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3.黄色いのはお前の教科書だよ
眩しい日差しをカーテンで閉ざすも、心地良くほんのりと暖かみを感じさせる窓側の席は、お腹が満たされた俺に安らかに眠れと言っているかのよう。
瞼が重い。目が霞む。話が何も入ってこない。
手には黄色の蛍光ペンを持ちながら、大事な場所にラインを引いてはいたが、限界だ。
うつらうつらとしつつ、瞼を少しだけ閉じると、暗闇とカーテンで遮断され損ねた日差しがすぐに眠りに誘う。
窓の外の校庭では体育の授業なのかボールを蹴る音や生徒達の声がする。
重い瞼を少し開き、カーテンをゆっくりめくってみる。
日差しは眩しい。
すぐに見える花壇には校長が育てている向日葵や他の花が咲いていて、水やりをした後なのか水滴がキラキラと日差しで反射してとても綺麗だった。
花壇のそばにボールがやってきた。
取りに来た生徒は日差しでさらに明るく見える金色の長い髪を後ろで一つに束ねた女子だった。
顔は見えない。どんな生徒かも知らない。
何故か、目を逸らせなかった。
「黄色い」
向日葵のように、黄色い人だな、と。
この時に思ったのは、それだけだった。
「黄色いのはお前の教科書だよ」
俺は教師に、頭を教科書で叩かれた。
その時に気が付いたのだが、その教科書のページは蛍光ペンの黄色で曲線が沢山描かれていた。




