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暗黒竜王レベル1に転生 いずれ神も魔王も超えて最強の座に君臨する  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第6章 魔導王

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21(最終話) 旅立ち

 SIDE ミラ


 魔導王との決戦から一年が経った。


 暗黒竜王──ガルダの活躍により、魔導王とその軍団は壊滅。

 エレノア王国に平和が戻り、現在ではかなり復興が進んでいる。


 魔導王の侵攻で死んだ者たちは戻ってこない。

 だが、生き残った者にできることがある。


 前へ向かい、進んでいくこと。

 生きていくこと。


 そして、また新たな脅威が現れたときに、今度こそ大切な者たちを守るために立ち向かうこと。


 だから、今日もミラは騎士として剣の修業に励んでいる。


「精が出るねー、ミラ……じゃなかった、騎士隊長」

「ミラでいいですよ、コレット」


 声をかけてきたコレットに苦笑するミラ。


「だいたい、コレットだって魔法戦団の指揮官クラスじゃないですか」

「お互い出世したよね。やっぱ、あの戦いで暗黒竜王と一緒に戦った、ってのが効いてんのかねー」

「英雄扱いですからね……」

「実際、英雄って呼ばれるだけの活躍はしたんじゃねーのかな。魔導王と直接戦ったメンバーは勇者たちをのぞけば、あたしとミラ、リーリアだけだし……あと、ドラゴン」


 コレットの表情が少しだけ沈む。


「リーリアは冒険者として元気にやってるらしいけど、ドラゴンはねー……」


 そう、暗黒竜王は魔導王との決戦後、戻ってこなかった。

 天空の彼方で魔導王が消滅したことは、何人もの上級魔法使いや高位僧侶が確認し、事実として認定されている。


 ただ、暗黒竜王については不明だ。

 同じように消滅したのか、行方不明なのか──。

 一年経った今も、まったくの謎である。


「ドラゴンさんは──きっと、どこかで生きています」


 ミラがため息をついた。


「あたしは、今も信じています」

「ま、そう簡単にくたばる輩じゃねーよね」


 コレットが慰めるように彼女の肩に手を置く。


「……ありがとう、コレット」

「ま、勇者パーティあたりは、もしドラゴンが生きてたら討伐しに来るだろうけど」

「うっ、確かに……」


 ちなみに、アーバインたちは今も『世界の敵』と認定された巨悪と戦う日々を送っているようだ。

 先日は魔導王と並んで、世界各国に侵攻している巨悪『幻獣皇帝(げんじゅうこうてい)』を討つために旅立ったと聞いている。

 と、


『あ、いたいた。久しぶりねー。ミラ、コレット』


 彼女たちの元に一人の女が駆け寄ってきた。


 銀色の長い髪に褐色の肌。

 踊り子を思わせる露出度の高い衣装をまとった美女だ。


「あなたは──」


 ミラはハッとなった。


 見覚えがある。

 そう、暗黒竜王の精神世界──『内なる境界』で出会った女だ。


『ガルダ……いえ、「ドラゴンさん」から聞いてない? 私は暗黒竜王の鑑定スキルが擬人化した姿。ナビって呼んでくれればいいわ』

「ナビさん……その呼び名は知っています。そっか、あなたが──」

『そっちのお嬢さんとは初対面ね。初めまして』

「どーも……で、あたしたちに何か用があって来たの?」


 コレットがナビを見つめる。


「もしかして、ドラゴンのことで?」

『話が早いわね。そ、暗黒竜王のことで、あなたたちに頼みがあるの』


 ナビが言った。


『実は──』




 ナビの話によると──一年前の戦いで、暗黒竜王は魔導王を空の彼方で打ち倒したのだという。


 だが直後に限界が訪れ、地表に落下。

 ギリギリのところで助かったものの、大ダメージを受けてしまった。


 その直前に『真の暗黒竜王』のスキルで『休眠フィールド』という特殊空間を作り出し、その中で体を癒しているという話だった。


『最近になって、やっと体を動かせるようになってきたんだけど、まだ戦闘能力がほとんど残ってなくて。休眠フィールドの外は危険なモンスターがうようよいる区域だから、脱出するには助けが必要なのよ。悪いけど、手を貸してもらえる?』


 微笑むナビ。


『ちょっとした冒険の旅になりそうだけど、ね』

「──もちろんです!」


 ミラは表情を輝かせた。


「さっそく、騎士団にしばらく団を離れる許可を取ってきます! もし駄目だったら、騎士団をやめてでもドラゴンさんのもとへ行きます!」

「ひええ、思い切ったこと考えるねー。ま、そうなったときは、あたしも付き合うか……」


 コレットが苦笑する。


「待っててくださいね、ドラゴンさん」


 やっぱりガルダは死んでなどいなかった。


 もうすぐ、彼にまた会えるのだ。

 いや、絶対に会いに行く。


 ミラは浮き立つ心のままに走り出した──。

                    【完】

これにて本作は完結となります。ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

また別の作品でお会いできましたら幸いです。ほな~!(´・ω・`)ノ



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― 新着の感想 ―
[良い点] 最初から一気に読みました! 中々に楽しかったです!
[一言] 完結お疲れ様でした!!! いつも楽しく読ませてもらってます! これからも無理せずがんばってください!!
[良い点] 完結おめでとうございます!そしてお疲れ様でした!楽しかったです!!
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