起動、変動
……お、閉じ始めた。
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三日が経ち、夜花祭の空間が閉じ始める。
――――
「…異常、及び不明な反応無し。空間は正常に閉じました。」
「外様共に動きはあったか?」
「ありません。」
「ケリオスは?」
「此方の指示に従い、アルケミストで大人しくしています。」
「了解。」
――――
渚が目を閉じる。
――――
……やっぱ探知出来ないか。葉月の監視を逃れてる以上、少なからず神域は展開してる筈なんだが。
エドガーだけならともかく、もう一人神権持ちが居る+複数の魔神が居てどうして探知できない?
◇◆
「安定しましたか?」
「何とか。ここの世界は随分と頑固でね…魔力が異常に濃い上に、複数の神権が絡んでやがんだ。」
「赤帯ならまだ分かるが、紫寄りの青帯でここまでエグイのは中々ないぞ。」
「だからこそ最優先で来たのですよ。」
――――
エドガーともう一人が、地下トンネルに建てられた小屋で会話をしている。
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「アンタも疲れたろ。不滅だったか?の目を欺いてるのはあんただし。」
「いえいえ、貴方のお陰で休めていますよ。」
「…で、こいつ等はどうするんだ?」
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二人が話している部屋の隅には、幾つかの玩具が積まれた玩具箱がある。
――――
「……追々開放しますよ。配置の際はお願い致します。」
「はいよ。」
◆◇
……ま、こういう時は直に探すのが一番だろ。
「葉月、これから数日使って外様共を探そうと思うんだが…」
「……では、一度アルケミストへ。」
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渚はアルケミストにあるFUの格納庫へ案内された。
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「…私を使ってなんか試したいんだろ?」
「惑星の際に葉月様が持ち帰って下さった記録を元に、試作機を作ったのですが……」
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格納庫の端に、白い機体が置かれている。
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「作ったはいいのですが、真面に動かせるのが渚様しか居ない、という結論になりまして……」
……なんか妙だな。
「この機体はAS-FU・01…簡単に言いますと、「機体より操縦者の方が強い」という方向けの機体です。」
「また随分と限定的だな…で、元のFUと違う所は?」
「魔力炉を内蔵しておらず、操縦者の魔力を使って動く所です。」
…事実上の私専用機じゃないか?これ。
「魔力の消費こそありますが、機体の同期率は跳ね上がりますし、機体を巻き込んだ転移も可能です。」
「じゃ、ちょっと借りるがいいか?」
「どうぞ。細かな所は機体と同期すれば分かります。」
眼鏡は……あったあった。
「魔力回路接続、機体との同期を開始。」
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渚の頭に機体に関する情報が流れ込む。
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――大体理解した。
「【星海を越えて】」
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都市の外れに機体が転移する。
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……うん、私だけでも動かせる。
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機体の手足に環が出現し、空へと浮かび上がる。
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前に開発中と言っていた、天環式術式回路か。一応開発者居るとはいえ、よく自力で作ったもんだ。
転移門を通ったなら葉月が気づくはず。となると、昔の交通網とかに潜んでる…か、世界の端の方か……
――――
機体が移動を始める。
――――
兎に角探そう。
AS-FU:ArcanaSeries Fourth




