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DREAM DIVE ERROR 漆黒のイカズチと血薔薇の戦姫  作者: 知恵利一
第2章:「漠着」―漆黒の執行者―
9/9

エピローグ 果てなき夢の境界線

ついにここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。

本エピソードをもちまして、『ナイトメア・デリート:漆黒のイカズチと血薔薇の戦姫』は【完結】となります。

悪夢に浸食された東京で、数々の理不尽と戦い続けてきた風月と火楽。

組織の飼い犬から反逆者となり、神をも斬り伏せた二人が、最後に選択した未来とは。

夢と現実の境界線に昇る、本当の夜明けをどうぞ見届けてください。

 気がつくと、風月は新宿の廃ビルの一角で横たわっていた。

 空からは、あの一年前から降り続いていた灰色の粒子が消え、吸い込まれるような深い藍色の夜空が広がっている。

「……終わった、のね」

 隣でボロボロの私服姿の火楽が、ビルの縁に腰掛けていた。

 二人の手元にあった「バク」のデバイスは、役目を終えたように砂となって崩れ去っていった。

 ドリームキャッチャー本部は、人工神の崩壊に伴う精神的フィードバックにより、システムが完全沈黙。

 本部長をはじめとする幹部たちは、自らが作り出した「無限の夢」の深淵に囚われ、二度と目覚めることのない眠りに落ちたという。

「ああ。……だが、世界が変わるわけじゃない」

 風月は、感覚の戻った右腕を握りしめる。

 組織が隠蔽してきた真実は、レジスタンスの手によって世界中に拡散された。

 人々は、自分たちが「英雄」と呼んでいたものがいかに虚像であったかを知り、自らの足で立つことを強いられている。

「……でも、これからはちゃんと『自分の夢』が見れるわ」

 火楽が、東の空を指差した。

 地平線の向こう側から、鋭い陽光が差し込み始める。

 一年ぶりの、本当の朝日。

「武見。……あんた、これからどうするの?」

「……俺は、これからも潜るさ。組織はいなくなったが、人の心がある限り、ナイトメアは消えない」

 風月は立ち上がり、ポケットの中で唯一残った「八咫烏」のチップを弄んだ。

「……今度は、誰かの命令じゃなく、俺自身の意志でな」

「ふん。……じゃあ、私も付き合ってあげるわ。あんた一人じゃ、また冷たい事言って患者を怖がらせるだろうし」

 火楽が不敵に笑い、風月の隣に並ぶ。

 朝日を浴びる二人の影は、長く、力強く瓦礫の街に伸びていた。

 夢と現実の境界線で、彼らの新しい物語が、今ここから始まる。


――『ナイトメア・デリート:神殺しの八咫烏』、これにて【完全完結】です!

最後までお付き合いいただき、本当に、本当にありがとうございました……!

漆黒の雷を操る風月と、鮮血の薔薇を纏う火楽。不器用で冷徹に見える風月が、火楽という相棒を得て、最後には自分の意志で「誰かのために潜る」と決めるまでの成長を描ききることができ、作者としても感無量です。

灰色の空が晴れ、二人が並んで朝日を見上げるラストシーンが、皆様の心に少しでも残れば幸いです。


【読者の皆様へ、最後のお願い】

もし「面白かった!」「風月と火楽のコンビが最高だった!」「完結お疲れ様!」と思ってくださましたら、最後にぜひ、ページ下部の【ブックマーク】や、グラフの【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただけると、これ以上ない励みになります!

皆様からの一票や感想が、本当に執筆の原動力でした。

別の作品や、今後の新作でもまた皆様にお会いできるのを楽しみにしています。

改めまして、長きにわたるご愛読、本当にありがとうございました!!

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