コーヒーブレイク34
「すごいな! スライムって皆、そんな事ができるのかい?」
「はい、マスター。わたしの国では、皆できましたよ。でも個体差はありましたですの」
俺が今何をしてるかって?
ノアとシラタママに追い出されたので。
まあ、暇になってしまい。世界樹の館に戻ってきのだが、ロロンとソフィアが旅の支度をする為に、買い出しやら準備をするとのことで……俺は、シラタマと二人で散歩中と言う訳なのだが、何気なく聞いたシラタマの能力に驚いていた。
きっかけは、旅に必要な荷物がどれぐらいになるか? を考えている時だった。
「マスター。お荷物でお悩みですの?」
「そうなんだよね……ロロンとソフィアが、食料やらを買いに行ってるけどさ……」
俺の頭の上で、お行儀よく座っているシラタマに、行く先もちゃんと決まってない不安だらけの旅立ちの話をした。
その中でも、特に不安だったのが食料や水の問題と……俺の戦闘力の低さであった。
歩き疲れた俺は、湖の畔の辺りで休憩しながらシラタマに不安を打ち明けていたのだが。
シラタマが「お茶にしますですの」と体内から、湯呑みや急須などを取り出してお茶の準備を始めたのだ。
「すごいな! スライムって皆、そんな事ができるのかい?」
シラタマが取り込んだ物は、異空間胃袋に収納される事実を知った俺。
しかも! シラタマの異空間胃袋は、性能がダンチだった事実を知った俺。
どれぐらい高性能かと言うと……。
(ご主人様。それは、わたくしが説明致しますわ)
(あっ! お母様)
突然に脳内に聞こえてきた声は、シラタママだ。
そう! ノアと同じように恋人になり召喚士と召喚獣の契約が正式に結ばれると、俺の指にペアリングが現われて『全てを知りたいの。愛してるのリンクしてたい』が発動したようだ……。
これによって、俺とシラタママ、シラタマの三人の意思疎通が可能になったのと同時に……また俺のプライバシーが削られていった……。
(よかったのう。アオイのハーレムメンバー同士で仲良く話せるのじゃ)
(あっ! ノアお姉さまの声ですの)
(なんだこれ! なんでノアとシラタマが念話できるの?)
(……それよりも、シラタマが用意した茶器についての説明を致しますわ)
(その話は後じゃ)
(ノア様! 買い物の件でご相談がって、なんで皆で話ができてるの)
(すごいな! ロロン。私にも聞こえるぞ)
(((((ワイワイ、ガヤガヤ)))))
うるさい。
あー。うるさい。
脳みそが、かき回されている。
(……あー、もう。うるさいぞ! )
そう俺が愚痴った時だった。
プツン……。念話が強制終了した。




