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契約結婚と仮面舞踏会  作者: 槙月まき
真実の石

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真実の訪れ アンドレからアデラ

 三日後、再びスヴェーリエ大聖堂の鐘が、空高く鳴り響いた。


 それはただの時の知らせではない。この日、この時、この瞬間──神の御前にて裁かれる「高潔なる審判」の始まりを告げる音であった。


 再審とあって、前回をはるかに上回る群衆が大聖堂を埋め尽くしていた。平民のみならず、王族の姿さえちらほらと見える。国の未来を左右するかもしれない裁判。それはすでに、王国全土の命運を背負った儀式となっていた。


 そして、裁かれる側──アンドレ・フォルモーネの姿は、前回とはまるで別人のようだった。


 拘束は解かれ、フォルモーネ公爵家の正装に身を包んだその姿は、まさに堂々たるもの。だが、その衣装は彼がかつて纏っていた黒の騎士団の軍服とは大きく異なっていた。黒革と銀の装飾をあしらったその衣は、華奢なラインを意識した優雅な仕立てで、武骨さの代わりにどこか柔らかくしなやかな気配を宿していた。


 人々は息を呑み、囁き合う。


「……あれが、アンドレ様?」


「まるで、別人のようだ……。」


 彼の背後には、沈黙を守るエリアスと、エリアスの姉として登場したエイラ──王宮騎士団所属、エラが控えていた。


 一方、対する宰相側には、宰相本人と、先日の舞踏会でエリアスに近づいたクヌート・アーネル伯爵子息が並ぶ。そしてもう一人──深くフードをかぶり、顔を隠した人物がいた。


 観客の間にざわめきが広がる。


「ガリレオ・オーメス卿の姿がない……?」


「あれが、宰相の切り札……?」


 その時点で、誰もが気づいていた。


──宰相は、ガリレオを見捨てたのだ。


 アンドレは周囲の空気を冷静に読み取りながら、ゆっくりと証言台へと歩を進めた。誰にも動じることなく、静かに、堂々と。

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