきたと言う鷹士。適当に計算をして今までの売上の半分以上はボッタクリの利益と換算し、罰金刑と店長に無料奉仕の刑を与えた。

それは俗に言うパシリであり、被害にあった客の要望に全て答えることでもある。

罰金刑で没収した金は被害者に一律で返却となった。


そうしながら店に居座り、特殊部隊の隊長と食い漁っていた鷹士。

ちゃんと、常識的な料金は払っていくので問題は大きくならずに済んだ。


皇帝城とも言える本部に戻った鷹士は、真っ先に出迎えたのはマリアンヌ少尉であった。

「陛下!お探ししました。まさか外に出られていたとは、メイドに聴いて知りました。コロニー完成しましたので出航命令を頂戴したく」

と、心配そうな表情を浮かべているが、笑顔で「ゴメンな」と頭を撫でる鷹士。

変に縮こまる少尉であったが、廊下の向こうから妙なオーラを発したソフィも向かってくる。

さすがに怒鳴って来ることはないが、ソフィも心配していたようだ。


強過ぎる皇帝に心配などはしていないが、民に余計な緊張感を与えているほうが心配だったようだ。

コロニー完成にて出航命令を出した鷹士であるが、ソフィから聴いたとこによると別地区で抗争が起きているとの報告も入る。未だに馴染めぬ者が変な言い掛かりを付けては戦い挑む輩も居るようだ。

だが、そんなことはその地区の者に任せれば良いと考えていたが、ソフィが口にしたのは喧嘩ではなく抗争であった。単に人と人の争いではなく勢力を持った集団同士が争っていることになる。

詳細を聞くと、なんと住民同士ではなく、反逆者達の集団とその地区を収める側との戦いだという。それに巻き込まれる住民は迷惑も甚だしい。


反逆者が居ることは本部へも報告があったが、その地区の王は、こちらで何とかすると言っていたそうな。何とかした結果が事を大きくして住民を危険に晒す事なのかと、怒りを込めてソフィに問い質してしまう鷹士。

「いっ、いぇ。如何様に致しましょうか」と、トバッチリを食うと建物ごと吹き飛ばされ兼ねないと思ったソフィは直立不動で立っていた。

「ん?あ~、ゴメン。君に言っても仕方ないことだった。とりあえず現況を見て来てほしいが、そうなった原因というか互いの主張も聞きたいね。万が一も含めて、偵察にあの部隊を連れてっていいぞ」

あの部隊とはラ行のことである。


もう少し、ユックリノンビリ出来ると思っていたが、そうはさせてくれない世の中のようだ。

技術部にも特殊な案件を伝えている鷹士は、地球の地上への拠点に収まらず、海上にも設置して独自の国家を形成するつもりであった。地球上のサイズに合うような航空機なども製造させている。


ソフィは下士官に命じ、抗争地区の偵察任務を行わせ、訓練場にて自身の射撃訓練をしていく。

皇帝より授かった狙撃銃を手に持つと、ニンマリと微笑んでしまうようだ。

補佐官として着いて来てるマリアンヌ少尉にも教えているので長距離狙撃の腕も上がってきている。高密度エネルギーを圧縮して撃つのでレーザーのように線で繋がらず直線以外でも着弾誘導できるのが素晴らしい銃である。只でさえ高密度なエネルギーを圧縮しているので着弾時の破壊力も凄まじく、それを見るソフィの表情は「ヌヒヒッ」と、悪魔的微笑みでドS級に異論は全くない。


マリアンヌ少尉は着弾時の破壊力を目にして、口を縦に細めたように驚きの表情を浮かべている。

だが、似たような思いもあり、Sっ気がもうひとり開花してしまうことだ。

他の訓練場でも体術を訓練してるものや、手持ちの銃器での訓練も盛んであった。

別地区でも同じ訓練場はあるが、民間でも戦闘本能がある奴はトーナメント式での大会が年に2回ほど存在する。勝ち上がって大会に出るまではそれぞれの小地区での決戦が余儀なく行われている。


鷹士もこの番組の中継を見たりしているが、地球でしていたゲームはしなくなっていた。

今居る世界自体が戦略ゲームみたいなものだからである。


そして新たなルールを設けてみるかと思っていたのは鷹士。

民間レベルとは桁違いの訓練を行っている兵士達にも参加出来るよう、特別枠を設けてみることに。己の有利さ、不利さ、相手が違う場合の柔軟さがものを言う。同部内では解らないのだ。

これには個人戦と団体戦も設定し、相手側を全て戦闘不能に陥らせた方が勝利とし、唯一の制限は当然ながら決して殺さないことであった。

これには民間で勝ち残った強者も参加できるよう別地区の王に取り合っていく鷹士であった。


一方の地球側の一部では、あの中村が同僚にも話していく。

そんな場でも信じてもらえないようだが、自分がそうしてきたので思い知る。

自宅や出掛けた際にもスーツの者が警護で着いてくるが、生活自体に問題は出ていない。

民間人で唯一の異星人接触者であるからなのであろう。


そして忘れてはならないのは鷹士のご両親。

しかし、問題は全くなく、普通に田舎でノンビリと暮らしていた。

これは鷹士へ影響を与えた人物であるから理解は早いであろう。

分かろうと分かるまいと、そう深く考えずに受け入れて様子見をする。

まずは状況把握が一番の策だと教えてきた鷹士の父親であった。

臨機応変度もあり、この親父なら近くに爆弾が落ちても、自分の方に被害が及ばないと解かれば茶を啜って居られるであろうと息子から太鼓判を押されるほどである。

その息子の母親も似ているので問題は皆無であるが、猫に話し掛けるのを息子は継いでいた。


皇帝室に居る鷹士は、まさに今、3匹の猫に話し掛けていた。

「なぁ、どうするよ。抗争だってさ、見てるだけにする?引っ掻く?猫パンチ食らわすか?」

とか言いながら、猫の意思とは無関係に猫の腕を取り猫パンチの仕草をさせたり、向かい合ってボクシング風を装ってみたりと遊んでいく。

昼寝をすると、3匹の猫も同じベッド上で寝転び、安心しているのか仰向けで寝る猫も居た。


執事やメイドが訪れると先に返事をするのは猫達で、起こす役目が解っているのか鷹士の頬を肉球で押すのは白猫のシロスケ。

鷹士が起きるまで顔に乗ることもあり、苦しさとモフモフ感で起きるようだ。


地球側との交渉も3回目に入り、ホーク側の技術者との対面も済まし、漸く技術面での話し合いが行われていた。重力反転技術を提供する代わりに、拠点を独自の国家と見なすように要望を出し、外出時は外交官特権のようなものまで要求に加え、地球の通貨に見合った単位を含ませた。

そうでなければ普通に買い物も出来ないのだから。


これは日本に限らず英国でも行われ、アイン大佐は「この技術を買うならいくらで買取りますか?」と商売にしていた。しかし、英国側の国家予算から出すには高額過ぎるので、特許申請後にレンタルとして借り受け、特許料+レンタル料を払うということになった。問題は誰を名義に特許申請するかだが、ホーク側に苗字に値するものがなく、聞くときも「名は?地区は?」で登録の確認が取れてしまうシステムであり生体認証がある。

よって、英国ではアイン大佐がアイン・ホークという名で通すことになった。

ホーク自体がニックネームで本名の名前の方からであることは知られていない。


このことも本部に報告されているので、ホークこと鷹士は笑っていた。

「それ名前、名前になってるよ、ぐぁっはっはっはぁ~。まぁいいけどさ」

今のところ同名は本部内に居ないのが良かった。

逆に特区内の全ての者が家族になってしまうようだ。

誰が母親かという問題も出て来そうだが、ソフィだったらと考えると一瞬脳波が停止した鷹士。

「いやいやいや、これはこれで置いておこう」


報告を聞いているのは鷹士だけではない。

皆が名乗る際は名前と地区名で特区であってもその中で一般住民個人用識別番号がL-0001から振り分けられ、生体認証と共に確認されるのが当たり前の世界に存在するので然程の違和感も感じていないようだ。そのレベルの頭文字であるLが増えるのは地位にも値するが3つ以上はない。

LL-0001は大小に関わらず会社経営レベルであり、LLL-0001はホーク陣営との協力関係を持ちつつ他の地区との共営を業務としてる者を表している。その他では地区内の執行官は▼-0001から振り分けられている。


ホーク陣営内ではA-0001から始まる個人識別番号とホークの紋章が振り分けられている。

当然のことながら鷹士は最上位な★が5つで0000が付くということになっているが誰もそこには到達出来ない。

通常下士官クラスでBであるが戦闘能力が高く勲章もある場合はAに昇格、軍職に就いていても大尉以下はB、曹長以下はC、一等兵等の兵士はD、新兵がEから始まるが、一般人から入隊でも数字群は変わらない。

特殊部隊はSで振り分けられ、勲章やその他によってABCDE・Sは増えていき3つが最高位になるがソフィは★ひとつの0001である。エロオヤジのジャーマン大将ですらAAA-0002であり、ガーネル大佐がAAA-0001なのだ。テクノロジーのTクラスは技術部。


名前や登録の問題が地球上で浮上したが、他の別地区での抗争のほうが問題である。

数時間後、新たな報告によると反逆者達には後ろ盾なる奴らが居るようだ。

金で買われたような反逆者達は、地区を収める執行官を狙い定め、集団で襲いかかっているらしい。当然、抵抗はするし処罰もしていく執行官であるが、特区のある場では部隊が出ているという。

「なんだ、その後ろ盾ってのは。別地区の者か?第2惑星の者か?ガー・・・なんだっけ、あー、ガーネット王にも問い合わせてみてくれ」と、鷹士は少々、ピンと来るような感じがあった。


そのまた30分ほど経った頃。

第2惑星のガーネット王からも連絡が入り、後ろ盾というのは獣人族の仕業らしい。

短気世界選手権があったら間違いなく優勝をかっ攫う連中だ。

下手に科学技術もある連中なので、どうやら第3惑星も介して侵入されているようだ。

その第3惑星のバークレイは商業目的で更に遠くの惑星に何かの原料となる物はないか探査に向かわせていたようで、その内の1隻に忍び込まれ第3惑星に寄った時に降り、仲間が入れるよう仕込んだと推測する。


ホーク銀河と名称が付いているが、それは勝手にホーク側が呼んでいるだけであり、2つ目の太陽がある方には、その獣人族が居る。間に2つほどの無人惑星があるが、侵蝕を始めていたようだ。

無人惑星の影で、あまりに小型な4人乗りの物体での接近で捉えられずにいたようだ。しかも小さな隕石に混じっていたようで、例え捉えてもゴミ扱いしてしまうほどで、最初だけ噴射しあとは惰性で無人惑星に降りていた。


ホーク側も偵察隊に武器の倍増を指示し、無人機で第3惑星の先を見てくるよう命令が下る。

地球側とは良い交渉が進んでいるのに、逆側では良くない状況が繰り広げられていく。

まだ第3惑星と第2惑星にいる部隊が収集を行っているが、思ったより大部隊が進行してきてるようだ。


こうなると、1地区の抗争はダミーに思えてくる。

大部隊が到着するまでの時間稼ぎなのか。

暫く平和であったホーク星にまた火の手が上がるのは許せないことである。

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