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No.73 世界中の女を敵に回す発言

「さてと、カルカンよ。お主は何か妾に渡すものがあるのじゃろう?」

「にゃ? 何か渡すもの? 何のことにゃ?」


 尻尾をはてな形状に丸めつつ、首を傾げるカルカン。

 まだ酔っても居ないのに、惚けようとするとは思わなかった。仕方が無いので大ヒントを出すことにする。


「ほれ、このブランデーに見覚えが無いかぇ?」


 高級ブランデーのボトルを渡す。


「にゃ! それは先月貰ってとても美味しかったブランデーなのにゃ。なんで空なのにゃ? 私は中身が無いボトルを集める趣味は無いのにゃ!」


 ふむ。これは素で分かっていない様子。少々露骨だが仕方がない。ほぼ答えを教えてやることにした。


「はぁ、お主は本当に空気を読めぬのじゃな。今日は何月何日じゃ?」

「今日は3月14日なのにゃ」

「何か言う事は?」

「今日の日付が分からないのは認知症の一歩目らしいのにゃ」


 真顔で言い切ったカルカンを手招きで近寄らせる。

 何も疑わない目で近づいてきたカルカンを脇に取り込み、ヘッドロックした。


「痛い痛い痛いのにゃ! ギブギブロープなのにゃーーー!」

「ホワイトデーじゃたわけ! ちゃんとお返しを用意せんか!」


 カルカンの動きがピタリと止まったのでヘッドロックからは解放してやった。

 カルカンはトテトテと坪庭の方に向かう。

 何事かと思ったら振り返ってニヤケ顔を見せてきた。


「私的にホワイトデーは要らないのにゃ」

「お主、チョコを貰っておいて何と言う事を! 世界中の女子を敵に回すぞぇ!」

「それは大丈夫なのにゃ」


 何を根拠に言っているのか分からないが、カルカンは緩み切った顔を崩さない。


「そもそも私が貰ったのはブランデーであってチョコでは無いのにゃ。それにホワイトデーの文化は日本だけなのにゃ。という訳で69億人は私の味方にゃ」


 妾の頭の中で、ゴングの音が鳴った気がした。


「ほほぅ。撤回はせぬのか」


 ゆらりと立ち上がり、坪庭の手前まで歩み寄る。

 するとカルカンはジェスチャーで後ろを振り返るように促してくる。

 チラリと振り返ってみたらラザが妾の動きを観ていた。


『う~、坪庭に出たらプチっとするござる~』

「ま、まだ出てはおらなんだ。そう言えば、ラザにもチョコは渡したのじゃ。お返しの代わりに見逃してはくれんかぇ?」

『ダメござる~。お返しはこれござる~』


 ラザの方から銀色の小さな球体がフヨフヨと飛んできた。手元まで来たら割と大きい。バスケットボールくらいの大きさがある。


「ラザ、これは一体何じゃ?」

『女の敵をやっつけるござる?』

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― 新着の感想 ―
 ラザちゃま、一体ヨウカンちゃまに何を渡したのでしょうか。とても気になりますね。  カルカンちゃま、ホワイトデーは忘れてはいけませんよ。書庫裏めもブルボンクッキー缶を買いに夜中に走りましたからね?
ああ、カルカンの命は風前の灯火(T_T) いや、流石にそれはないか。 う~ん、でもラザは手加減はしそうにない気もする。
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