8/11
1章-4 未だ戦火に蝕まれる者達
青年は今炎の中に立っていた。その熱風に死体の山が燃え上がる。武器を持った兵士から村に住んでいたと思われる少女の遺体など様々であった。
痛い…、熱い…、助けて…
何処からか無数に聞こえてくる掠れ声はまるで呪詛のようであった。青年は目を伏せ、耳を手で覆う。
ーーあんたもこんな感じに蝕まれていたのか?この地獄のような炎に。そしてなお戦場に立ち続けたというのか?俺は、俺のやったことはーー
「うわーーー!!」
青年はただ逃げ惑うことしかできなかった。