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 地球側の仕事仲間には一応、伝えるべくことは伝えた。

ホーク星の皇帝室で朝、目覚めた鷹士は早速近況報告を受ける。

資材の艦内への搬入は完了し、あとは御命令をくださればすぐにでも出航出来るとの事。

コロニーの建設も間近であり、出航の準備も整っているマリー中佐とアイン大佐。

地球側への連絡を通達し、出航に掛かれと命令を出し、朝食に入る鷹士。


通信を傍受していたので2カ国の代表に通じる回線も特定済み。

拠点の場所上空に現れることと時間も伝えたが、それは地球側とホーク陣営側との時間の数え方が違っているので苦労したようだ。面倒なので拠点上空に現れた時点で、地上には何もない状況にしておくよう伝えたようだ。


そして地球時間で約半日後。

日本の拠点なる場に現れ、同時に英国にも現れる巨大艦体。

光と共に資材が下ろされ、作業用のロボットや重機らしきもの、アンドロイドも加わり早速作業開始。当然のように周りには軍備が整えられているが、何も出来はしない。

日本側では特定人物のことを伝え、訪れた際にはID確認後に通してもらいたいと。

これはマリー中佐が直接伝え、人物の詳細も聴いていた。


拠点での建設はあっという間に5階建てほどの建造物が出来上がる。

それを見ていた周りの自衛官、英国では軍人が目を丸くして驚いていた。

役割分担も事細かにされ、アンドロイドとは知らないので休まず動き続けるのを不思議そうに見ていたようだ。

建造物の中はもう見えなくなっているが、ワープゲートの設置が繰り広げられていた。

そのゲート自体も巨大な為、5階建てほどの大きさになってしまうのである。

人用は人用で横に付くが、ゲートからは小型無人機が通れるよう設計されていた。

地球側からしたら、どこが小型だと言いたげであろうが、元々の星のサイズも違えば人口も違うのだ。


日々、着々と進み、地球側の日本では休日に入っていく。

全く信じていない中村が、言われるがままに訪れてみたら、報道陣が囲みカメラだらけであった。

その内側に自衛隊が居て侵入を制限していたが、入口らしき場には門が設けられており、許可された者しか入場出来ないよう厳しく精査されているようだ。

「あ、ちょっと君ぃ。一般人は入れませんよ」と、言われてしまうがIDを示してみると、小さな小屋内で調べているようであった。遠くに見える建造物の上には光が上空へ伸びている。


3分ほど待たされ「中村殿ですね?どうぞ」と言われ案内されるが、途中までで置き去り状態に。

すると今度は建造物の方から近付く物体の登場にビックリする中村。

「えっ?・・うっ、浮いてる?下、普通のアスファルトだよね?え?え?えぇ~っ?」

見た感じオープンカーのようだが、ハンドルは存在しない。

そして軍服姿の青髪の女の子が降りて来て、いきなり片膝を着き挨拶をして来る。

「中村様、ようこそいらっしゃいました。陛下よりお聴きしております。どうぞ、こちらにお乗りください」

と、ミニスカ丈スカートでスリットも入っているので片膝を着いた時のセクシーさは同性でも解るようだ。それにしてもコスプレにしては良く出来た衣装と、自毛っぽく染めてると思っていたようだが現実の本物のマリー中佐であった。


建造物内に入り、浮遊するオープンカーを降り、また案内された場所は綺麗な応接室かと思える部屋であった。入るなり驚くことばかりで、頼んでもいないのに別のものが飲み物を用意してくれるが、アンドロイドとは全く気付かない中村である。

「どうですか?地球側でいうと異世界?に、見えますか?確かに異なる銀河から来ましたので異世界です。どうぞ、そのままお寛ぎくださって良いのですよ。我が星の皇帝陛下から伺っております。こちらでの補佐官でいらっしゃるようで、改めまして、マリー中佐であります」

一瞬、何かの見間違いや聞き違いではと思っていた中村。

「は?補佐官?・・あっ、あ~。えぇ~まぁ、補佐役です、はい。・・・って、えっ?こっ、皇帝陛下ぁ~?・・・そんな偉い人から聴い・・・ん?マジ?」


まだ自分の目や耳も信じられない中村。

真実であって現実であることを証明する為に、マリー中佐は腰に付けている30cmほどの筒上の棒を手に持った。次の瞬間、映画で見たような光景が中村の目の前で披露される。

まるでビームサーベルであった。

「うっそ!ほっ、本物?・・・ですか?」という中村に持たせて、近くにあったテーブルに振り下ろさせると軽く真っ二つに。

思わず手から離してしまったが、離れた瞬間に光の刀剣部分は消えた。

1回だけのゲストモードにしていたマリー中佐は元に戻してもう一度、中村に持たせるが刀剣の出る反応はせずに只の棒と化していた。

「信じてもらえますか?それはもう自分にしか扱えないよう登録されていますので振り回しても大丈夫ですよ」


その後は建造物の内部を案内され、説明を受けていく中村。

皇帝の名がホークというのも知ったが、管理官であり大熊鷹士のこととはまだ繋がっていない。

歴戦の勇士であり、一国ではなく星全土と銀河を収めていると聞くと、益々遠のく管理官のイメージ。軍事大国なのかと思っているようだったが、聞いていくと暮らす民の為がモットーのひとつでもあり、民の為の制度や法も整えて星は平和になったという。


完全に鷹士の顔は除外され、別のイケメン王子か何かを想像してしまっていた中村であった。

軍が主体であるが、政治家という連中のイザコザから始まった戦争でもあったそうで、兵士を戦場に送り出しながら、自分らは逃げていたのが許せないと今でもいうマリー中佐だが、その政治家連中は全員、民によって成敗されたと表現していく。


そして規律も重んじるホーク陣営が現在の平和を作り上げ、他の惑星とも友好関係を築き同盟になっているとして説明は終了した。


そうしてる間に大きなゲートが出来上がって来てるのを間近で見る中村。

首が痛くなるほど見上げないと上部まで見えない。

すぐ隣に洒落たドアまで作られていて、人用のワープゲートであった。

まだ設定はされていないが、詳細な座標等が組み込まれればホーク星とも繋がるのでドアを開けて1歩踏み出せば別世界である。


全てが信じられない様子で見てきた中村であったが、マリー中佐に見送られて関所らしきとこで、またIDを見せてやっと出られた。安心したと思いきや報道陣が押し寄せて様々な質問が投げ掛けられる。そこへ自衛隊のではなく黒い高級車が止まり、助けられるよう後部座席に乗せられていく中村。

スーツ姿の政府の者らしいが、自宅までお送りしますと言われ、駅までで良いですと答えるが結局、自宅前まで送ってもらった中村。

既に別のスーツ男が居て警護してるようで、自宅に居た両親も驚いていたようだ。


通信でホーク星にも報告され、最重要人物になってる中村とも無事に接触完了との報告も鷹士に入る。

「おぉーそうか。少しは信じてもらえたかな。マリー中佐にもご苦労さんってね。もう片方のアイン大佐のほうは?・・・ん?上手くいってる?よぉ~しよぉ~し。あとはコロニーだけか。・・・ゲート出来たら、こっちの食材も送ってみるかな」


拠点での作業も深夜に突入する頃に上空に登っていた光も消え、マリー中佐などは艦内に戻った。

英国側でも同じようにアイン大佐も艦内に戻り、地球の上空の大気圏外に移動し待機。

もう、ステルスモードにせずとも存在は明らかなので、堂々と宇宙空間に姿を晒していた。

しかし、小型無人偵察機はステルスモードで地球の周りを回っていた。


まだ2カ国のみなので他国を警戒するのも想定内なのである。

そして未だに提供した無人機の解明には至っていない日本側でもある。

英国側も武器本体の解明には至っていないが、破壊力の解明は進んでいるようだ。


鷹士は、ふと思ったことがあった。

ワープゲートが出来上がれば少々疲れる銀河間の移動が楽になるが、意識して全体の風景や光景をリアルに思い浮かべているのだから、例え自分が行った場所でなくとも360度展開のホログラフィック映像があれば飛べるのではないかと。しかし、体力消耗は少々だが精神的負担は大きいようで移動先での睡魔は逃れられないであろう。あまり自覚は持っていないのが不安要素でもある。


2カ国には技術者も送っているのでホーク星との共同作業にもなっている。

まるで相手の端末コードと番号やアドレスを入力するかのように、いとも簡単に仕上げていく技術者ではあった。通常、ワープゲートは1箇所のみに向かうのであるが、人用も隣接しているので別の場に人だけ移動も出来るのである。パワーコアは膨大な出力を要するワープゲートにも使用される。


報告も一通り目を通したので暇になった鷹士は、ホーク星で配信されている映像などを観ていく。

ニュースあり、ドキュメントあり、お笑いものもあり、セクシーチャンネルまで存在する。

2画面で、ホーク陣営からの映像報告なども観れて、中心部分を含めて対角線上で最大5画面が映し出されるので見逃しが殆どない。

中でもホークこと鷹士は他の士官や艦隊の任務風景を時折、各所に設置されているカメラからの映像を観ていた。

これは警備任務をしている者も見ているが、当然一般向けではない。


ズボラな生活になりそうな予感を感じたので、お出掛けをしようかと企む。

着ている軍服ではなく着替えようと思い移動を開始すると、メイドに見つかる。

礼儀を尽くすが「どちらにお出掛けでしょうか?司令官様をお呼び致しましょうか?」と、着替える服を選ぼうとしての矢先のことだった。

「え?あ、いや。街の様子をね・・・地上兵の・・いや、違うな。ん~~まぁ、ちょっと外に出たかったんだ」

皇帝であるから主として本部に居るのは当然であるが、逆に皇帝であるから自由に行動出来る利点も持っている鷹士。なので、下手に言い訳する必要はなかったのだ。


結局、出掛けることになったが止めるメイドは居ない。

外に出て万歳するように伸びをする鷹士。

「ん~~~いい天気!少し暑いが、まぁこんなもんか・・・さて、まずはどこから攻めるかなと」

ひとりで外出と思いきや、不必要であるが一応護衛が身を隠しながら着いて来ていた。

特殊部隊の第2小隊であった。あの、ラ行の特殊部隊ほどではないが、それなりの腕の持ち主達。

ノンビリと歩いているようで、鷹士は横目でチラリと視線を這わし、着いて来てる者は把握していた。


とある店の前に立ち、店先に並ぶ商品を見ていると店員がお薦めをするが、すぐに気付いたようで片膝を着き挨拶をする。すると、その周りに居た者も気付き一斉に礼儀である挨拶をしていく。

そう、あの無礼講の時のライブ映像が流れていたので皇帝の容姿や顔を知られていたのである。

店員はお金は頂けません的な素振りであったが、それでも鷹士は民を大事に思っているのでシッカリと料金は払っていくのだ。


少し離れた場所で「あれが皇帝かよ、大したことなさそうじゃねぇか」と言っている輩が居たが、立ち上がろうとすると膝を折られ、テーブルに頭を強くぶつける。特殊部隊の一員が罰を与えていたのである。どうやら別地区から来た者らしく、悪党寄りの輩で思い上がりの激しいヤツだったようだ。その仲間も別の隊員にナイフを突き付けられ身動きが取れず降参していた。


鷹士は次の店でスイーツをご所望のようで、若い店員に笑顔で注文していたが、店員は緊張で手が震えていた。一般人が言うのは只の思いに過ぎないが、皇帝である鷹士が「ちょっと高いな」などと言うと大幅値下げが決行される。その日だけであるが客は殺到するので商売的には嬉しい誤算の皇帝来客だ。


こうして住民の日常を観察もしていくのである。

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