よくある入学式と、よくあるオープニング
「さて、今日から魔専だけど、意気込みとかあるかい?」
「そうですね……夢を叶えられるよう、頑張ります。」
「夢…自分みたいな人を一人でも減らす、だっけ。」
「そうですね。僕と同じ人がもう出ない…のは、無理かもしれないですけど。少しだけでも減らせたらな、と思っています。」
…よし、準備ok。
「それじゃ、行ってらっしゃい。」
「行ってきまーす。」
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楓が桜並木の中を歩いていく。
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……僕が小さかった頃も、こうやって両親に連れられて桜の中を歩いてたのかな。
いや、こうやって…では無いか。そうだとしても、僕はそれを覚えていない。
僕の身の上はちょっと特殊だ。…まあ、この世界では、そこまで珍しくも無いらしいけど。
この世界の神様と、魔神の戦いに巻き込まれて、僕の両親は死んだ。
正直申し訳ないけど、二人の声も顔も覚えていない。何せ物心が付く遥か前の事だから。
その後は、巻き込んでしまった事を申し訳無く思った神様が、僕をここに連れて来てくれたそうだ。
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楓の髪に、桜の花弁が乗る。
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…別に神様は悪くない。仮に神様が魔神を倒してくれなかったら、それこそ僕みたいな人が増えるだけだし。
だから、僕は星図に名を連ねられるぐらいに強くなりたい。…夢みたいな話ではあるけど。
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風がそよいで、花弁を吹き飛ばす。
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……僕がもっとちゃんと、魔術を使えたら良かったんだけど。まあ、その為に魔専に入るんだけどね。
そもそも入るのすらギリギリだったし。…応募者が後一人居たら、多分落ちてたんじゃないのかな……
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学校の校門が近づいてきた。
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…まあ、気楽に行こうか。
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表と裏が繋がって、800年が過ぎた。
神は人に契約を持ち掛けた。「人が神に立ち向かう限り、人が滅ぶ所までは行かせない」と。
この契約は未だ履行され続けている。
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「初めまして!…の人は居ないか。じゃあ改めて、私はここの校長をやってる日種 奏楽です。これから一年、君達にみっちり色々仕込んでいくから、よろしくね!」
……誰と組むんだろう。
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中央総合大学付属魔術専門高等学校……略して魔専。
一年に受け入れる人数が30人弱と少ない代わりに、とても質の高い教育を受けれる、という高校。
ただ、基本的に定員が埋まる事はない。
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「私達が顔合わせをするのは、これが初めてかな?」
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少し小さめの部屋に、四人が集まっている。
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「それじゃ自己紹介でもしようか。まずは私が。」
「私は柄海 蒼。これからの一年、君達三人の先生になる。よろしくね。」
「それじゃ…まずは君から。」
僕か…ちょっと緊張するな。
「えー…初めまして。僕の名前は灯里 楓です。魔専に来た理由は、人を助けられる人になりたいからです。」
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楓の話を、三人が聞いている。
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「それじゃ次、君。」
「――初めまして!私は愛宕 悠華です!ここに来た理由は…お母さんに勝つ為です!」
……不思議な理由で来る人も居るんだな。
「それじゃ、最後。」
「…初めまして、天草 源斗です。来た理由は…灯里さんと同じような感じです。」
同じ理由か…仲良くなれるといいな。
「さて、一通り自己紹介も終わった事だし……君達三人の課題でも聞こうか。」
「魔専に来た以上、自分の弱点はここじゃないと解決できないって思ってると思うんだけど…違うかな?」
……どうやら、皆そう思って来たらしい。
「……ま、こういうのは実際に見た方が早いか。」
…ん?
「君達三人共、今の全力を出してみるといい。」




