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最終話 幼馴染の幼馴染

あれからもずっと、睦とは幼馴染の距離感のままでいる。

そして私ももう26歳。

ということは睦も26歳。


「流季、あんた付き合ってる人とかいないの?」


「いないよー」


最近家に帰るたび、お母さんは『結婚とか考えてないの?』とか言うようになった。

まぁ、分からなくもない。

もう4年もしないうちに30代突入だし、私も焦らなきゃいけないよなーってなんとなく思ってはいるけれど、いまいちピンと来ない。


とかなんとか言ってるうちに、お見合いすることになった。


「あんた、本当に紹介したい人とかいないの?」


「いないー」


「はぁ……本当にお見合い写真見なくていいの?」


「別にいいかなぁ」


お見合いと聞いて、すぐに頭に浮かんだ人がいないといえば嘘になる。

というかそもそもお見合いが成功するとは思っていない。

私はまだ一緒にいたい人がいるのだ。

休日に徹夜でゲームしたり、なんとなく一緒にダラけていたりする大切な人が。


※※※


お見合いの日程が決まったので、メッセージを送る。


【私、今度お見合いするんだってー】


【なんでそんなたにんごとなんだよ】


【なんか現実味ないよねーお見合いとか。そんでお見合いから結婚!とかさ】


【でもおみあいってできれーすなんじゃないのか?せってぃんぐとかたいへんそうだし】


【えぇ!?そうなの!?】


【ごめん、てきとうにいった】


【もーー!!】


平仮名のままで送ってくるのにも慣れてるから、むしろそっちの方が読みやすいんだよなー。

………というか出来レース?

確かにお母さん色々やってたけど……準備とか時間かかってるのかなぁ。

そしたら結婚……!?

私が!?

誰と!?

あ、お見合い写真………は実家に置いてきたんだったー!

見ないって言っちゃったしなー。

はぁ……。

そっかー。

そうなんだ………。







むぅ。




【私が結婚したら寂しい?】





「わー、やめやめ!」


書いたメッセージの下書きを急いで消す。


「私ったら何言ってんの。…はぁ……」


私、ほんとはどうしたいんだろ。



※※※


時はあっという間に過ぎて、今日はお見合い当日。


「……ねぇ、」


「なに?お母さんちょっと忙しいんだから」


「……こういうのってなんか料亭とかじゃないの?」


「いいのよこれで」


「……でもここさぁ」


周りを見渡して一言。


(ウチ)だよ!?」


「あ、いらっしゃったみたい」


「スルーしないでよ……」


果たしていったいどんな人が……。



でも、私はきっと………。


もう、答えは決まってる。



そう思いながらも怖い人だったらどうしようと内心ドキドキしながら見てみると…………


「え……………?」


「どうも、本日お見合いさせていただく───」


だって……だって……



「────湊睦と申します」



え………、えぇーーーー!!!?



「じゃあ、あとは若いもの同士でごゆっくり」


「どうもすいません、おばさん」


「もうお義母さんでいいのよ?」


「あの、ほんとおばさんって呼んできてすいませんでしたお義母さん」


「いえいえいいのよ〜?……ちょっと気にしてたけどね」


「ほんとすいませんでした……」


「冗談よ冗談。私たちこれから外でお茶してくるから、二人で留守番よろしく。……ふふっ、お見合い頑張ってね!」


「はい……」

ほんと、すいませんでした………


※※※


「…………というわけで、お見合い相手の睦です。よろしく」



「………な、なんで………」


「というか本当にお見合い写真見てなかったんだな、流季」


「えぇぇ……!??」


急いでお見合い写真を探して見てみる。

するとそこには………


「ぷふーーー!何これーーー!?」


「みなとむつみ3歳、おもちゃの車をきれいに積む の図だ」


「これ見たことないーー!」


「この前掃除してたらたまたま見つかったらしくてな、せっかくだから驚かせるのに使おうかってなったんだが……マジで見てなかったんだな」


「見てないーー!」


「というかなんかえらくテンションが高いな、大丈夫か?」


「驚いてるだけー!」


「そうか」


「……………ふぅ。じゃあ、お見合い始めようよ」


「え?今ここで?」


「もちろん。さ、そこに座って?」


「リビングのテーブルに対面式は初めてだな……」


「いっつも隣だったからね」


「あぁ」


「それじゃあ、始めます。私は伊佐野流季。26歳独身です」


「知ってるよ……」


「ほら、むぅも」


「はぁ……湊睦、同じく26歳独身です」


「知ってるー」


「だろうな」


「ご趣味はなんですか?本を読むことですね?」


「るぅがもう答えてんじゃねぇか」


「さて、私の趣味はなんでしょう?」


「お菓子を食べて太ること」


「太るは余計、それに不正解」


「えぇー」


「正解は………むぅと一緒にいる事でした!」


「…………そりゃ、いい趣味をお持ちのようで」



結局何もかも思っていたものと違って、お見合いは成功した。


お見合い前の私の覚悟とかどうしてくれるんだ。


でも、しょうがないよね。


むぅが言うには、









───出来レースだもの♪






おわり。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

この話は“最終話”ですが、第16話というわけではなく……もしかしたらまだ二人の日常を書くかもしれません。

一旦は“おわり。”として、物語の結末としてはこれで良いのですが、やはりいつものような二人の日常をまた綴っていくことも考えています。(最終話の続きではなく、他の話のような高校生の二人の日常です)

ですので、いつかひっそりと“第16話”など更新されているかもしれません。

その時はまたよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こうなるとは思っていたが、まさかこうなるとは思っていなかった。出来レースだった。 もし16話以降があるなら、引き続き読ませていただきます。ありがとうございます。ごちそうさまでした。
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