告白と赦し②
夜が更けて、屋敷の一室でひとり静かに過ごしていたアドレの元を、エリアスが訪れた。
窓際で風に揺れるレースのカーテン。その向こうに、月が穏やかに輝いていた。
「……眠れないのですか?」
「ええ、久しぶりに一人になっていろいろ考えてしまって。でも、エリアスが来てくれてなんか気持ちが晴れそうな気がする。ありがとう。」
エリアスにはアデラが疲れてそうに見えたが話さなければならないことがあったため、強引にもアデラの部屋を訪ねていた。
(公爵家に帰ってきてからのアデラはとても辛そうに見えた。そして何かをk決心せざる得ないような空気がアデラの周りで漂っていたように思えた)
エリアスがアデラにどう切り出せばいいか迷っていたところ、最初に話し始めたのはアデラだった。
「その……。助けに来てくれてありがとう。私だけだったら、あそこで感情的になっていただろう……。宰相や王を殴っていたかも……。」
アデラの物騒な言葉にエリアスは聞いてないふりをしたが、エリアス自身、アデラが手を出さないか心配だった。
「夫を助けることは当然のことですよ。旦那様は私にとって大事な人なので。」
冗談と本気が入り混じった言葉にアデラは微笑み、エリアスに決心したように告げた。
「エリアス。これまであなたを騙していたことすみませんでした。私個人からフォルモーネ公爵家の問題まであなたを巻き込んでしまいました。フォルモーネ公爵家当主代理としてエリアス・オーケン卿にお詫びと感謝を申し上げます。」
その言葉にあと、アデラは一度大きく息を吸い、とても悲しそうな顔をした。
「それに加えて私から最後のお願いがあります。今回の裁判で王宮襲撃の疑いは晴れましたが、今後の王族会で何が決まるかはまだわかりません。」
エリアスはとても嫌な予感がしたのだが当たっていたのだろう。アデラが続ける。
「私は国外追放でもなんでも受け入れるつもりです。そして、私はあなたをあなたを巻き込みたくはない。」
「何言って…!?」
エリアスの言葉にアデラは被せるように続ける。
「勝手なことで申し訳ありません。私との結婚はなかったことにしたいと考えています。もともと、神のもとで誓った仲ではないです。あなたには大きな傷をつけてしまいましたが、このまま契約結婚を続けるよりは今ここで終わることが一番、損害がなく終われると思います。」




