氷の上で、踊るのは。
紗々姫は、瑠璃光にとって、武器の倉庫となるでしょう。妖から取り上げたり、集めた者が、三華の塔には、眠っており、自分自身が、その器の一つである姫は、場面ごとに、瑠璃光に妖嬪を提供していきます。
突然、目の前に現れた妖の姫に、聚周は、驚き固まってしまった。元々、蛇は好きではない。細く白い蛇は、スラスラと話す上、糸を伝い降りると人の姿に変わっていた。色の白く、一重の大きな黒い瞳を持つ幼い姫の姿になった。
「人の夫に、何をしようとしておる」
紗々姫は、ひるむ聚周を前に、糸も簡単に、扇子を操り瑠璃光を絡めとる糸をつgから次へと、切り落としていった。聚周は、阻止しようとしたが、剣を抜こうとすると、紗々姫の長い蛇の尻尾に叩き落とされてしまった。
「瑠璃光。。。蛇の式神を操るとは、意外な」
聚周が、口にすると、紗々姫は、落とした剣を叩いで、怒った。
「式神ではない。あの鳥のうつけと、一緒にするな!」
「おやおや。。」
瑠璃光は、地に降りると袖や裾を叩きながら直していた。
「随分と好きにしてくれたようだ」
乱れた髪を結い直し、紐で、結び直した。
「さてと。。私は、もう、疲れ切っている。聚周。。昔のよしみで、ゆっくり茶でも飲みながら、話をしたいと思うが」
自由になった瑠璃光に勝てる自信はなかった。
「話とは、弁解か?」
聚周は、今だに、過去に縛られ、瑠璃光が香を奪い、師匠の妻を殺したと信じて疑わなかった。
「私が、殺す?わざわざ、手がかりを残す様な事をしなくても、簡単に手に入る」
瑠璃光は、確かに、術力で、陽の元の国から、飛んできた。一度、大きな術力を使うには、時間が必要ではあるが、瑠璃光にとっては、難しい事ではない。が、明らかに瑠璃光の姿を見た者が大勢いるし、亡くなった剣と香典は、今も見つからない。扱えるのは、そう、いない。瑠璃光は、三本の剣霊を従え、術に使うと聞いていた。
「残念だけど。。私ではないね」
瑠璃光は、手を振った。聚周が、袖に手を入れ、術札を出そうとしたので、瑠璃光は、そっと、術で、手の動きを止めた。
「諦めが、悪い奴じゃの」
紗々姫の、尻尾が、伸びて、袖の中から術札を何枚も、取り出した。
「私だけではないぞ。。」
聚周は、ブルブルと唇を震わせた。
「お前を追うのは、私だけではない。大陸から、何人もの術師が、飛んでいる。報奨金がかかっているんだ」
「私に?」
瑠璃光は、戯けた。
「私が、持ってるのは、この妖の姫だけですけど」
紗々姫は、嬉しそうな顔をした。
「鳥の化け物より、ましであろう」
嬉しさのあまり尻尾をぶんぶん振り回すが、瑠璃光は、蛇の尻尾を見て、苦笑いをした。
「姫。。あまり、振り回すではない」
気のせいか、寒洞の壁から、幾つもの氷の破片が落ちてきている。
「んん?」
紗々姫は、天井を見上げ、目に入ったのは、天井を中心に亀裂が四方に入った様子だった。
「!」
聚周も、天井を見上げていた。空が割れ、大きな氷が地上めがけて、振ってきた。
「掴まれ!」
瑠璃光は、聚周を掴み、香を飛ばした。
「待つのじゃ」
慌てて変化した紗々姫は、瑠璃光の髪に飛び込むと一緒に、姿を消していた。
聚周の胸に残るのは、憎しみだけなのか、瑠璃光に憧れ、追いかけた日もある。更なる術の上を目指し術師達が、香典を追いかける。




