さくっと3さいです
セシルはご機嫌です、なんと!もうすぐ誕生日なのです!なんでも3歳は特別な日らしいです。使用人のお姉さんやお兄さんが忙しそうにしてるので、今は子供部屋でアランお兄様と一緒お絵描きしてます。遠くのほおで走る音が近づいてきました、見れば、いきなり扉が開いて、オレンジ色の髪の毛をした薄緑色の瞳をしたおねえさんが入ってきました。
「どうして!セシルは剣の稽古に参加しないの?!」
そう怒ったように言ってきました。
「だ、だれ?」
セシルはびっくりして、アランお兄様の背中に隠れました。
「私は、マリアンヌよ!知らないの?あなたの従姉妹。ねぇ、どうして?アランお兄様」
「セシルが興味を示してないからね、興味ないのにやらせても意味がないだろ?マリアンヌ、まだ君とセシルは初対面だ、知らないのは当然だろ?」
「う。とりあえず、アランお兄様は甘いわ!マルディ家の義務なのに!」
初めてあったお姉さんに怒られてしまいました。セシルがびっくりして涙目になっていると、ウジューヌお兄様がお部屋にはいってきました。
「あ、いたいた。マリアンヌ。」
「ウジューヌ!」
マリアンヌお姉さんが怖い顔でウジューヌお兄様を見ました。
「セシル、ちょうど良いだろ、マリアンヌは女の子だし、一緒に剣の稽古やろうぜ」
「いや!」
速攻でセシルが返事をすると、ウジューヌお兄様がむすっとした顔をしました。
「なんでだよ。女の子がいるんだからいいだろ!」
「ウジューヌ、お前がそう言うふうに無理やり誘うから、セシルが嫌がるんだ。やめなさい」
アランお兄様がウジューヌお兄様をたしなめると、ふて腐れてしまいました。
「なんだよ、アランはセシルセシルって!いいよ、行こうぜマリアンヌ」
「え?ちょっとまって」
「アランお兄様?」
「セシルは気にしなくていいよ。あんまり考えると、またお熱がでちゃうよ?」
「はい」
「マリアンヌ達は今日から泊まってくみたいだね。」
「ほえ」
「まージョゼフとウジューヌが相手するから大丈夫だよ」
ニッコリとアランお兄様が微笑みながら言いました。お兄様の言うことは正しいのです。
そんな事もあり、セシルはウジューヌお兄様の事が最近苦手です。ちょっと離れてる時は大丈夫なんです。近づくとダメです。セシルが剣の稽古をしたくないのは、知らない記憶が嫌だって思っているんです。アランお兄様はそのこと知っているみたいです。でも、それだけだったらアランが止める理由にはならないことをセシルは知りません。
その日セシルがお昼寝をしている間にアランは母親の部屋を訪ねました。
「お母様、セシルをお昼寝させたけど、また微熱と湿疹がでてる」
「まぁ、アラン、ありがとう。」
「セシルは大丈夫なの?」
不安げにアランが母親に問えば、安心させるように母親は頭を撫でました。
「もうすぐ3歳になるから大丈夫よ。」
「そっか。・・・ウジューヌは、まだ納得してないみたいなんだ。」
「あの子の場合は一緒に遊びたいだけよ・・・お兄ちゃんらしいことがしたいのよ・・・はぁ」
*
なんと今日はセシルの3歳の誕生日です!広間にはプレゼントが山盛り!知らない知識が、クリスマスプレゼントみたいって言ってます。
「クリスマスプレゼントってなに?」
思わず口に出してエドガーお兄様に聞くと、首を傾げられました。
「そんなの知らないよ。セシル、わからないのに知ってる知識は、今は言っちゃダメだよ。今日はお客様もくるからね。」
1歳の時に前世の記憶が少しだけ封印されてるって家族に常に言われてます!だから、セシルは少しだけ賢いだって。
「にゃんで?」
「セシルの知らない知識はね、セシルが生まれる前に知った知識だから、それを悪用する悪い人がいるんだよ。」
「うん?」
エドガーお兄様が真剣な顔をして説明してくれるけど、なんとなくわかりました。
「・・・わかってないね。とにかく、疑問に思ったことは、僕たち家族の前でしか言っちゃダメだよ」
「あい!」
元気よく手をあげといたら、すごく困った顔をされてしまいました。
「心配だなー僕から離れちゃダメだよ。セシル」
「はい!」
ちゃんとエドガーお兄様と手を繋いで、パーティーが始まるまで時間を潰すことにしました。2階の柱の陰から招待客を覗き見てみたり、他のお兄様のところに行ってみたり。
「今日はな俺の友達がくるんだぜ!」
「ウジューヌお兄様の?」
「僕はそんな話聞いてないよ?だれ?ウジューヌ兄様」
ウジューヌお兄様の言葉にエドガーお兄様が怪しんでいます。
「それは・・・っとそんなの秘密に決まってるだろ!」
「男爵とかじゃないだろうね?」
「違う違うご学友・・・なんでもない」
「まさか・・・」
顔を青ざめるエドガーお兄様の袖を引っ張ってセシルは気になることを聞きました、ウジューヌ甥に様のいたずらは面白いですけど、必ず怒られることしかしないです。
「ごがくううってなに?怖い人?」
「怖くはないかな?えっとー、身分の高い人の子供と一緒に遊んだりお勉強することというか、なんというか」
「ほへー、セシルとお兄様はごがくう?」
「僕たちは兄弟だから違うよ」
「ちがう?みぶんたかいってばぁやが言ってたよ?」
「そうなんだけど、えっとー。あ、そろそろ着替えの時間みたいだよ。ばぁやが来た」
「姫様、王子様。お着替えの時間ですよ」
「「はーい」」
セシルの誕生日会用の可愛いドレスはエメラルドグリーン色を基調とした赤い髪によく似合う色合いです。ツインテールに結わかれた赤い髪にドレスと合わされた色の大きなリボンも可愛いです。思わず鼻歌を歌いながら鏡の前でくるくる回ってみました。ふわふわって広がって楽しいです。ティアードのスカートになっているため、一番下の段は白いプリーツになったレースでふわりと舞います。
「かわいい!セシル、お姫様!絵本と一緒!!」
靴もドレスと同じ色でキラキラしたアクセサリーもついているんです。
「はい、旦那様からのプレゼントですよ。姫様が好きな森の妖精姫の絵本と同じドレスですよ」
「きゃー!!パパにお礼いう!」
「姫様、まだダメですよ。今日は姫様が主役なんです、アラン王子がお呼びになるまで出てはいけません。」
せっかく可愛い服を着せてもらえたのに、まだみんなに見しちゃだめだなんてつまらない。セシルは頬をぷーっと膨らませながら足踏みをしました。
「そんな可愛い行動しても、ばあやは許しません。」
「けちー」
まだかまだかとセシルがまっていると、やっとアランお兄様が迎えにきてくれました。
「では、行きましょうか。我が家の可愛いお姫様」
「はぁい!」
セシルが元気よく返事をして、可愛らしくエスコートをうければ、周りの侍女や侍従が微笑ましく見つめながら、二人は広間へと向かいました。
拍手で迎えられた広間では、先ほどセシルとエドガーが盗み見た人数よりも増えていました。皆が一斉にこちらを見る様子に、セシルは怖くなって足が止まってしまいました。それをアランが優しく手を撫でて落ち着かせると、父親たちが待つ場所へと向かいます。
「みなさん。本日は3歳になる娘、セシルのためにお集まりいただき、ありがとうございます。我が家の唯一の姫も無事に3つの歳を越える事ができました。」
セシルの父親が挨拶をするなか、長い話にセシルは早々に飽きて緊張もとけました。人々の目線も父親に向いているのをいいことに、本人はプレゼントが並べられている場所に目が釘付けです。思わず体が向かうのを、エスコート役であるお兄様が、笑顔で抑えています。
「アランおにいさま。まだ?セシルはプレゼントあけたい」
思わずセシルが耳打ちすると、近くにいた男性が小さく笑いました。
「レオン殿、お姫様がプレゼントを所望しておりますぞ」
その言葉に、セシルの父親であるレオンは、笑いながら許可をだしてくれました。
「これはこれは、うっかり長く話し込んでしまった。セシル、誕生日おめでとう。もう、開けてもいいぞ」
「はい!」
セシルは元気よく返事をして、兄の手を握ったまま、プレゼントへと駆け寄りました。
「セシルよりおっきい!」
「ふふ、そうだね。なんだろうね」
「きゃー!あける!」
並べられたプレゼントは、セシルよりも大きいものばかりです。大きな袋に綺麗なリボンが巻かれてるものや、紙袋に巻かれてるもの、箱に入っているものと様々。
手前にあった大きな袋の中を開ければ、なんとおっきなテディベアが出てきました。一人で一生懸命袋から出せば、自分と同じ身長くらい。セシルが抱きしめれば、だき心地抜群な感じにご満悦です。
「かわいい!」
「それは、わしからじゃ」
そう声をかけたのはセシルのお祖父様、ドラハだった。
「おじいさま!ありがとうございます!」
脇にテディベアを抱えながら、お礼を言うと、そのまま、隣にあった細長い箱を開けました。その中には剣が入っていました。
「けん・・・」
持ち上げれば、それも自分と同じくらいの大きさです。剣は嫌って、記憶の中のお姉さんがいってた、男の子になっちゃうから、セシルは可愛い女の子になりたいのに、なんでお兄様たちみたいな剣?
「それは、叔父上からだよ」
お兄様がセシルに教えてくれました。思わずぽかーんとした顔で叔父さまを見た私は悪くないです。だってこれ、3歳になったセシルが持てる大きさじゃないし、抱きしめてる状態だし、しかもなぜか派手な装飾がしてある綺麗だけど、そんなにうれしくないの。
「あははは、驚いてる。可愛いな〜セシルは!」
そう言ってなぜか写し機を撮ってきました。あれは、カメラと同じだって記憶の中のお姉さんが言ってます。おじさまは、マリアンヌお姉さんのパパです。早々に剣を手放して、次のプレゼントです。おじさまがひどいとか言ってるけど知らないです。すぐ剣の稽古に連れていこうとするんだもん。次に開けたのは、お裁縫道具に、新しいドレス、ラパンシュっていう魔物のぬいぐるみとかお人形いっぱい!
そして、最後が上がとんがった大きな物体、紙で包まれてるけどなんとなく知ってる!絵本で見た形に似てるしお庭から見る形に似てます。ベリベリと紙をやぶけば、でてきたのは。
「ドールハウス!!」
セシルと同じ高さのドールハウス、手前を両開きでひらけば、ちゃんとお部屋があるし、お人形さんも置いてあります。
「きゃーーー!!」
ぴょんぴょん跳ねながら喜んでたら、お母様に頭を撫でられた。
「これは、アレットおばあさまからよ」
「おばあさま、ありがとうございます!!」
「ふふふ、どういたしまして。」
「へードールハウスってこうなってるんだ」
エドガーお兄様もきて一緒に中のお人形を使って遊び始めました。もちろん、セシルはドレスをきた女の子を手にとって歩き回せます。
「お姫様〜どこにいかれるんですかー」
ジョゼフお兄様が男の子のお人形を持って追いかけてくるので二人はクスクス笑いながら作り声で遊びます。
「こらこら、ジョゼフまで一緒に遊ぶな。パーティーはまだ始まったばかりだよ。セシル、プレゼントを一個だけ持っていいから、ドールハウスで遊ぶの今度にしよう。」
そうお父様に言われて抱き上げられてしまいました。ドールハウスは従者の人たちに撤収させれられてます。
「えー」
「いつでも遊べるだろ?これはセシルのなんだから」
「はーい」
しょんぼりとしつつセシルが持ってたお人形も回収されていまいました。一つプレゼントを持っていいと言われので、脇に抱えていたテディベアと周りにあるぬいぐるみで悩みなます。ん〜やっぱり一番大きいテディベアですかね。
「これ、持ってく!」
「んー・・・まぁいっか」
アランはちょろちょろ動き回っても、大きなぬいぐるみを抱っこしていれば目印になるなっという理由で許可しました。
「アランお兄様いいの?もう少し小さい方がいいんじゃない?」
「セシルこれとかは?」
ジョゼフとエドガーは小さいぬいぐるみを指しましたが、セシルは横に首を振りました。
*
そんなやりとりを周りが微笑ましく見ている中、セシルのお祖母様たちが会話をしていました。
「やっぱり女の子がいるといいわね〜可愛いものが増えるわ」
「でも、母上。セシル姫はまだ剣の稽古をしたがらないんですよ。体が弱いのであれば鍛えれば」
そう、剣をプレゼントをした叔父ウルスが言いました。
「こら、ウルス。お前はレオンからちゃんと話を聞いてなかったのか。体を鍛える云々の話ではない。お前はもう少し、そういう筋力でどうにかしようとするのをやめなさい」
「父上まで」
「お前の娘、マリアンヌは体が丈夫だから出来る事であってセシルはまだ体が出来上がってないんだよ。ウルス」
「兄上・・・」
「無理に誘わず、見せるだけでいいだ。今ウジューヌが無理やり誘い続けて、余計嫌煙されかけてるんだ、このままだと本当に剣にすら触らなくなるかもしれない。今だってお前がくれたものを早々に手放しただろうが」
「・・・ですがマルディ家の者として・・・はぁ、わかりました。これ以上言わないので笑顔で威圧しないでください。兄上」
「わかってくれてよかったよ」




