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『ふーっ!やっと塔についたな。中々の距離あったなぁ。それにしても道中気持ち良かったなぁ!』
〜塔入り口〜
道中をトレーニングがてら歩き、蓮也とグレンデルは塔の真下にいる。
『何が気持ち良かったじゃ!あまり調子に乗るなよ?ここからが本番じゃ。じゃが塔の途中まではレベル的に襲われんじゃろうから羽で飛んでいくぞ』
蓮也が気持ちよくなるのも無理はない。
道中の悪魔達は全て蓮也とグレンデルから逃げ去っていたからである。
『調子に乗ってるわけじゃない。ただ成長している事が嬉しかっただけだよ』
蓮也はすぐに天狗になっていない事を主張した。そして蓮也は魔人化し、グレンデルとともに空を飛んだ。
塔スレスレを飛んでいると最上階付近に何か飛んでいるのが見える。
グレンデルの尻尾が敵意を察知し丁度中間を越えたくらいで塔の中に入った。
〜塔内部〜
『よっと!とりあえず無事着地。ここにはいないみたいだな』
その言葉にたいし、グレンデルが言った。
『当たり前じゃ、ちゃんと考えておる。たどり着いていきなり戦闘じゃったら武が悪かろう。ここから先はレベル同等、もしくわそれ以上じゃ!』
蓮也はその言葉に納得した。
それからは2人無言のまま螺旋階段を上がる。すると1枚のでかい木製のドアが現れた。
蓮也もグレンデルも感じていたこの先に悪魔がいる事を。
『準備はよいか?おっとその前にワシの上昇技をおぬしに使うぞ』
そう言うと、グレンデルは蓮也に『ビルドアップ』『リフレクト』『ヘイスト』を使った。順番に筋力上昇、防御力上昇、スピード上昇の効果である。
『そしてワシは中、遠距離戦、おぬしが接近戦じゃ。ワシの技とおぬしでは相性が悪いからの。同時技は無理じゃからコンビネーションでいくぞ?お前は好きに戦え!ワシがタイミングを見て技を打つ。逆もしかりじゃ、良いか?』
グレンデルの説明を蓮也は理解した。
そして能力上昇について質問した。
『さっきかけてもらった技だけど、なんも感じないが大丈夫なのか?』
グレンデルは少し笑みをうかべ答えた。
『戦ってみたらわかるぞ?カカッ!』
そう言うと一気に木製のドアを開けた。
しかし中は真っ暗だった。
グレンデルは手のひらに炎を乗せ、たいまつ代わりに先に進む。
『なんだグレンデル、なにもないじゃないか……‼︎ な、なんなんだこれ!?』
蓮也の肩に雫のような液体が落ちてきたが、しかしそれは雫ではなくネバネバした体液のようなものだった。
次の瞬間。
『バサバサバサバサバサッ!キーッ!キーッ!』
けたたましいほどの羽ばたく音、そして無数の鳴き声。部屋は暗かったのではなく、何百匹の『ピコデビル』の大群が壁にへばりついてたのである。そしてピコデビルの大群は列をなし、まるで一匹の黒龍のように動いている。
『ま、まじか…』
蓮也はあまりの光景にびっくりする。
その隙に蓮也の周りをとぐろを巻くようにピコデビル達が包み込み、蓮也を押しつぶそうとする。気づくと部屋の中心には黒い塊ができていた。
グレンデルは何かを察し部屋の最上部へと飛び上がる、それと同時に黒い塊からは灰色の煙のようなものが出ていた。
『喝‼︎』
その声とともにけたたましいほどのピコデビルが宙を舞った。蓮也の覇気で吹っ飛ばされたのである。
『落炎‼︎』
グレンデルは最上部から炎の雨を降らせる。
飛び散ったピコデビルの大半が燃え尽きた。
それと同時に近くにいたピコデビルを凄まじい速度で消していく蓮也。宙を舞いながら一匹、一匹確実に。何百もいたピコデビルは10匹程度になっていた。
怖気付いたピコデビル達は窓から逃げ出し。上に飛んで行った…
これが蓮也とグレンデルの初のツーマンセルでの勝負となった。
『ふぅー!グレンデルの能力上昇がなかったら押しつぶされていただろうし、弾き飛ばすこともできなく、ピコデビルもあんなに倒せてなかったぜ。それに落炎のタイミングも最高だった!』
蓮也はグレンデルに感謝した!
『これがコンビネーションじゃ、何戦しとると思うとる、これくらい楽勝じゃ。カカッ!
』
グレンデルはご満悦みたいだった。
『しかし、次はそう簡単にいかんぞ?ワシが察するにピコデビル達は最上階へ向かった。
ということは次は塔の悪魔戦じゃ!気を引き締めていくぞ』
『あぁ。気を抜かず行こう!』
ツーマンセル初戦を勝利で飾った2人はその部屋を後に最上部を目指す。
〜塔最上部、長の間〜
たどり着いたそこには両サイドにたいまつ。
真ん中にはレッドカーペット、だいぶボロボロになっており、たいまつには火がついておらず、天井は突き抜けており、満月の光で照らされていた。そしてレッドカーペットの先には巨大な王座があった。
『蓮也、上を見るのじゃ』
蓮也が上を見ると、先ほどのピコデビルの大群でできた黒龍のようなものが3匹飛んでいた。数にすると千近い数だった。
その数に圧倒されていた蓮也だったが。
『 ‼︎ 後ろに飛ぶんじゃ!』
その声に自然に反応した蓮也はすぐに後ろに飛んだ。その瞬間に蓮也が居た位置に蓮也の体の3倍くらいの大鎌が床に突き刺さる。
『あぶね!』
その大鎌が刺さった所に現れた。
塔の長『レッドガーゴイル』が。
その姿は大鎌を片手で振り回すほどの巨体。体は漆黒で、背面には赤い毛が生えており、目は真っ赤で睨まれるとすくんで動けなくなりそうな目力。圧倒的塔の長の貫禄だった。
『蓮也!ピコデビルとレッドガーゴイル、同時に戦うのは不利じゃ。ワシが上のピコデビルを殺る!おぬしはレッドガーゴイルの注意を引き、ワシが合流して決戦じゃ!耐えろ!』
と、言うとグレンデルは大きく空に飛び上がる。蓮也はレッドガーゴイルと対面していた。
『攻めが最大の防御だ!』
すごい勢いでレッドガーゴイルへ突っ込むが、レッドガーゴイルは大きく口を開いている。
『な?』
『ギギャーーーーーーーーー‼︎‼︎』
レッドガーゴイルの咆哮。
床にはヒビが入る勢い。
飛んでいた蓮也は咆哮の勢いで強く押し戻され壁に激突。そのまま身動きが取れなくなる。
『うあ〝ーっ!あ〝っ!あ〝ーっ!』
その時。
『パァン………』
蓮也の両耳から血が弾け飛んだ。
鼓膜は破れ、早々に聴力を失ったのである…




