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情緒桜城  作者: 山本大介
14/20

五、情緒桜城①


 八月も中旬になり、うだるような猛暑が続いていた。

 甲子園では地元の秀岳館が強豪常総学院を下したことで、街は盛り上がっていた。

 当然、隼人はそれどころではない。


 年末年始は店を開けるのに、肥後製菓堂は昔から老舗の伝統か、お盆期間中は工場も販売店も休みとなる。

 14日のこの日、隼人は本社のある製造工場に来ていた。

 工場の菓子生産がストップしている間に、菓子開発室を借りて「情緒桜城」の菓子開発をすることになったのだ。


 夏菜との阿蘇デートの後、十川たちと意見交換し、西に和菓子の企画商品は「情緒桜城」にしたいと告げた。

 話はトントン拍子に進んでいき、今日の開発となったのだ。

 ただし、開発は今日一日というタイトなもので、人員もかけられないということで、西と十川、それに嬉しい事に開発担当者として、夏菜が参加することになっていた。

 最も夏菜は、自ら志願して、この茨の道企画に参加したのだった。


 それだけに、隼人は責任を感じると共に、やる気を持って、集合時間10時の10分前に工場へ入った。

 しかし、工場の応接室には、すでに3人が揃っていた。

 おやっ?となる隼人に、西が、


「お前、余裕だなあ」


「・・・はぁ・・・」


 隼人は若さの至りか、皆が心配して配慮してくれているということに、考えが及ばず、早く集まっていてくれたことに、しまったという思いが強く、申し訳なさそうに頭を掻いた。


「・・・まぁ、いいや・・・急ごう」


 この場は西が仕切る形となって、四人は白衣の調理服に着替えると開発室へ向かった。



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