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コーヒーブレイク33

「やあ! 初めましてじゃないけど……すぐ寝ちゃたから。やっぱり初めましてかな」

「ふふっ。初めましてじゃありませんわ。わたくしとシラタマの、ご主人様ですもの」


 四尻尾議会から、この国を出て行って欲しいとお願いされたので、俺はシラタママと相談する為に世界樹のいる場所に来ていた。

 ロロンとソフィアには、シラタマを見てもらっているので留守番だ。


 今も世界樹を包み込んでの治療が続いているが、特に疲れた様子もなくシラタママは元気そうだった。


「……えっと。ご主人様ってのは、置いとくとして――――――」

「ふふっ。わたくしは、ご主人様との約束を果たしたいと思いますので、問題ありませんわ。それが……わたくし達の幸せに繋がりますもの」


 俺が説明した内容に、全く問題ないと了解してくれたシラタママなのだが……俺との約束って何だろうか?

 ノアの時もそうだったよな……そんな疑問符を頭の中で思い浮かべながらも、シラタママとシラタマには、ちゃんと説明しておかないと……そう思った俺は、今回も結婚や嫁さんについては全く知らない事である旨を伝えた……。


 俺から聞かされた事実を目の当たりにすると、シラタママは悲しげな顔を見せながら「……やはり、スライムだからですか」と俯いてしまう。


「はぁ。情けないのう……アオイよ。ハーレムを作りたいなら、もっちっと乙女心の勉強をするのじゃな。アオイは、ストレートに物を言いすぎなのじゃ! 妾の時だって……本当は、いきなりの結婚の話は知りませんが、どれ程に辛かったか……」

「……すみません。でも俺はハーレム王になりたい訳じゃないぞ」

「兎に角じゃ! アオイは、もっと乙女心を勉強しないとダメなのじゃ!」


 ノアに、しこたま怒られた俺は……。


「――――そんな訳で、俺の召喚には不明な点が多くて……本当にごめんなさい。でもね!」


 そう。これだけは、ちゃんと言わないと。


「俺は、スライムだからシラタママやシラタマが嫌いなんてことは、絶対にないよ」

「本当ですか?」


 大きな瞳をパチクリさせながら、真っ直ぐに俺を見るシラタママ。


「ああ。本当だよ、こんな……かわいこちゃんな二人を嫌いな訳がないよ」

「ですが……わたくし達はスライムですわ」

「そんな事を言ったら、ノアなんて漆黒竜神だよ」

「なっ、なんじゃアオイ。それでは妾が化物みたいではないか!」

「ぷっ。アハハハハ」

「うふっ。ウフフフ」

「なっ、なんじゃ。今度は妾を仲間外れにして、二人で笑いおって」


 そんな悪態をついているノアも、なんだか嬉しそうに微笑んでいる。


「こほん。アオイ、嫌いでないのなら好きなのじゃろ? ならば恋人じゃな」

「ポッ」「ポッ」


 なんだ? ポッが一つ多かったぞ! そう思った時、後ろから感じた気配で振り返ると……ロロンとソフィアに連れられたシラタマが、頬を赤く染めながらモジモジしていた。


「お母様から連絡があったので、マスターの元に連れて来てもらいましたですの」


 ピョンと俺の頭の上に飛び乗るシラタマ。


「いきなり……お嫁さんよりも、マスターと恋人になれて嬉しいですの」

「うふっ。たしかにそうですわね」

「これでまたアオイの英雄としてのハクがついたのじゃ」


 うんうんと満足そうに頷いているノア。


 俺は、この日……スライムと恋人になった。しかも母と娘だ。



「ところで、シラタママ。妾と少し話をせぬか?」

「はい。もちろんですわ……何か伺いたいことが、おありなのでしょ」


 えっ? なになにと俺がノアとシラタママをキョロキョロと見ていると「筆頭恋人として話があるのじゃ」などとノアに言われてしまい。


 俺は、この場を追い出されてしまった。

 まあ、喧嘩する訳じゃなさそうだし……俺はノアとシラタママにまかせて、世界樹の館に戻るのであった。




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