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四十七話 ステータス999999がバレるかも!?

 私のステータスは999999。

 運勢はそれにマイナスがついてしまうが、どちらにせよ人間離れしていることに変わりはない。

 キマイラを倒せるどころか、ラスボスだってワンパンなのだ。


 クリスの犬耳なんて目じゃない。

 バレた瞬間、学園どころか世界中が大騒ぎになりかねない重大な秘密だ。


 私はこれを隠す必要があるのだが……ダンジョンに行くとなると、バレる機会が格段に増えてしまうのでは?


(ま、まずい……安請(やすう)け合いなんかするんじゃなかったわ……!)


 私が真っ青な顔で固まる一方で。


「私も力をつけて、やらなきゃいけないことがあるんです。クリスくんと同じですね」

「僕もロザリア様をお守りするため、今より強くなる必要がありまして」

「ふむ、それじゃあ、ともに精進しようじゃないか」


 あとの三人は、わいわいと盛り上がり始める。

 リリィが必要以上に近付かないことが分かったのか、クリスの表情はやわらかい。

 見ようによってはかなり穏やかなランチタイムだ。


 私だけがこの世の終わりのように固まっているうちに、話はどんどん進んでいく。


「それじゃ、ダンジョンではどんな風に役割分担しましょうか。前衛と後衛がありますけど」


 四人パーティでは、基本的に前衛がふたり、後衛がふたりの陣形が基本だ。

 主に前衛がモンスターと戦い、後衛はそのサポートをする。


 もちろん前衛にかかる負担は大きくなるが、その分活躍できるポジションで――。


(活躍したく、ないっ……!)


 私は弾かれたように手を挙げてみせた。


「はい! 私が後衛に立候補するわ!」

「へ?」

「ロザリア様が、ですか……?」


 リリィとヨハネは目を瞬かせる。

 そんななか、クリスは「ふむ」とあごを撫でてみせる。


「では、ひとまずそれは留意しておくが……」


 そこで彼はリリィを見やる。


「コルネットさんだったか。きみの得意分野はなんだ?」

「えっと、体を動かして戦うことは苦手なんですけど……このまえ、回復魔法をひとつ習得しました!」

「じゃあきみは後衛向きだ。そこのハミルトンくんは?」

「そうですね。多少は剣も扱えますが、攻撃魔法や補助魔法をいくつか習得済みです」

「なら、きみも後衛だな」


 手早く決めて、最後にクリスは私ににっこりと笑いかける。


「それで、ベルフェドミナくん」

「ろ、ロザリアでいいけど……」

「では。ロザリアくん、きみの得意分野は?」

「えっ、えーっと……」


 得意分野、と言われても。

 リリィやヨハネのように、魔法を覚えているわけでもない。


 先日、図書館から魔法の入門書を借りたものの、魔法薬授業での死亡フラグ回避のためにそちらを猛勉強したため、まともに魔法の練習などできていなかった。

 そもそも日中もヨハネやリリィ、そしてヴァルと一緒だし……練習の時間なんて皆無だ。


「ロザリアさんの得意分野はもちろん肉弾戦ですよ! なにしろキマイラを素手で倒しちゃったんですからね!」

「うん。彼女の身体能力は俺も知っている。昨日、転びかけた女性を素早く助けていたのを見たからね」


 はしゃぐリリィに、クリスは鷹揚にうなずいてみせる。

 そうして私に真顔を向けるのだ。


「そういうわけで、きみの適職は前衛だ。異論があるなら聞かせてもらうが」

「ぐっ、うう……ないです……」


 まったく言い訳が浮かばなかった。


「そして、僕は剣が得意だ。前衛に回ろう」

「ほう。急ごしらえのパーティにしては、なかなか安定感のある組み合わせになりましたね」


 ヨハネが感慨深そうに吐息をこぼす。

 物理攻撃キャラがふたり、回復がひとり、魔法担当がひとり。

 お手本のようなパーティだ。文句のつけようなんてあるはずがない。


 クリスは満足げにうなずくと、私をまっすぐ見据えて告げる。


「たのむぞ、ベルフェドミナ。俺とともに、七十階を目指そう」

「ぐうっ……!」


 そんな下層まで一緒に冒険しちゃったら……まず間違いなく、力がバレるんですけど!?

続きは明日更新します。

おかげさまで十万PVを突破しました。読んでいただけてとてもうれしいです。ありがとうございます。

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