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ボーダーライン ~人為と怪異の狭間~  作者: 迷探偵
第二章 学校編
78/98

教授

「うわぁ……気難しい人じゃん。大学の方からその人に協力を仰ぐように言えないの? 三人も亡くなっていて、二人は行方不明。教員でもサークル所属してたんなら言えるもんだけど」


 大学生となれば大人だが、責任がないと言えば嘘になる。教員も何故死んだか? を知りたいとは思わないんだろうか。行方不明者を二人出している事も、大学は不審に感じないのか?


「あ~……すみません。言い方を間違ってましたね。彼は教員なのは確かですけど、教授。それも名誉教授です。大学を建て直した言われるぐらいで……」


「名誉教授……もしかして、TK大学の立役者は歌舞伎(かぶき)碁絡(ごらく)ですか?」


「その人です。今は隠居みたいな感じで、授業を受け持ってないらしいですけど」


「探屋が知ってる程、有名な人なわけ?」


「彼が有名になったのは脳科学、VRをフルダイブ化も彼の実績に入る。年齢は七十過ぎぐらい……今も現役か」


 歌舞伎教授が関係するならば、【ボーダーライン】開発にも関係する可能性が高くなる。ゲーム自体が怪奇としても、媒体が必要だと考える。


「噂ですが、今は脳科学ではなく、別の分野の研究をしてるらしいですけどね。それに大学も期待して、邪魔出来ないってわけです。学会や講習も拒否してるようですし」


「ふ~ん……それが【ボーダーライン】だったりして。前の写真ぐらいしかネットに載ってないか。翁なのかは分からないかな」


 メイデンはスマホから歌舞伎碁絡を調べ、フルダイブ化成功した時の写真を見つけた。その姿に翁の面影があるのかを確認したようだが、その可能性もゼロではない。 


 開発関係なくとも、その情報を聞けば研究者として知りたいはずではないか? サークルの【境界線】というゲームに類似点もあるなら尚更。願い云々、招待されれば体験したいと思わないだろうか?


「直接会って、確めてみるのもありだと思うけど。探屋なら反応あるかもだし、私も見ておけば、視聴次第では本人だと分かるかもだし」


 メイデンは運良く翁の視聴を選んでいる。直接本人を見ておけば、意外なところで判断がつくか。それに探偵という言葉に反応するかもしれない。刑事と協力して、捜査している事は翁も聞いている。


「確かに……西宮刑事、歌舞伎教授にアポイントメントを頼めませんか? 大学には探偵よりも刑事の方が良さそうですし、『ゲームの事に関して探偵が話をしたい』と伝えて頂ければ。そこまでの人物に、直接行くのは流石に必要ですし、大学も許さないかと」


「まぁ……駄目元で聞いてみます。そろそろ夜になりますし、今日中に会う事は無理だと思ってくださいよ」


【ボーダーライン】と喜多河の捜査で、時間は十八時を示そうとしている。


「分かりました。この【境界線】のゲームと資料はお借りして、今日はここまで大丈夫です。大家さんも長居されたくないでしょうし」


 喜多河の部屋は一階であり、大家が覗いているのが見えた。他に塩見、佐賀の部屋を調べたいが、解約されているのなら無理だろう。

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