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マギは数ヶ月島に滞在したのち、不死殺しの薬の流通経路を探りに外の世界へ行った。

そしてリリスの死から2年が経ち、ハクの誕生日がきた。

「おいワカバ、アイスケーキのつまみ食いするなよ」

「うーん、美味しい! やっぱり料理担当はサンが1番だね!」

「褒めたってなにもでねーぞ……だから、つまみ食いやめろって!」

「このニシン漬け、持ってけばいいのかい?」

「クルミ頼む。ワカバ、いい加減にしねーと燃やすぞ」

「きゃっ! サンのえっち〜」

「どこがだ!」

わいのわいのしながら食卓へごちそうを運ぶ。

「あれ? シルヴァは?」

「シルヴァおねえは、あたしと交代でホァンのお世話をしてるよぉ〜。あーづがれだ」

「お疲れ様クロ。それにしてもホァンってさ──」

ルージュがクロに耳打ちする。

「──わかる〜、そうだよね〜。ルージュおねえも思ってて安心したぁ〜」

「? ホァンがどうかしたのか?」

「いえ、大したことない話ですクルミさん。個人差の話なので」

「??? そ、そうか……」

シルヴァ以外集まったところでソラが言う。

「ハク、誕生日おめでと! じゃあね」

ソラは料理を持ってどこかへ行ってしまった。

「おいこら、ソラ!! どこ行くんだよ!」

「ほっとこうよ、サンおねえ。最近ノリ悪いじゃんあいつ」

「あいつじゃなくてお兄ちゃんでしょ? クロちゃん」

「あたし、あいつのこと兄って思ったことないもーん」

「こらこら、ハクの誕生日なんだよ。言い争いはやめようよ」

「ルージュの言う通りだ。ハク、15才の誕生日おめでとう」

『お誕生日おめでとう!』

「おめでとう、ハク」

「ありがとうございます、みなさん。ちょっと話を聞いてくれますか?」

「ん〜? お誕生日のお願いごと? ハクちゃん?」

「少し違います。これからのことで相談が……」

ハクは顔を赤らめて、アッシュが察する。

「あぁ! 健康診断のことか?」

「アッシュ!? これは結構繊細な話で……」

「はぁ? なんで健康なオレたちがそんなことしなきゃならないんだよ?」

「それは、その……」

ハクは恥ずかしがる。みんなはハクが何故恥ずかしがるのかわかっていない。

「アッシュ、ハクには説明しにくいみたいだ。してくれるかい?」

「構わないよ。良いかい、ハク?」

ハクは顔隠してコクリと頷いた。

「俺視点で言えば不老についての研究だ。知っての通り、みんなほとんど12才の年齢で体が止まっている。それをどうすれば成長するようになるか、ハクと共に研究するつもりだ」

「なるほど……肉体の進化のために健康診断をか……ハク視点だとどうなの?」

「え? それは健康のためにやるんだよな、ハク?」

アッシュはハクの真意をわかっていなかったので、ハクに問いた。顔を隠しているハクはそのまま答える。

「だから、単純な話じゃないんですって……」

「うー? とりあえず研究のために協力しろってこと?」

「そうですね。ときどきやるって考えでいいと思います」

「なるほどなー。じゃあワカバ協力するよ。サンも協力してもいいんじゃなーい?」

「協力すれば、オレが特訓で鍛えたのが身になってるかどうかわかるのか…………なーんだ。そういうことなら協力するぜ! ハク」

「僕も全然構わないよ。クロは?」

「もちろん協力する! アッシュの手伝いしたいもん!」

(自分の手伝いじゃないんだ……)

ボソッとハクが言う。ルージュはそれに気づいた。

「どうかした、ハク?」

「な、なんでもありません。とりあえず、わかってくれたならよかった……」

「よかったねハク。それじゃあ私、シルヴァに料理持って行ってあげるね」

「頼んだぜ! 今日のアイスケーキ、めちゃくちゃ美味いからシルヴァにも食わせてやんねーとな!」

「それならホァンの世話も頑張らないとね、サン」

「ゔっ……! オレはやりたくない……」

「やりたくないんだ……」


シルヴァはホァンをあやしていた。

「ほーらホァン? たかいたかーい」

「キャッキャッ、あーう」

「もう一回? せーの、たかいたかーい」

「キャッキャッキャッ!」

「失礼します」

ルージュが秘密基地に入ってきた。

「あら? ルージュが来ましたよ、ホァン」

「変わりますよ、シルヴァ」

ルージュがホァンを抱っこしようとするが──

「ばぁぶ! だぁだぁだぁ!!」

「……やっぱり、シルヴァのことが大好きみたいだね、ホァンは」

「そうみたいです。未来視で見えました」

「未来視したんだ? どんな感じだった?」

「すごく崇拝するほどにわたくしを慕っていました」

「ばぶぅ?」

「それって怖くなかった?」

「平気ですルージュ。そういう人、前にもいましたから……」

自分を崇める信者は想像以上に異常な愛を感じた。それを悟ったルージュはシルヴァに寄り添う。

「大丈夫だよ。みんなが居るから」

「ばぁぶ!」

「ふふ。そうですわね」

ルージュは先程の話題をシルヴァに話した

「そうそうハクがね、健康診断がしたいって言ってました」

「健康診断をですか……? いいですね、わたくしは賛成です」

「以外! 賛成なんだ」

「どうしてです?」

「だって、アッシュの提案みたいだったんですよ? ほら、不老を解くために」

「……ルージュはアッシュのことどう思ってます?」

ルージュは少し考えた。

「うーんと、頑張りすぎ……かな? ひとりで抱えこみすぎてるっていうか……」

「ルージュ、これだけははっきりしています。不老は解けません」

「!!」

「ホァン? わたくしはあなたが心配です。わたくしたちと同じく、儀式で不老不死にできるか」

「あーう?」

「ルージュ、どうしましょう? ホァンだけ体が大きくなってしまって先に──」

「あっ、そのことなんだけど、ホァンって成長が遅いみたいだよ?」

「えっ? そうなのですか?」

シルヴァはホァンの体をまじまじと見る。

「キャッキャッ」

「わたくしには、わかりかねます……」

「クロと話したんだけどね、ハクと比べると遅いなーって思ってたんだ」

「ばぁぶ? あぅ!」

「ごめんごめん。人それぞれだから大丈夫だよ、ホァン」

「あーう」

ホァンは短い手でルージュの頭を撫でた。

「ありがたき幸せ」




ルージュの本音

「私はおっきくなりたいし、顔の傷……身体中の傷痕を無くしたい。だから、アッシュには頑張ってもらいたい」

シルヴァの本音

「お母様から承ったこの寵愛を蔑ろにするのは御法度。アッシュには然るべき罰をソラ兄様にしてもらわなければ……」

次回未定です

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