表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/18

18 いつもの商店街


ルディとふたりで街へ出かけてきた。


アッシュルーズ家はレイナルーズという領地にある。

レイナルーズの街をルディと並んで歩く。


ほどなくして、目当ての商店街に差し掛かる。

まずは装備品を見て、

手頃なものを購入しなければ『福引券』を入手できない。


武器と防具の店は隣接してるからそこを目指している。



「ラルク様、福引はお久方ぶりだそうですね?」

「ああ。幼少時以来やってないよ」


「そんなにですか?」

「ああ。外ればっかだったからな」


「それじゃ、道具屋さんは苦手でお嫌いですよね」

「まあな」



ひとりで気軽には行くには気が引ける場所だ。



「でも。もしも、今日……」

「ん?」

「一度でもスカじゃなかったら、苦手がひとつ克服できますね?」



ルディは前向きだ。

気軽で楽しそうに話してくる。

そういう言われ方なら気持ちが少し和らいでくる。

これまでそんな励ましや慰めの言葉さえも、

誰にももらったことがない。


僕に付いていた召使いは皆、

戦闘もこなす護衛も兼ねていて成人ばかりだった。


不手際があれば責任を問われることを恐れる連中ばかりだった。

だからいつも堅苦しくて、つまらなかった。


せっかくの買い物に出ても、

買い食いのひとつも許されなかったのに。


召使いが、10代で年下だなんて生まれて初めてだ。

しかも、抜け目だらけのおっちょこちょいのルディさんだよ。

その意味でも気持ちはとても楽で。


だけど。

運無し地獄をまだ知らないからな、この子は。


普通の人にとっては確立を回すだけの単純なゲームだが。



「それはそうだけど。券が1000枚あってもスカのみだったんだぞ」



自慢しているわけじゃない。

店屋がイカサマしてるのではと疑ったほどだ。



「せっ、1000枚って! えっと1000Gの買い物で1枚もらえるから……」

「そう、一度に100万ゴールドも買い物をさせたことなどザラにあるし」


白い目で見たかは知らないけど。

なぜか、ふらつくのを目にした。


ルディは自分の悲鳴で卒倒しそうになった。

そっと背中に腕を当ててやり、それは回避した。

呼吸を整えた彼女は気を取り直して尋ねる。



「だいじょうぶか?」

「ご、ごめんなさい。……ラルク様!」



僕の手を煩わせことを恥じらった。



「ほ、本日の支度金は、さすがにそんなにはないですよね?」

「まあな」



一日の支度金がそんなにあったら僕が卒倒して喜ぶ。

せいぜい、20万ゴールドというところだな。



「来るとき、中身を確認したら金貨ではなく銀貨だった」



なんとなく判っていた。

袋の底は片手いっぱいあった。

金貨は1枚で10000ゴールドの価値だ。

20枚ではザクザク感は得られない。


100ゴールドの価値の銅貨は家柄を問われるからないと考える。

僕も10代で、しかも今はロクでなし状態。

なら間の、銀貨しかないと。



「それでも、かなりの大金ですよね!」

「20万てところだな」



目をキラキラと輝かせて、可愛いものだ。


僕も幼少時代はそうだった。

すべてが新鮮に映ったものだ。


武器と防具も、道具の一つひとつにも夢が詰まっていて。

見る度、触れる度に心が躍ったものだ。



「でも、こんな問題児のために金を用意してくれるだけでも感謝だよな」

「ラルク様……運をあげましょう。お買い物をうんと頑張りましょう!」

「そ、そうだな。がんばるよ、ルディ」



武器屋と防具屋の前に到着した。



「ラルク様、どちらにされるんですか?」

「武器屋にしよう。魔力も乏しいから、ロッドを買おうと思うんだ」



入店すると、店のオヤジが歓迎のあいさつを。



「いっらしゃーい……ませ? あ、ラルクさま、うちに何か御用ですか?」

「あなた、それはないのではないか! ラルク様は商品を買いに来られたのよ!」



僕が店主の問いに答えるよりも早く前に出て、

ルディが憤慨して店主に文句を突き付けた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ