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「ばぁっ!!」
なんと、シャノン様がカーテンの隙間からあらわれましたっ!!!
「シャノン様、どうしていつもジェイク様をいじめるのですか?」
ジェイン様に問われて、シャノン様は頬をふくらませます。か〜わいいっ!!
「いじめてないよ? ジェイクはたいせつな双子の弟だもん。かわいがってるじゃない」
「ですが、シャノン様はいつもジェイク様が困ることばかりなさる」
「毛糸が絡まったままでいるほど怒ること? ジェイン」
いきなり叱られてしまったシャノン様は、ジェイン様に言い募ります。たしかに。
わたくしはジェイク様に絡まった毛糸を取り除けてさしあげました。
「ほら、こういうことは女性の方が向いているんですよ、シャノン様」
「それは聞き捨てなりませんわ、ジェイン様」
女性蔑視と見て、わたくしはすぐに反論します。
「女性だから毛糸がほどきやすいとかそういう差別発言はやめてくださいませんかっ!?」
「そういう意味ではないのです。すみません、リリーさん」
言うが早いか、ジェイン様も毛糸を解くのを手伝ってくれました。
思えば、ここまで近くに寄ることなんて何年ぶりかです。
わたくしの胸はことりと音を立てて……?
胸はことりと音はしませんよね。
「シャノン様、その花瓶で遊ぶのを今すぐやめてくださいー!!」
嫌な予感がしてシャノン様に目を移しますと、想像通り、高価な花瓶を宙に浮かせて遊んでいるシャノン様がおりました。
「わかったよ」
そう言うと、シャノン様はますますほっぺをふくらませて、ぷりぷりしております。
「リリーもジェインもめんどくさい。それもこれも、ジェイクがどんくさいから遊び相手にならないからだよっ」
そしてなぜかもらい事故のようにジェイク様が悪者にされてしまいます。
「シャノン様。今のは聞き捨てなりませんよ。僕はジェイク様の教育係りとして、ジェイク様の尊厳を主張します」
「ソンゲンなんて知らないもんっ!! ジェインなんて嫌いっ。牛になっちゃえ!! えいっ」
止める間もなく、シャノン様はジェイン様を牛にして……ぷははっ。
「シャノン様、おもしろいですけれど、魔法は遊びではないのですよ?」
「リリーもうるさいっ。羊になっちゃえっ!!」
メェ〜。羊になってしまいました。
え? 待ってください。この状況は非常にまずいのではありませんか?
どなたか魔法の使える大人をよこしてくださいっ!!
つづく




