『絶望』
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第十七章:龍と熊の断末魔 —— 論理なき者への鉄槌
世界が日本を中心に回り始める中、ユーラシア大陸の北と東、ロシアと中国を中心とする『ユーラシア連盟』だけが、沈黙を守りながら軍備を増強していた。
彼らは、西欧のように泣きつくことも、アフリカのように喜ぶこともしない。
ただ、「隙あらば日本を寝首を掻く」ことだけを狙っていた。
帝都・皇帝指令室。
湊は、大陸の地図を冷ややかな目で見下ろしていた。
「何度勧告を送っても無視か。……やはり、言葉が通じる相手ではないな」
「いかがなさいますか? 再度の交渉を?」
玲奈の問いに、湊は即答した。
「不要だ。彼らが信じているのは『力』だけだ。ならば、その『力』で彼らの心を折るしかない。
——『焦土作戦』を開始せよ。ただし、土地は焼くな。心を焼け」
1. 経済による窒息(完全封鎖)
まず、湊は世界地図上の「物流」を完全に書き換えた。
日本が掌握したPPTO(環太平洋)と、アフリカ・中東・南米の資源国に対し、『ユーラシア連盟への輸出入の全面禁止』を命令。
違反した国は、即座に黒点エネルギーの供給を停止すると通告した。
世界中の海と空から、中露へ向かう物資が消えた。
食料も、先端半導体も、医薬品も入ってこない。
しかし、彼らは広大な国土と資源を持っているため、すぐには干上がらない。
「想定内だ。彼らは『自国だけで生き延びられる』と思っている。……その慢心を砕く」
2. 軍事による蹂躙(影の飽和攻撃)
ユーラシア連盟軍は、国境沿いに数百万の大軍と、数千発の核ミサイルを展開していた。
「日本が攻めてくれば、核のボタンを押す」
それが彼らの最後の切り札だった。
だが、湊の戦争は、彼らの理解を超えていた。
深夜0時。
大陸全土の軍事基地、ミサイルサイロ、司令部で、同時に「影」が湧き上がった。
外部からの攻撃ではない。彼らの足元の影、機材の影、兵士自身の影から、湊の軍団が実体化したのだ。
「な、なんだ貴様らは!? 撃て! 撃てェ!!」
銃声が響くが、影には物理攻撃が効かない。
逆に、影たちは精密機械のように動き、ミサイル発射装置の配線を切断し、司令官を無力化し、戦車の砲身をねじ曲げた。
核ミサイルの発射コードが入力される前に、全てのサイロが沈黙した。
そして、上空には日本の『成層圏爆撃機』が飛来。
投下されたのは爆弾ではない。
超高出力の『EMP(電磁パルス)弾』と、特定の周波数で神経を麻痺させる『鎮圧ガス』だ。
一夜にして、世界第2位と3位の軍事大国から、「電子機器」と「指揮系統」が消滅した。
残ったのは、ただの鉄屑の山と、恐怖に震える数百万の兵士だけだった。
3. 屈服と解体
翌朝。
モスクワのクレムリンと、北京の中南海の広場に、巨大な《影》が降り立った。
その手には、湊からの「通達書」が握られていた。
そこには、西欧諸国への条約のような「文化の尊重」や「名誉」といった甘い言葉は一切なかった。
『無条件降伏勧告』
* 国家の即時解体: 現体制は完全に廃止され、日本帝国が任命する「総督」が統治する行政区となる。
* 軍の完全武装解除: 全兵器を没収し、スクラップとして日本の資源にする。
* 指導層の処断: 戦争を煽動した指導者たちは、極刑または『人材採掘所』での強制労働に処す。
「拒否すれば、次は麻痺弾ではない。都市ごと消滅させる」
抵抗する力も、反撃する手段も奪われた彼らに、選択肢はなかった。
プライド高き大国が、歴史上初めて、他国に対して完全に膝を屈した瞬間だった。
モニター越しにその様子を見ていた湊は、表情一つ変えずに呟いた。
「獣には、檻と鞭が必要だったというだけのことだ」
こうして、地球上で唯一、日本の意に従わなかった「最後の抵抗勢力」は、物理的・経済的な暴力によって粉砕された。
厄介な隣人を力でねじ伏せたことで、今度こそ本当に、世界から「敵」がいなくなった。
第十八章:真・世界統一
「邪魔者は消えた」
中露の陥落をもって、地球統一は完了した。
* 西欧: 飼い慣らされた「文化保護区」
* 南側(アフリカ・南米・中東): 豊かな「資源・生産拠点」
* 旧東側(中露): 厳重に管理された「更生・労働地区」
* 日本(PPTO): 全てを統べる「頭脳・心臓」
世界は巨大なピラミッド構造へと再編された。
残酷な格差に見えるが、システムは完璧に機能している。
戦争はなく、飢餓もなく、エネルギーは無限。
かつて中露だった地域の国民も、独裁政権下の厳しい情報統制や貧富の差から解放され、日本の管理下で「努力が正当に評価される生活」を送り始めていた。
「以前の指導者より、日本の総督の方が暮らしを良くしてくれる」
皮肉にも、力による制圧が、現地の民衆にとっても救いとなっていた。
湊は、完成した地球儀を指で回す。
そこには、国境線など存在しない。あるのは、機能別に色分けされた美しい「地球帝国」の姿だけだった。
「終わったな、地球での仕事は」
湊がつぶやくと、玲奈が静かにコーヒーを差し出した。
「ええ。あまりにも早すぎましたけれど。……それで、陛下。次はいよいよ、あの計画ですか?」
「ああ。この星のリソースを全て使い、人類を次のステージへ引き上げる」
湊が見上げた空。
そこには、まだ誰も支配していない無限の闇——宇宙が広がっていた。
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次回は明日20:10に更新予定です。
次の話:『重み』




