表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
直系伯爵令嬢を舐めると貴方たち大変な目にあいますよ!  作者: 星野 満


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/9

9. エピローグ ジューンブライドのアリス

※ 最終回です、画像もついてます。(*^。^*)

※ 2026/3/6 epタイトル及び一部修正変更

※ 誤字脱字報告ありがとうございました。

◇ ◇ ◇ ◇


 

 数日後、事態は一転した。


 王宮の使者からメンデル伯爵に通達がきて、王宮治安部(おうきゅうけいさつ)にこれまでの賭博による領地の無断担保や、私に対する虐待などが明白となり、厳しく貴族院裁判にかけられた。



「俺が悪いんじゃない、ギャンブルは病気なんだ、おれのせいじゃない!」

 などと、メンデル伯爵は野賜(のたまわ)っていたが誰も彼の話を納得しなかった。



 たとえ100歩譲ってギャンブル依存症の病気だとしても、それなら尚一層、ギャンブルを()めなければならないだろう。

 

 いかなる理由があろうとも自分の犯した罪は償わなければならない。



 非情にもメンデル伯爵は15年の禁固刑を言い渡された。

 

 もちろん義父は伯爵位の剥奪、貴族の称号から平民に降格された。

 

 並びに義兄も成人の為、同様に伯爵家の準後継者の地位も取消となり、平民に降格された。


 義妹のイサドラに至っては、義姉を虐待した淑女品格の欠如と、私が感染症だと、でっちあげた虚偽報告を学園や王宮殿に騙していた事が、私の証言から発覚して貴族学園は退学となった。


 

 本来なら私が義妹のイサドラを寛容に許せば、義妹として伯爵家に残る事も可能だったが、私は断固拒否をした。


 あのイサドラが性根を悔い改めるなんて、とうてい信用できなかったからだ。



 義父と義兄が屋敷から去った後、イサドラが謝罪をした時に、私は拒否した理由を本人に直接話した。


「イサドラ、あなたが私にした酷い仕打ちもさる事ながら、メイドや従者たちに何年も暴言や暴力を私が注意しても、あなたはいっこうに治さなかった。それらについても私は許せないの。だからあなたには悪いけど、今後姉妹の縁を切らせてもらったわ」



「そんな……アリスお姉様、お父様は牢獄に入れられ、お兄様も高利貸しの従者の住込み商人となった。私1人でどうやって、この先生きていけばいいのでしょう?」


「安心なさい、あなたの大好きなお金持ちが、あなたを嫁に貰いたいと縁談が来てるわ」


「え、本当ですか!」

「ええ、本当よ」

 

 イサドラは発狂したように歓喜した。


「ああ、お姉さまあ、嬉しい……やはり、お姉さまは私を見捨てなかったのね」

 私はにっこりと微笑んだ。


 

 ──ええ、イサドラ。大いに喜びなさい。

 

 直ぐに癇癪を起すあなたにピッタリな嫁ぎ先だから。


 フフフと、私は誰にも見せた事のない不吉な笑みをこぼした。


「イサドラ、あなたの嫁ぎ先は王都から離れた地方の卸問屋だけど、けっこう繁盛してるそうよ」

「え、貴族ではないの?」


「ええ、悪いけどあなたは貴族学園も退学になったし身分は平民同然よ。貴族社会では評判が悪すぎて、とても社交界では生きていけないわ」


「あ……確かにそうだったわ。いいわよ平民でも。お金持ちなら貴族みたいにうっとうしい品格とか気遣いしなくてもいいし。却って良かったかも~!──お姉さま、ありがとうございます。これまで苛めた事、本当に申し訳ありませんでした、どうかどうかお許しください」

 

 イサドラは(ひざまず)き、私に何度も頭を下げてお礼をいった。

 

 そんなイサドラを私は冷静な表情で見つめた。



 ──そうねイサドラ、でもお相手の殿方の容姿は聞かなくていいの?

 

 その人は(やもめ)で年は45歳、でっぷりと太った体型で髪も薄いとか。

 おまけに双子が2組。4人も小さなヤンチャな男の子がいるけどあなたはそれでいいの?


 使用人たちはわんぱくな子供たちに手を焼いて皆、一斉に逃げてしまったとか。

 

 まあガサツで口の悪いあなたなら、4人のわんぱくな子供たちを叱り飛ばして、ゲンコツ叩けば何とか手なづけられそうね。

 

 私としてはイサドラが、わんぱく坊主たちに髪の毛を掻きむしられながら、ボロボロになって泣きじゃくる姿も見てみたいけど。


 と私は自分の前で(ひざまず)いて、詫びて喜んでるイサドラを見て、心の中がようやくスッキリした気持ちになった。



 だが何年もした後、風の便りでイサドラは夫の外見に最初は大いに嘆きはしたものの、4人のわんぱく子供たちを相手に奮闘しながら育て、自分の子供を3人も産んだそうだ。


 その後もけっこう商会は繁盛して幸福だったらしい。


 貴族社会では身につまされて生きてきたイサドラにとっては、平民の暮らしが性に合っていたのだ。


 こうして義父と義兄と義妹を実質上、制裁した私は、ようやく心が清々(せいせい)したのだった。




✧──祝・エピローグ──✧



 3年後、ある初夏の日曜日──。

 一刻までシトシト振り続いていた雨が快晴となった午後。


 本日は私アリスとユーフォルブ・ドレスデン子爵ことユーフォの結婚式が大聖堂で行われていた。


 王都の大聖堂では司祭の前で真っ白なベールを纏った私と、これまた真っ白な正装姿のユーフォが結婚式を挙げていた。


 ちょうど指輪交換の後で誓いの接吻をする瞬間だった。


 ユーフォは私の顔にかかる、雪のように白銀色のベールをゆっくりと持ち上げて私に口づけをした。


 結婚式が済んだ後──。



「ユーフォ、アリスおめでとう!」

「おめでとうございます。アリス様!」

「やったな、ユーフォ!」


 教会の外には親族や王族含めた貴族、そして私があれから復学した高等貴族学園の卒業生の友人たち、子息令嬢がひしめきあって、新郎新婦の為の人道を作ってくれた。


 私とユーフォが人の道を歩く度に、彼等は初夏の色とりどりの花びらシャワーで祝福してくれた。


 次々と夏の花びらを浴びる私とユーフォ。

 私たちは最高の笑顔でもって彼等のもてなしに感謝をした。


 ジューンブライドの私は、この日だけは王国一の幸福な花嫁だと心から思った。

 


 「そうだよアリス、雪の花のようなウェディングドレスを纏った君は、誰よりも僕には輝いて見える!」


 と新郎のユーフォはやたらと耳元で褒めそやした。


 私の姿が眩しすぎて誰かに(さら)われそうだからと、ユーフォは常に私のグローブの手を片時も離さなかった。


 ようやく喧騒の中、人道から抜けた私はホッと一息できた。


 目の前にはハネムーン用の豪華な4頭立ての馬車が待っていた。ここから王都の街を馬車に乗って一周する計画プランを立てていた。


 今夜は新居に戻って家族晩餐会と舞踏会を学友たちを招いて開催する流れだった。


 私は馬車に乗る前に、ふと雲一つない梅雨の晴れ間の青空を見あげた。



「あ、ユーフォ、空を見てちょうだい!」

「どうしたアリス?」

「ほらあそこ、とても綺麗な虹がかかっているわ」

 

 私は白いグローブを付けた指で大空に虹の輪(リング)を描いている、レインボーブリッジを指さした。


「本当だ!わお、見事な七色じゃないか!」

「ええ、まるで私たちを天空が祝福してくれてるみたい!」

「そうだな。ねえアリス!」

「何?」


 ユーフォは私の顔をくいっと自分に向けさせて、頬にチュッとキスをした。


「ふふ、誰よりも君を愛してるよ。この先永遠に僕は誓う!」

「ユーフォ……私もあなたを愛してるわ。マイダーリン!」

 

 私たちは馬車に乗りこんで、そのまま初夏の薫りの中、王都の観光を楽しんでいった。

 


──完──



挿絵(By みてみん)


※この画像はくろくまくんが、生成AIで作成してくださったユーフォとアリスです。

くろくまくん、とっても素敵な画像ありがとうございました。


※最後までお読み下さり誠にありがとうございました。

m(__)m

※この作品は2025年6月に投稿した短編作品を加筆修正して連載完結にしたものです。

※短編ではキャラクターの心情や行動が深く書けなかったので、今回連載投稿できて少しでも改善できたらと思います。

※拙作品を読んで下さり感謝致します。

※異世界ざまあシリーズは他4作品ありますので、もしよろしければ他の作品も一読して頂けたら嬉しいです。よろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
イサドラも幸せになれたのは良かったw (*´ω`*) イラスト、とっても素敵です! ヾ(・ω・*)ノ
とても楽しく面白い良い作品でした(*^^*)♪ 義父と義兄はもう仕方ない…ただ義妹のイサドラだけは少し可哀想かなーと、思った嫁ぎ先でしたが…意外と後々上手くやってたようで♪それはそれでイサドラも幸せだ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ