プロローグ
本作はフィクションです。
作中には実在する地名、歴史、施設等を参考にした描写が含まれますが、
登場する人物、団体、組織、事件等は全て架空のものであり、
実在のものとは一切関係ありません。
事実とフィクションの境界があいまいな個所については
各話のあとがきで注釈を記載します。
また、作中には地震災害に関する描写が含まれます。
以上をご理解の上、お楽しみいただければ幸いです。
20XX年10月1日。
長野県長野市 松代町で、小規模な地震が観測された。
最初は誰も気に留めなかった。
近年、日常的に日本各地で大小さまざまな地震が発生している
今回もそんな地震の1つだろうと誰もが思った。
しかし、その揺れは翌日になっても収まらなかった。
10月2日、最大震度4の地震が発生。
震源地は松代町にある皆神山。
この頃から地域住民たちは1つの可能性を噂しあった。
松代群発地震。
この地域では、1965年にも群発地震が発生している。
町内にある皆神山と呼ばれる山付近を震源地として、5年半もの長期にわたり
計6万回を超える有感地震を観測していた。
過去の例を知る者たちは、当時の知識を自慢げに語り始めた。
さらに3日、4日と揺れは続く。
10月4日の午後、2日間にわたる自治体と専門家の協議の結果、
一連の地震を群発地震と断定。
災害対策本部の設置と合わせて、マスコミ各社への情報提供が行われる。
消防は崖崩れや老朽家屋の倒壊に備えて警戒態勢を取り、
警察は避難誘導や交通規制の対応に追われた。
避難勧告を受けた一部の住民たちは徐々に日常生活を乱され、余裕を失っていく。
そして同じ頃。
松代町では、別の異変が静かに進行していた。
行方不明者。
10月2日に1人。
10月3日に1人。
10月4日に1人。
連日警察に通報される捜索依頼。
年齢も性別も職業も違う。
共通点らしい共通点は今のところ何もない。
だから警察も関連事件とは見なさなかった。
地震による混乱の中、連絡が取れなくなった住民。
そう考える方が自然だったからだ。
しかし、状況は日々厳しさを増していく。
これは、とある探偵見習が些細な依頼をきっかけに
この異変へ巻き込まれていく物語である。
本作をご覧いただきありがとうございます。
初の小説執筆となりますので至らぬ点が多々あるかと思いますが
お付き合いいただけると嬉しいです。
なお、本文に記載している1965年の松代群発地震は実在したものです。
当時は度重なる地震に精神を病んでしまう人が出てしまうなど、
かなり大変な状況だったようです。




