セシルとジョゼフお兄様で郵便屋さん
数日前にもどります。
ジョゼフお兄様とお留守番、2日目です!やっぱりちょっと寂しいです。いつも騒がしいウジューヌお兄様がいないし、エドガーお兄様もいないし、アランお兄様に抱っこもしてもらえないです。
ママもいないし、パパもいない。
寂しくってジョゼフお兄様の背中にくっついてたら、絵本を読んでくれました。郵便屋さんの絵本です。空飛ぶドラゴンにのって、お手紙を運んでくれます。お代は、お金かドラゴンさんへのお肉のどっちか!
「じょじょー!どらごん!」
「ん?郵便屋さんに会いたいの?」
「うん」
「お手紙書かないと会えないよ。お手紙書いたら、魔法でお願いするんだ。」
「まほう?ちがう、これ」
絵本だと郵便屋さんにお願いするときは、郵便局みたいな建物にいってお願いするって書いてありました。そのページを見せて指差せば、ジョゼフお兄様が首を振りました。
「それは街の場合だよ。我が家から街まで距離があるだろ?ってまだセシルは知らないか〜。まーそこまで行くのに距離がある場合は魔法でお願いするんだ。早いとすぐくるし、遅いと1週間くらいしてくるかな〜」
そんなに時間かかるんですか、すごいです。
ということは、今日のやることは一つです。
「おてがみ!!」
「・・・だよねー。描きたいって言うよねー」
「ばあや!!おてがみ!」
お部屋で片付けしてるばあやに言えば、笑いながら答えてくれました。
「はいはい、お待ちくださいね。セシル様でもかけるように、道具を用意しますから。ジョゼフ様はどうされますか?」
「・・・僕も書くよ」
「かしこまりました」
初めてのお手紙は、セシルが持てるようにって木炭を渡されました。お兄様はセシルより細い木炭でした。
「セシル、文字書けるの?」
ジョゼフお兄様が不思議そうに聞いて来ました。あれ、そういえばセシルは文字かけたんだっけ?
「もじ・・・ばあや!」
困った時のばあやです。
「セシル様は、絵本で読まれてますが、文字はまだ本格的には書かれていませんね。アラン様とお絵描きしてる時に、時々文字は書いてましたが」
「アランおにいしゃま・・・あ!かける!」
そうです、お兄様と一緒にお絵かきしてる時になんか教えてもらいました。
るんるんで描き始めると、ジョゼフお兄様が覗き込んで来ました。うねうね描きながら、ジョゼフお兄様とセシルの絵も一緒に描きます。
「ばあや、あとで翻訳付きで封をしたほうがいいみたいだよ」
「・・・そうですね。かしこまりました。」
満足の出来にばあやに見せれば、ばあやが音読してって言うのから、セシルは書いたお手紙を読んであげました。いっぱいばあやに頭を撫でてもらいました。ジョゼフお兄様は、綺麗な字で何枚も書いて綺麗に封筒に入れて、宛名まで書いてます。それ、セシルもやりたいです。
「ばあや、セシルも!」
ばあやが封をして宛名を書こうとするのを止めたら、少し困った顔をしてから笑顔でいいですよって入ってくれました。自分が描き終わってみると、ばあやが困った理由がちょっとだけわかりました。セシルのおてて、木炭で汚れてました。ジョゼフお兄様の封筒は綺麗なのに・・・セシルの封筒は汚れてます。
「・・・セシル、おてて洗いに行こうか。」
「あい」
「まって、その手で僕の服掴まないで。」
そう入ってジョゼフお兄様に両手首を捉えられてしまいました。そのまま、手洗い場まで、トコトコ連れてかれて石鹸あわあわさせて綺麗になりました。これは、お空の雲みたいです。机の上に雲をおきたいです。とか思ってかけだしたら、ばあやに捕まって水で流されちゃいました。
「あわわわーふわっふわ〜きえちゃったー」
ばあやにタオルでおててを拭かれながら、お兄様は危なかったとか呟いてます。
「セシル様、あわあわは、洗面器の中でだけで遊んでくださいね。」
なぜか顔も拭われながら釘を刺されてしまいました。泡でお描きしようかなーって思ってたのがバレたみたいです。
「はーい」
「ジョゼフ様、お手紙は屋敷の手紙管理と一緒にまとめてしまってもよろしいですか?」
「んーできれば、セシルに郵便屋さん見せてあげたいな。セシルは、郵便屋さん呼ぶとこ見たいよね?」
「みるー!」
「じゃーお昼食べてから、プロスペールにお願いしようね」
「ぷろしゅふわはわ?」
ちょっと難しい名前です。ぷろ・・・なんだっけ?
「ぷ・ろ・す・ぺーる」
「ぷ・ろ・しゅ・ぺぇーりゅ」
「そう、ちゃんと覚えるんだよ。この館の家令次長のプロスペールだよ」
「ほへーかれーじちょー?」
「うん。セシルは顔合わせたことないっけ?」
ジョゼフお兄様の問いにばあやが答えてくれました。
「そういえば、セシル様が歩き回られる頃にはありませんね。彼が執務室から出てくるときは大抵お昼寝の時間帯ですし」
「そっか。じゃーセシル、プロスペールに会いに行こう!ちゃんと顔を覚えるんだよ。まー特徴的だからすぐ覚えられると思うけど。彼はこの館の全部のお金の管理をしてる人なんだ。今、お父様の執事が一緒に王都に行ってるから、買い物とかお金とかかかるものは、家令次長に直接お願いしに行くんだ。」
「ひょーじぇんぶ?」
それはすごいですね。お金の管理全部してる人なんですか?お小遣いが欲しかったら彼に言えばいいんですね!わかりました!
「お菓子!」
「違う!なんでお菓子なの?!」
「だって、お菓子!お金かかる!ルル いってた!」
「ルル?・・・侍女のルルーリナか・・・」
ジョゼフお兄様が笑いながらセシルとおて手を繋いで、食堂へ移動しました。途中廊下でルルにあったら、お兄様が吹き出してましたが。昼食を食べ終えれば、セシルが入ったことないお部屋に着きました。
「プロスペール。僕だよ」
そう言ってジョゼフお兄様が扉をノックすると、口髭がクルンと巻いた赤から茶色にグラデーションがかったオールバックの中年のおじさんが現れました。
「どうされましたかな。ジョゼフ様」
「僕とセシルでお手紙を書いたから、郵便屋さんを呼びたいんだ。それをセシルに見せてあげたいだけど、今日できる時間はあるかな?」
「なるほど・・・それでしたら、本日の3時のおやつの前にもともとお呼びするつもりでしたので、その時に一緒にお送りしましょう。それまで少々お待ちください。」
「ありがとう、お願いします」
「しましゅ!」
一緒にお願いしたら、むふふって笑われました。確かに顔が濃いおじさんでした。
「セシル覚えた」
「それは良うごうざいます。」
バイバーイって手を振って別れた後セシル思いつきました。
「郵便屋さんの駄賃ほしい!」
「だちん?あードラゴンへのお礼か」
そう言うとジョゼフお兄様が厨房へと一緒来てくれました。ドラゴンさんへの駄賃です。お願いしたら、乾燥肉がもらえました。
そのあとはお兄様とお部屋の探検です。お兄様が色々教えてくれます。家令次長のプロスペールの上には、もっと歳が上の家令長がいるそうです。その人は今の時期は領内の管理で昼間はいないそうです。料理長も王都に行ってて不在で、今は副料理長が料理を担当してるそうです。お庭の管理の人は変わらずです。子供部屋に戻ったら郵便屋さんの絵本をもう一回読んでもらってたら、侍女のルルが呼び来ました。絵本を持ってついていくと、着いたのは知らない玄関のお外でした。
大きく開けた場所です。
「ここ?」
「はい、本日は定期的にお送りする日ですので、呼べばすぐ来ますので」
そう説明してくれたのはプロスペールでした。その横に、お手紙の束を紐でひとくくりにしたのと、バラバラなのを抱えた従者のお兄ちゃんがいます。
「では、お呼びしますね」
そう言うと、プロスペールが玄関から少し離れた場所に地面の上にステッキで円を描いで何か模様を描き終わると、ステッキを振るった瞬間模様が燃え上がって光りました。
消えると同時に、宙で風の渦巻きが発生したかとおもうとお空へと、びよーんと伸びていきました。
「ほえ」
「あれは風の通り道で、郵便屋さんが最速で来てくれる魔法なんだよ」
ジョゼフお兄様が教えてくれました。
「風のみち?」
「そう、とっても早く来れるんだ。すぐ来れないときは手紙落ちるんだよ」
「へー」
感心してると、トンビみたいな鳴き声が聞こえて、もう一度お空を見上げたら、風の道を通って何か遠くから近づいてくるのが見えました。
「どやごん!!」
「来たみたいだね」
あっという間に、目の前にまで来たのは青い色をしたドラゴンとその背中に乗る、絵本と同じ郵便屋さんの制服を身にまとったお兄さんでした。
「きゃー!!ゆうびんやさんきた!!じょじょー!きた!」
「うん。きたね!」
ジョゼフお兄様の腕を掴みながら言えば、なぜか後ろから抱きしめられてしまいました。足でしっかりと胴体も固定されちゃいました。
「じょじょーはなちてー」
「だーめー。飛び出すでしょ。ここで一緒に見るの」
「どらごん、さわりたいー」
「だーめー。ドラゴンさんはお仕事中」
そんなことしてる間に風は止んで郵便屋さんとプロスペールがお喋りし始めました。
「こんにちは、プロスペール様。今回は郵便物もあります。」
「こんにちは。結構きてますね。こちらも配送をお願いします。」
プロスペールと郵便屋さんが手紙のやり取りとか、何かをやり取りしているのを大人しく待っていると、郵便屋さんがこちらに気づきました。
「はい。・・・その子達は?」
「我が家の姫様と王子様です。絵本を読まれて、ぜひ見ていたいとご要望がありまして。」
「可愛らしいですね。・・・あー郵便屋さんの絵本。僕も知っています」
セシルが持ってる絵本を見て、郵便屋さんがドラゴンから降りて来てくれました。
「こんにちは、お姫様。”僕は郵便屋さんです。お手紙は誰あてですか?”」
絵本に書いてあった郵便屋さんのセリフです!
「ゆうびんやしゅん!セシルのママとパパとおにいしゃまにおねがいしましゅ!」
そう言って、従者のお兄ちゃんが持ってるお手紙の束を指さしました。
「”了解しました。”ちゃんとセシル姫の”ママとパパにお届けしますね。お代はなんですか?”」
「”どらごんしゃんに おにく で おねがい します”」
噛まないように、ゆっくり言ったら言えました。ジョゼフお兄様の腕を引けば、ポケットから厨房でもらった乾燥お肉を受け取って、郵便屋さんに渡しました。
「”これはこれは、ありがとうございます”」
ぺこりっとお辞儀をすれば、絵本とおんなじです。
「むっふー!じょーじょー!言えた!」
見上げて言えば、ジョゼフお兄様が頭をなでなでしてくれました。
「よしよし、言えたね。」
「かわいいお姫様ですね。王子様も素敵だ。」
「ありがとう。かわいい僕の妹なんだ」
郵便屋さんは従者さんからお手紙を受け取るとドラゴンに飛び乗りました。
「きゅーーー」
ドラゴンさんが郵便屋さんの方に向いて何か鳴いてます。
「まだ、ダメだよ。」
「ガウ」
「君のものでも、まだ仕事中。終わったら食べようね。はい、行く!」
郵便屋さんが、ドラゴンのお腹をトントンと足で叩くと、むすっとした感じでドラゴンさんが羽を羽ばたかせてまた、発生した風の道を通って空高く飛んで行きました。
「どうでしたかな?」
「しゅごかったー!どらごんぴゅーん!!ママにすぐつく?」
「すぐには、着きませんな。馬車よりは早いですが、他のお手紙も一緒ですからね。7日程度でしょうか」
なんと、あんなに早いドラゴンでもそんなにかかるですね。早く読んでほしいです。
「・・・7回おねんね?」
「そう、セシル賢いね」
ジョゼフお兄様が頭をなでなでしてくれました。
「お返事くるー?」
「楽しみだね」
「うん」
二人仲良く手を繋いで、屋敷に戻りました。今度は郵便屋さんにお金を渡して見たいです。




