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4話

 博士に導かれ入った部屋にあったのは、テーブル、椅子、棚……着替えは棚に入ってるとして、食べ物は見当たらなかった。


「食事があるって話でしたが」


「生体機械さ。まあ見てなさい」


博士は棚の引き出しを開け、容器を取り出した。さらにその容器を開け、取り出したのは錠剤だった。


「まさか未来の食事って……」


「まあまあ見ててって、これを食べるわけじゃあない……ご飯の時間だよ!」


博士が喋り終わるや否や、テーブルが変形する。うぞうぞと波打つようにその身を震わせると、中央に穴が空いた。間髪入れず、その穴に錠剤が投入される。


「リクエストはある?」


「……っこれは?」


「生体機械さ。料理をしてくれる。言葉も理解する。食べたいものを言ってやれば、食べたいものが出てくるってワケだ。リクエストはある?」


「……ハンバーグ、かな」


「焼き具合も指定できる」


「ああ……いや、なんでもいい」


「そうか。じゃあミディアムにしよう。私も同じのを頼む。さて、料理を待つ間に服を着ようか」


テーブルは再び変形している。天板の厚さ5cm程度だったのが、20cmくらいになった。中央に空いた穴……テーブルの”口”は既に閉じており、そこにあったことも感じさせない。ジュウジュウというくぐもった音を聞いていると、博士が着替えを渡してきた。


「調理はすぐ終わる。手早く着替えて、着席することだな」


 着替えにも何かあるのか聞いてみたが、『ソレにはない』とのことだった。博士は既に着席しており、背もたれに体重をかけている。椅子はヘッドレストと肘掛けを形成し、背もたれが背中の形に合わせて湾曲する。成程、アレは生体機械か。着替えて、着席。やはり私の椅子も生体機械だった。


「質問したいこと。生体機械のことだけじゃないでしょ?」


「……ええ、でも……何を聞いたらいいか、よく分からなくて」


「まあ、生活していけば自然と疑問が形になるでしょう。ゆっくり過ごせばいい」


生活。現実味がなくて考えもしなかった。私はこの、未来?で生きていかなければならない。金はどうやって稼ぐ?住まいは?そもそも……


「私は、何故蘇生されたんですか」


博士の目は私の目に向けられていた。いつの間にかテーブルに料理が並んでいる。リクエストしたハンバーグに加え、米、蒸した人参、ブロッコリー、芋……それぞれが湯気を立てていた。


「君が再びこの世に生を受けた理由、それはね」


「僕と家族になるため、だよ」

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