ベテルギウス
明日から約一月、夜に虹がかかるらしい。どうやら550万光年先で、オリオンを象る星として輝き続けていたベテルギウスが、ずっと昔に寿命を迎えていたそうだ。
オリオンをなぞる、なんて柄ではないけども、少し寂しくもなる。ただ、その散り様は実に煌びやかで、放たれた光は想定されていたものの何倍もの強さ。月よりもずっと明るく、夜を青と白で塗り潰してみせた。
冬だと言うのに日射の影響で連日気温は40℃を超え、蚊は大量に発生し、桜までも咲き始めて、オマケに花粉まで飛んでくる。日本はそんな、夏と春をまとめてパッケージをしたような異常気象に襲われるだろう、なんて緊急ニュースを他所に、日々は何事も無かったかのように進もうとする。
1月17日の共通テストまであと30日。その先の受験問題では時期的に今回の星の爆発についての問題は出そうにない、ということには少し安心するけども、やはり不安が残る。何しろ出題範囲がバラバラだ。時事問題になるならば、もう少し早く来て欲しかった。
今回の件で他に今後時事問題になりそうなこととして、やれ米が野菜が、輸入品が高くなると色々言われているが、それも自分達には関係がない。今の自分たちはそれらを買わないし。
◇
深夜2時、青く澄み渡った空と、肌を焦がすような超新星から受ける熱。唇をひび割れさせる乾いた空気はまさに砂漠のそれ。
共通テストまであと7日。
ジジババは時間感覚が狂ったのかこんな時間でも散歩しているし、それを見る自分もまたその同類だ。
時間感覚の崩壊もまた短いスパンでの社会問題になったらしく、夜の店と居酒屋は現在進行形で苦しんでいるとか。なんでも雰囲気がないらしい。
◇
共通テストまであと3日。
雨が降ってきた。北陸では毎日豪雨が続いているようだが、それが稀に山脈を超えてくる。普段の雪に相当する現象が、この雨らしい。
夜に虹がかかる。そんなネットニュースの見出しがあったことをその時に思い出した。
夜と言うには明るすぎるけども、確かに時間的には夜。時計の針は真上を刺して重なっている。
冷房の効いた部屋で、単語帳をベッドに投げカーテンを開け、窓の外を見る。
降り続ける雨垂れは、変わっているのに変わらない日常を洗い流してくれる、そんな気がして、ずっと窓の外を見続けた。
まだ雨の止む気配はしなかった。
ワンドロが最近熱い




