運命
「そういえば、ごめんね。急に話しかけちゃって」
「ううん、私も五島さんの後つけちゃったし」
「和泉ちゃんがいつもお風呂入ってたのは知ってたんだ。で、今日私の真似してサウナ入って、ぷふ、あんな顔してたから」
話の途中で急に吹き出す五藤さん。
「あ、あんな顔って……?」
「すっごい気持ちよさそうにととのっててさ。もう羨ましくなるくらい」
思い出したら笑えてきたとでも言うようにお腹を抑えて笑い出す。
え、私そんな気持ちよさそうな顔してたの!?
「ごめんね、笑うつもりはなかったんだけど、なんていうかその時運命みたいなの感じちゃって」
「運命……?」
「あ、誤解しないでほしいんだけど変な意味じゃなくて。きっとこの人はサウナを好きになってくれる、歳も近そうだしきっと仲良くなれるって思って」
だとすると私も運命を感じてたかもしれない。
私もサウナに入っていく五島さんを見て、あの人があんなに夢中になるサウナを知りたいって思って。
「大学も同じアパートも同じだもんね。本当に運命かも」
「え、やっぱり和泉ちゃんそっち?」
「だから違うって!」
今日会ったばっかりなのに、すごく楽しい。
お互いにお互いのことは前から知ってたみたい。
五島さんが話しかけてくれたおかげでこうして知り合って一緒にお酒を飲んでる。そんなサウナが繋いでくれた不思議な関係がなんだか心地いい。




