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「難攻不落の氷姫」と呼ばれる他校の美少女に傘を渡したらなぜか養ってもらうことになった  作者: 星宮 亜玖愛


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第23話 朱色

「はい、あーんしてください」


「わ、分かったからちょっと待ってくれ。心の準備が…」


「もう、乃亜くんは恥ずかしがり屋さんですね」


 恥ずかしいも何もこれに無反応な奴はそれはそれでどうかしてると思うんだがな。


 だってあの結姫にあーんしてもらえるんだぞ?


「ほら、あーん」


「い、いただきます………ん、こっちも美味しい」


 大人しく観念して味だけに集中したところすごく美味しく感じた。


「いいな、それも。俺のも食べて」


 と言ってクレープを差し出したのだが結姫は何やら不服そうな顔をしている。


「どうしたの?」


「私がせっかくあーんしたんですから乃亜くんもやらなきゃ不公平です……」


 何だその理論は…。


 まぁ自分があーんされる側じゃないなら別に……いや流石に気にはするけど。


「じゃあ、あーん」


 結姫は差し出されたクレープをはむ、と頬張って口に入れた。


「ん!美味しいです!」


「そうか、よかったな」


「はい!」


 と言って満面の笑みを浮かべる結姫の頬にはクリームが付いていた。


「結姫、こっち向いて」


「?」


「クリームついてる」


 俺はそう言って結姫の頬に付いていたクリームをティッシュで拭き取った。


「あ…ありがとうございます。お恥ずかしいところをお見せしてしまいすみません…」


 頬にクリームをつけていたと言う羞恥心からか心なしか頬が赤くなっている。


「いやいや、逆に女の子はちょっと抜けているところがあった方がいいって言うしあんま気にしなくていいよ」


「ほんと…ですか?」


「あぁ、結姫に至っては完璧すぎてむしろ抜けてるところがあって安心したくらいだよ」


「安心って…それちょっと馬鹿にしてますよね?」


 先ほどとは一転今度は頬を膨らませて怒る結姫。


 まぁそんな姿も可愛いから俺にとってはただのご褒美なんだよなぁ。


「乃亜くんはどうしてニヤついているのですか?」


 おっと、まずい。


 顔に出てしまっていたか。


 感情が顔に出てしまったら結姫から好かれるどころかなんだこいつきも、で嫌われてしまうのでそこは気をつけなければ。


「ごめん、思い出し笑い」


「思い出しでニヤつくって…どんなものを思い出したんですか…」


 やばいボロが出る。


 もうすでに引きかけてないか!?


「いや、まぁ…ちょっとな」


「………、」


 やばいよ!黙っちゃったじゃん!


「ごめん結姫!本当のことを言います!!」


 これは本当のことを言った方がダメージが少なそうだな。


「本当はただ結姫は可愛いので怒っている姿を見てもたいして怖くないなぁ、などと思っていました!すみません!!」


 まるで軍隊かのように謝れば内容も中和できるのではないかと考えた。


 中和できるわけないのにね。


「そうだったんですね‥ならまだよかったです」


 中和できちゃった。


 中に爆弾のような内容詰め込んだのに大丈夫だったのは時の運か…。


「今回は乃亜くんに免じて許してあげます」


 俺に免じてというのがいまいちピンと来ないけどまぁいいか。


「ありがとな」


「いえいえ、そういえば話は変わりますが今日の花火って何時からでしたっけ?」


「確か7時から10分間とかじゃなかったか?」


「じゃあ少し教室展示の方も見て回りませんか?」


「お、いいね。1時から体育館でステージ発表もあるらしいからそれ見に行くのもありかも」


「いいですね!行きましょう行きましょうー!」


 と言って目を輝かせて喜ぶ結姫。


 こうやって子供みたいにはしゃぐ時もあれば大人びた時もあれば…そういうギャップも結姫の魅力の一つなのかもな。


 難攻不落の氷姫って呼ばれていたのも何かの間違いなんじゃないかと思ってしまう。


 いや、難攻不落は間違いないか。


「じゃあ早速なんですけどこの3年5組のお化け屋敷いきたいです」


 パンフレットを指さしながら俺に向かってそう言った。


「あー、なんかここ二日間の噂だとすごい完成度高いとかいう噂のやつだ」


「え…‥完成度高いんですか…?」


「まぁそこそこには怖いらしい」


「ほ…本当ですか?」


「らしい、怖いのか?」


「い…いやそんなことないです!」


「別にいいんだぞ無理して行かなくても」


「の…乃亜くんが守ってください…」


 こういう正直なところも可愛いんだよな。


「はい、了解ですお姫様」


 なんて軽口を叩いて俺たちは3年5組はと向かった。


 少し結姫の頬が朱色に染まっていたのは恐怖からだろうか?それとも…


 余計なこと考えるだけ無駄だな。


 だってまだ結姫は俺に振り向いてくれていないのだから。

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