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ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第二章 学校編
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自殺


「ふぅ……事務所に戻ってきたわけだが」


「何でこっちを見るわけ? 意見の交換は大切でしょ。弁当を二つ買ったのもそのためじゃないの?」


 俺は西宮刑事と別れて、事務所に帰宅すると、その頃には二十時を回っていた。外に食べる気になれず、弁当を買ってきたわけだが……その弁当も二人分。メイデンはその弁当の種類を自身で選んだわけだが……


「……別にいいさ。ただ、酒は飲むなよ。お前は姿からして年齢不詳だからな」


 メイデンの姿は子供なだけに、酒を飲める年齢かは分からない。そんな相手の前で酒を飲むのも気が引けない事もないが、酒でも入れて少し気を落ち着かせたく、ビールを一本だけ買ってきた。


「はいはい……私はコーラで十分だから。食べながら、話すのを行儀が悪いとか言わないでよ」


 メイデンは客席用のテーブルに座り、弁当を食べ始めた。俺は自身の机に座り、PCをつけながら弁当をつつく。勿論、今は【ボーダーライン】にログインするつもりはない。


 まずはTK大学の事件を調べる。歌舞伎教授とは明日、この時間に会う事になった。ゲームサークル、歌舞伎教授の研究室に赴くのではなく、あちらが事務所に来るらしい。


 会うからといって、歌舞伎教授の事を深く知るつもりはない。【ボーダーライン】に関係するか否か。生半可な知識は余計に墓穴を掘るだけ。


 俺はゲームサークルの中で、名前が上がらなかった人物が誰なのか。有名大学での死亡者であれば、ネットに書き残されていてもおかしくない。


「……喜多河や塩見が亡くなった事に関して、ネットで好き勝手に書き込まれてるな」


『ゲームサークルは呪われている』『これも歌舞伎教授の実験か?』『何か変わったのは自殺から?』『行方不明の二人も死んでいる説』等


「そんなもんだよ。その中に本当の事なんてないかもだし、そんなのが怪奇を生み出す可能性があるから嫌だよね。都市伝説がそうだし」


「……経験してなければ出てこない言葉だな。この中で気になるのは『何か変わったのは自殺から?』だな。サークルメンバーが最初に亡くなった理由は自殺か。名前は……歌舞伎」


 歌舞伎縁(かぶきえにし)。珍しい名前からして、歌舞伎教授の息子、もしくは孫? 親戚かもしれない。大学院生であり、歌舞伎教授の助手をしていたとも書かれている。


「歌舞伎って……顧問の教授と一緒の名前でしょ。親族なんじゃないの? あの刑事、全然調べてないんじゃないの? 喜多河だけじゃなく、塩見が死んだのも実は……って、やつでしょ」


 メイデンは西宮刑事の無能さに呆れている。早々に捜査を切り上げられたのなら、そこまで遡るのは難しいのかもしれない。た


「探偵と違って、警察は組織だからな。簡単に独自捜査は難しいんだろ。歌舞伎縁は大学の建物で飛び降りたらしい。遺書も発見はされてないが……原因はサークルメンバーとは書かれてない」


 歌舞伎縁が他のサークルメンバーにより殺され、歌舞伎教授が復讐のために……理由は納得出来る。【ボーダーライン】は関係ないかもしれない。


 だが、真偽はともかく、自殺の原因は歌舞伎教授にあると書かれている事が多数を占めている。その頃、二人は何かの実験をしていたらしい。

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