エピローグ
「リリーさん、今度という今度こそ、あなたを花嫁さんにしてみせますよ」
「おやめください、ジェイン様。廊下でする話ではありませんから」
神出鬼没なジェイン様。今日は廊下でわたくしのことを口説くのです。
「どんなことがあろうとも、僕の気持ちはあなたにしか向いていないのです。それだけは信じてください」
ありえないことに、ジェイン様はわたくしのことを本気だとおっしゃるのです。
では、わたくしに浮気をゆるす妻になれとおっしゃるのですか?
そんなことより、今日もおかわいらしい足音が聞こえてきます。
「リリー!!」
「シャノン様」
わたくしに走り寄ってきてくださったシャノン様をダイビングキャッチしました。
「へへっ。シャノン、リリーのことだぁ〜い好きっ」
「わたくしもですわ、シャノン様」
ああ、癒されることこの上ない。
尊い。なんと尊いのでしょう。
「リリーはジェインより、シャノンのことが好きなんだよ」
おしゃまなシャノン様は、ジェイン様に勝ち誇ったような笑顔を浮かべていらっしゃいます。
「そんな、シャノン様。わたくしとしては、本気でリリーさんを口説いている真っ最中なのですよ」
「だったらジェイクともっと遊んであげたらどう?」
シャノン様。なかなか手厳しいです。
案の定、遅れてジェイク様が合流してきます。
「おねえしゃま、リリー。おはようございます」
「おはようございます、ジェイク様」
ジェイン様へのあいさつはいいのかしらと思いましたが、それならそれでかまいませんわ。
わたくしは全力でシャノン様をお守りしてゆくだけです。
「おねえしゃま、今日はなにを勉強するの?」
「シャノンはね、今日はおにいちゃまの機械人形を見に行くつもりなのっ」
シャノン様は、一度見ただけのプラグ男爵とコーダー夫人がとても気に入ったようです。
「お待ちください、リリーさん」
「早朝から廊下でプロポーズされるほど安い女ではありませんので、これで」
わたくしはシャノン様とジェイク様を右手と左手とに分けてそう言いました。
「ジェインまた無謀なプロポーズしてるの? いい加減やめればいいのに」
ジェイク様にまで言われてしまうしまつです。
ああ、今日もいいお天気です。魔女狩りの不安はありますが、とりあえず今日も元気にがんばります。
おしまい
ここまで読んでくださり、どうもありがとうございました。
くらげ島シリーズはまだまだつづきますよぉ。




