銃
俺専用の防具を手に入れた。
なんでもこの腕輪をしていると、魔法攻撃をある程度跳ね返し、物理的なものが降ってきても壊れるらしい。
ちなみに五個ほど一度に出来たので、ある程度高付加のかかる攻撃で一つが壊れても残りがまだいくつか残っている状態だった。
こういった防具にしたのには理由がある。
まず俺が、魔法による筋力などの身体強化が難しい事だ。
そして俺は一番後ろで、特に大変な戦いの時だけ銃を使う事になった。
黒光りするそれは、腰にベルト状のホルダーがついた……カウボーイ? か何かの古い映画に出てきそうな物がセットで作られていた。
銃本体は、そういったものに詳しくない俺だが黒くて、くるくると回るリボルバー式の銃だという程度は分かる。
もっとも魔力で、理論上無限装填が可能らしいが。
そこで珍しい武器に興味津々な三人の女の子たちに気付く。
嫌な予感がして俺は、
「こういった銃は珍しいものなのか?」
「細長い物は屋敷にも一つあったけれどこういった魔道具の銃は見たことがないわね」
アリアがそう答える。
次にニャコだが、
「そんな依頼が以前来ましたが、師匠は無理だと断っていましたね」
そして魔法使いのフラウは、
「こんな魔力さえ込めればいい魔道具なんて見たことがありません。この武器は魔道具の革命を引き起こすかも!」
などと言うのを聞いて、俺は、もしやこの世界でとても近代的な? 物を作ってしまったの家と思いつつ、
「で、でも俺みたいなのが扱えるとなるとこういったものしか思いつかなかったんだ」
「でも樹はこの世界では珍しいものよ? 田舎から出てきたのによく知っているわね」
「な、仲間と一緒に居る時見る機会があって、ああいったものだったら俺でもと思ったんだ」
「……そう」
アリアはそれ以上聞いてこないが、疑うように俺を見る。
く、技術革新は気を付けないとと俺は思いながら、
「そ、そういえばこれ、俺の魔力だと何発くらい撃てるんだ?」
そう話を買えるようにして、スマホでこの銃の内容を見る。
そしてギルドで測定した魔力に基づいて計算すると、
「2~3発が限度だな」
という事実が判明したのだった。