表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
情緒桜城  作者: 山本大介
12/20

四、②

 

 叩きつけられる滝の水飛沫の粒子が、離れていた二人の頬にヒヤリとあたる。

 涼しいと思っていたが、滝に近づくと少し寒かった。

 二人は滝つぼまで近づき、大きな岩に座る。

 水は清らかでどこまでも澄んでおり、底まで透き通って見える。

 まさに涼を感じる瞬間だ。


 隼人はそんな景色や涼を感じるでもなく、神妙な面持ちでいる。

 夏菜は物思いに耽っている隼人に、両手で渓谷の水をすくうと、


「気持ちいいよ!ほらっ」


 と、隼人を目掛けて、掌中の水を放った。

 水は弧を描いて、彼の右頬にあたる。


「つ、冷たいっ!」


「ふふふ」


 隼人と夏菜の視線が合う。

 二人はしばらく無言でいたが、ふいに夏菜が笑いだしたので、つられて隼人も笑う。


「ほらっ、そこっ!」


 夏菜は滝の中心を指さす。

 そこには、うっすら虹がかかっていた。


「ラッキーだね」


 思わず、隼人は呟いた。

 二人は、滝にかかる虹と身体中に感じる涼を楽しんだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ