3話
「後ろのアレ。君が出てきたところだね?アレは、そうだな、1999年生まれだとまだ概念すら出ていないだろう。”生体機械”と言うんだ」
「生体機械は機械であり、機械ではない。機能は機械だが、実態は生物だ。生物は脳みそが電流を使って、例えば腕を動かす、みたいな命令を実行するだろう?アレと同じ仕組みだ」
「つまり、後ろのやつは脳みそをインサートしたら、その機能を復活させて、ソレをベースに肉体を作るプログラムが組まれた生体機械なんだ。異常がないのはさっきの検査で確認済みだね」
生体機械。それは、肉でできた機械。神経が回路の役割を果たし、それぞれの命令を実行する。命令は脳を介して下され、その脳は人間が作る。例えば、掃除機の生体機械の脳は、ゴミを吸い取ることで快楽物質を発生させるように作られるそうだ。生産コストは低いらしい。レアメタルみたいな金属は一切不要で、適当な生物から素材が取れることが理由だ。
「生体機械、わかった?」
「はあ、まあ、ええ?」
「まあ生活してればわかるでしょ。ところでなんだけど、君はお腹が空いてるはずなんだ。胃袋の中身なんて作ってないからね。ご飯食べようね」
「は、はい」
「その前に服も着たいね。そうだよね。どっちも隣の部屋に用意してあるから着いてきて」
死んだと思ったら目覚めて、目覚めたと思ったら意味のわからない話を聞かされて……そういえば、健康な体に感動してたところだったなぁ。生きてるんだ。なんだか嬉しくなってきた。ようわからんけど健康に生きてるならいいか!って気になってきた。博士は笑顔で私が立ち上がるのを待っている。私に説明してるうちに楽しくなってきたようだ。まずは博士と食べる未来の食事に期待しよう。




