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システムE ver.2  作者: 八澤
最終話 好きなページを開いて自由に弄る女子高生 こんなにも頭下げているのにヤられない
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ver.045



 鬼十は、なかなか信じてくれなくて、ってか、普通は信じないよね。二回ほど、金槌で頭をかち割られそうになったけど、私がケータイで力を披露すると、最終的には、信じてくれた。

「じゃあ、ここは、地球……じゃないのか?」

「いえ、多分地球だと思います。でも、漢字やひらがなとか文字は同じでも、駅名とか国名が全く違うので、かなり離れた位置に存在する地球だと、思います。人が居ないのは、カラスっていう宇宙人が、この世界をゲームのステージとして改造したからだと」

「あぁ、アイツ、宇宙人だったんだ。どうりで顔をコロコロ変えていたのか……」

「カラスのこと、知っているんですか?」

「昔、仕事を邪魔されたことが、あった。あぁ、確かに、アイツの無駄な権力とか毎回整形するところとか、宇宙人の力だと思えば、確かに納得できるな……」

 鬼十は、合点が言って安心したのか、やっと金槌を閉まってくれた。私の緊張感も、少し緩くなる。

「で、これからどうするんだ? この世界は、その宇宙人が作りだした別世界なんだろ? 抜け出す方法は知っているのか?」

「私の……【運命グラフ】を使ってここに来たので、もう一度、今度は……未来に向かって使ってみれば、多分元の世界に戻れるはず……と、思います」

「平行世界なのに?」

「元々、この力は、未来を観るための力でした。それが、変化して、こんな力になってしまったんですけど、【運命グラフ】は、多分、カラスが探していた、時間軸の平行世界なんだと思います。そこで一度時間の流れを操作してから、別の世界に飛んでいる」これは私の予想だけど、多分合っていると思う。時間軸を主体とした平行世界があって、それは、全ての世界に枝を伸ばしている。だから、他の私達の世界や、この世界のような平行世界は、その枝の先なんだ。

 でも、【SP】が足りない。時間を超越したとしても、それはほんの短い範囲に限る。私の【SP】が増える条件はわからない。

 確か、このケータイのリンクには、リミッターが課せられているんだ。【DP】や【SP】があるのもそのおかげだ。もし、そのリミッターを外して、【運命グラフ】を発動したら、……どんな時間でも、場所でも、行くことが、可能になる。

 もう一度カラスに合って、リミッターを解除してもらいたいけど、多分、私が時間軸を操作出来ると知ったら、狂喜乱舞して私を捕えて実験しまくるだろうなー。殺されたほうがマシな状態に陥ってしまうよ。ここまで来て、その終わり方は、明らかにバットエンド。

 エイリアン、と思ったところで、そういえば、鬼十が、他にエイリアンと闘ったと言っていたことを思い出す。

「あの、鬼十さん、ちょっといいですか?」

「何? ってか、あれ? 俺、君に名前教えたっけ? なんで知ってるの?」

 余計なところに食いついてきた。「それは、後で教えますから、私の質問に質問で返さないで」と無理やり制した。あ、ヤバい。更に食いついてくるかと思ったけど、「わかった、何?」と簡単に納得してくれた。

 拍子抜けしつつも、問う。「あの、鬼十さん、エイリアンと闘ったんですよね?」

「コスプレ野郎がエイリアンなら、そうだな」

「で、殺したんですか?」

「ん、いや、俺は殺しはしないんだ。ただ、適当に殴っただけだよ。多分生きていると思う。腕と脚を金槌で頑張って切断して、あの家の庭に放置してある」……すげぇ。ってか、庭に放置してあったのか。

「じゃあ、そこへ、行きます」

「どうして?」

「手がかりがあるから……」

 私は、鬼十さんの手を取る。ケータイを開いた。【運命グラフ】で、有野間強の自宅を指定する。時間の指定は、多分いらないんだろう。さっき使った時もその指定は無かったし、多分私が考えている場所へ、勝手に補足してくれるのかもしれない。

 ――しかし、鬼十さんは、私の腕を振り払う。

「え、ちょっと!」

「あー、待って待って。俺さ、この世界に興味が湧いたから、少し探検してくるよ。だから、お前の仕事が終わったら、こっちに戻ってきてくれない?」そして、鬼十は、自分の真っ赤な上着を取ると、私にかけてきた。「流石に、女子高生が下着をさらすのは不味いなー。また襲われるぞ」

 私が返事をするよりも早く、鬼十の姿は見えなくなる。が、すぐに戻って来た。

「そうそう、忘れるところだった。後でちゃんと、俺の名前を知っている理由、教えてよね?」

 そこで、声が聞こえなくなった。

 私は、一人微笑む。

 そりゃ、私の父親なんだから、名字くらいは知っている。

 【運命グラフ】を発動した。

 世界が滲み、そして、有野間強の庭にたどり着いた。



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