耐久テスト.mp5 3302/04/17
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映像には、白く広い部屋が映し出されている。
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『あー、撮れてるか?』
「遅延無し、ノイズ微々、問題なく撮れています。」
『よしよし。…まあ、こんなのを撮ったところで誰に見せるでもないが…見せない為に撮ってるからな。』
『私が弾け飛ぶ様子を人に見せる訳にもいかないし。』
「それでは開始いたします。まずは打撃です。」
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対象が何かに衝突して金色の液体を吐く様子が記録されている。所々にモザイク処理が掛けられている。
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「胃、腸、肝臓が破裂しました。」
『…ま、相応に痛いな。』
「本来の神権であれば無効化される威力です。」
『10%程度に絞ってるからだろ?』
「そうですね。続いて、斬撃です。」
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対象が何かに斬られて液体を流す様子が記録されている。画面の半分近くがモザイク処理されている。
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「右腕、左足、腹、喉を切りました。」
『………』
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字幕に「相応に痛い。喋れなくなるのだけ覚えておく。」と書いてある。
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「次は刺突です。」
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対象に杭の様な物が刺さる様子が記録されている。同じように、画面の大半がモザイク処理されている。幾つかの杭は貫通していない為、対象が手ずから抜いた。
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『…顔、というか頭はやめてくれ。一瞬思考が飛ぶ。』
「首を断ち切った場合も試しますか?」
『後でやろう。次頼む。』
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画面の端から炎が噴き出る様子が記録されている。
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『――お、効いてない。』
「……神権の対象が分子なので、熱による身体の変化が行われなかったのかと。」
『熱は感じるが、この程度なら問題は無いかな。じゃ次。』
「次は凍結です。」
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対象が氷に閉じ込められる様子が記録されている。
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『これもあんまり効いてないな。同じく、分子が凍結しなかったからか。』
「ただ、一瞬の行動阻害にはなるかと。」
『避けるに越したことはないか。次。』
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その後も、様々な攻撃が対象に浴びせられていた。時折、画面が金色に染まる事があった。
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『…ま、粗方分かったよ。ちゃんと防御しなきゃいけないのも分かったから、この辺りで終わりにしよう。』
「記録は消去しますか?」
『いや、消さなくていい。でも、誰にも見せないようにだけ頼む。』
「承知いたしました。」
これより記憶処理を実行します。3、2、1、0。それでは、どうぞお帰り下さい。




