第14話
封印するしかないと思っていたURプラズマキャノンを気兼ねなく使う唯一の方法がわかった。
それはすなわち、課金だ。
俺が、URプラズマキャノンを確実に手に入れられる金額……つまり天井までロボワに課金すれば、URプラズマキャノンだって完全覚醒URプラズマキャノンだって、堂々と使えるんじゃないか!
あのお嬢様が金で強さを買っていたように、俺もロボワに課金することで後ろめたい思いをせずにURプラズマキャノンが使えるなら、いくらでも払ってやる!
……と意気込んだ俺が、UR10個分と引き換えるためには現金で60万円もの大金が必要だと気づいて膝をついたのは、ピアリスが昼食の時間を知らせに来た時だった。
「長尾さん!? どうなさったんですか!?」
「ああ、ピアリスか。もう昼なんだな」
俺はのそのそとゴーグルを外す。
「長尾さん……、とてもお疲れのご様子ですが……」
「ああいや。……何つーか、俺って金持ってないなって思ってさ……」
「お金を……増やしたいのですか?」
ピアリスの言葉に、俺はハッと口を押さえる。
ピアリスは、俺をじっと見つめていた。
「いや、えーと、何でもな……」
「でしたら、長尾さんにはこのような方法がオススメです」
ピアリスは俺の前にずらりとウィンドウを開く。
資産運用に投資……株ってことか?
しかもAI投資……つまりAIが人に変わって売買を代行するタイプのデジタルカタログみたいだな。
「うーん……。提案はありがたいが、俺はこういうのは詳しくないし、そもそも運用できるほどの資産が無いからな」
「そんなはずはありません。4年分の蓄えがある長尾さんの現在の資金でしたら、十分に運用可能です」
……いやだから、なんでピアリスが俺の貯金額を把握してるんだよ。
聞いても怖い返事が戻ってくる未来しか想像できないな。もう黙っておくか。
確かに俺の現在の貯金額は過去最高だが、これはつい先日4年分の給料がまとめて入ったからだ。
4年とはいえ1日の実働時間はほんの4時間、労働基準法に触れることのないこの労働時間では、給料だってそう驚くような額じゃない。
ボーナスだとかもなかったしな。危険手当だけはついたが。
それでも1000万を超える預金額に俺が浮き足だったのは確かだ。
ただ、船にいた間は家賃も光熱費も食費もかからなかったので、思ったよりも貯まっているというのはある。
まあ、最後の一年程は毎食カンパンと水だけだったが。
ピアリスが栄養補助という名目でビタミン剤等を処方してくれてたおかげで体に不調はなかったが、食事が趣味の人なら発狂していただろうな。
「だとしても、俺にはそういう才能はないからさ……」
「そこはもちろん、私がお手伝いいたします」
お前、株までできるのか?
「長尾さんは、私に資産運用をお任せいただくだけで大丈夫です」
いやそんな全面的にお前が運用していいのか?
いくらなんでもメディカル的権限からは大きく外れるだろ。
ピアリスは何でもやりすぎるとこがあるからなぁ……。
「ご心配でしたら、まずは5万円だけ、私にお預けいただけませんか?」
「5万円……? そんな小額からできるのか?」
「はい。ミニ株でしたら数百円からご購入いただけるものもございます」
ピアリスは相変わらずスラスラと返事をする。
「うーん……。ありがたい提案ではあるんだが、これは俺が受けてもいいサービスに含まれるのか?」
ピアリスは俺の言葉を待ち構えていたかのように、デジタル書類を提示した。
「もちろんです。こちらが私のマニフェストと契約書になります」
なになに……『乙は甲の将来の不安を取り除くべく、相談には速やかに応じ、最大限の努力をすること』か。
またAI相手に曖昧な書き方してくれてるな、この契約書は。
そこらのAIの最大限と、こいつの最大限は大違いだからな。
まあでも、ルール的にはセーフなのか……?
俺はしばらく考えてから、慎重に口を開く。
「それじゃあ5万円だけな。で、これが半額……2万5千円以下になった時は、俺に知らせてくれるか?」
「はい、かしこまりました。それでは、こちらが金銭管理に伴う同意書です」
ああ、こういうのもちゃんとあるんだな。
それならまあ……大丈夫か……?
俺は、少しでも増えればラッキーくらいの気持ちで、ピアリスに示された書類にサインをした。
***
あのお嬢様以降は、重課金勢に遭遇する事もなく、俺は午後には無事ゴールドランクに上がることができた。
10日も期間があるのに、初日でいきなり目標ランクに到達してしまったな。
もしかして、今のロボワ内だと、俺はそこそこ強い方なのか?
あー、経験の差があるからか。
まだロボワを始めて1か月ほどの奴らの中に、俺みたいなロボワ5年目が混じれば、そりゃ長いことやってきた俺の方が強いに決まってるよな。
でも、この差は程なく埋まるだろう。
既にリボルバーはこの時点で俺よりずっと上手いしな。
はぁ、俺ももっと強くなりたいな……。
息を吐くと、首と背中が痛んだ。
いてて……。
長いこと同じ姿勢でゲームしてたから、あちこち固まってるな。
目も疲れた……。
そういや、デイリーミッションがまだだったよな。
パパッと済ませて、ちょっと休むか。
俺は外したゴーグルを机に置くと、ベッドに身を投げる。
はー……、体がバキバキだ……。
ピアリスのメディカルチェックの時間まではもう少しあるな……。
しょぼしょぼする目を閉じて、目の上に腕を乗せる。
圧迫感が気持ちいい。
窓の外からは、街ゆく人々の喧騒が遠く聞こえる。
1人で過ごした船内はどこまでも静かで、自分以外の人間なんてもうこの世にいないんじゃないかと錯覚させられる瞬間も度々あったが……。
……こうやって人の気配を感じられるのはいいな……。
俺は……地球に戻ってきたんだって、実感、する……。
あれ、ここは……。
目を開くと、そこは見慣れたピア・オデッセイ号の俺の部屋だった。
う、頭が……割れるように痛い。
体も重くて熱い……。
熱があるのか、俺……。
重い瞼に目を閉じる。
船は静かで、俺は1人きりだった。
昔からずっとそうだ。
俺が熱を出しても、父は仕事で、母は兄に付きっきりで、家には誰もいなくて。
仕方ないよな。皆、忙しいんだから。
こんな、風邪くらい。寝とけば治るんだし。
俺が小学生の頃、芸能事務所に所属していた兄がアイドルユニットとしてデビューした。
母はそんな兄に付き添い、全国を飛び回っていた。
熱を出して一人、誰もいない家のソファーで毛布にくるまっている小学生の頃の俺は、時折咳をしながらスマホを握りしめていた。
スマホには、通話アプリの母親とのトーク画面が開かれている。
『お母さん、今日帰ってくる?』書いてから、小さな俺はそれを全部消した。
今日帰らないのは分かってる。『のどが痛いよ』『咳が止まらなくて苦しい』『体が痛い』『さみしい』『お母さんに会いたい』どれもこれも、送ったって仕方がないことだ。
お母さんがただ心配するだけで、何もならない。
小さい俺は、結局『お母さん早く帰ってきてね、お土産楽しみにしてるね』と書いて送った。
10分待っても20分待っても、返事は返ってこない。
小さな俺は、スマホを抱きしめたまま、返事を待ちながら眠りについた。
夜中に、帰った父に自分のベッドで寝るよう言われて、俺は廊下に出た。
母からの返事はまだなかったけど、既読だけはついていた。
お母さんはもう寝たのかな。
明日の朝にはお返事くれるかな……。
お兄ちゃんは今日も明日も、ずっとお母さんと一緒で羨ましいな……。
「玖真、食卓にレトルトのおかゆを置いといたから、明日の朝食べなさい」
背中に父さんの声がかかる。
はーいと返事をしようとして、俺は盛大に咳き込んだ。
「大丈夫か? 熱はまだ高いのか?」
父さんが慌てて俺の額に手を当てる。
「少し下がったみたい。大丈夫だよ」
「悪いな、明日どうしても休めない会議があるんだ……。1人で平気か? 学校には休みの連絡しとくからな」
「うん。平気だよ。明日には元気になってるかも」
「それでも、もう一日ゆっくりしとくといい。お前が起きる前に父さんは出てるからな」
「ん、お仕事頑張ってね」
父さんが大きな手のひらで俺の頭を撫でる。
もう少しだけ、一緒にいてほしいなんて、5年生の俺が言うのは恥ずかしい気がして、俺は黙って自室に戻った。
誰か、俺のそばにいてくれたらな……。
せめて、気にかけてくれる人がいたらいいのに……。
通話アプリのトーク履歴には女子の名前がずらっと並んでいる。
俺の兄がアイドルを始めてから、俺と連絡先を交換したいという女子が、どこからともなくクラスにやってくるようになった。
俺は兄によく似た顔をしているから、兄のおかげで俺にも興味を持ってくれたんだろうか。
そう思ったのは間違いだった。
彼女達は俺を通して兄と連絡が取りたいだけで、興味があるのは兄の事ばかりだった。
俺が風邪を引いたと言ったところで、スタンプで返ってくる「お大事に」にどれほどの意味があるのだろうか。
俺はスマホを手放して、布団に潜り込む。
小さく吐いた息は、まだ熱かった。
ハッと目を開くと、さっきと同じピア・オデッセイ号の俺の部屋だった。
ズキンと頭が痛む。身体中が痛くて重い。
どうやら熱のせいで昔の夢を見ていたようだ。
大人になっても、熱を出す度、あの頃の夢をみる。
俺が大学生の頃に兄はアイドルを卒業した。
母も今は家にいるのにな……。
夢の中では熱は下がりつつあったのに、まだ今の俺は高熱の真っ最中のようだ。
ぼうっとした頭と、視点の定まらない瞳で俺は部屋を見渡した。
こんなことをしたって意味がないのに。
自分が1人きりだと、思い知るだけなのに……。
ぼやけた視界にパステルピンクのウェーブヘアが入る。
「お目覚めですか、長尾様。お加減はいかがですか?」
優しく声をかけてくれたのは、この船の管理AIピアリスだった。
「……ピアリス……?」
「はい」
身長20センチほどのホログラムが、俺だけに微笑む。
「そばに……いてくれたのか……」
「もちろんです」
そうか、ここでの俺は、1人じゃなかったのか……。
「ありがとう……。すげぇ、嬉しい……」
滲んでぼやけた視界の向こうで、ピアリスが驚いたような顔をした。
AIも驚くことがあるんだな。
そんな驚くような事、俺……言ったっけ……?
ダメだ、頭がぼーっとして、何も考えられない……。
瞬きをすると、強い眠気に襲われる。
「長尾様……」
ピアリスの心配そうな声が、遠く聞こえる。
「何か、私にお手伝いできることはありませんか?」
「俺の……そばに……――」
俺はあの時、なんて言ったんだろう。
4年間の船旅の中で、俺が唯一熱を出して寝込んだ、あの日。
東さんがまだ起きていた頃の話だ……。
『かしこまりました』と答えてくれたピアリスの声は覚えているのに、自分が何を求めたのかは、まるで思い出せなかった。
そういや、あの頃からだったな。
ピアリスの表情が増えたというか、より繊細に、感情豊かになりはじめたのは。
ん……?
ピアリスが俺を呼ぶ声が聞こえる……?
「長尾さん、メディカルチェックのお時間ですが……、まだ睡眠が必要でしたら後にしましょうか?」
ゆっくり目を開くと、そこは一人暮らしの俺の部屋だった。
「ん……、ピアリス。起こしてくれたのか、ありがとう」
いつの間にか窓の外はすっかり暗くなっている。
俺は起き上がると明かりをつけてカーテンを閉めた。
「睡眠不足でしょうか……。もしよろしければ、長尾さんの睡眠中の状態をモニターして睡眠の質を計測することができますが、いかがですか?」
心配そうなピアリスが、俺に新たな提案をしてくる。
「それって、俺が寝てる間ずっとピアリスが見張ってるって事か……?」
「私の視線が気になるようでしたら、非表示モードでも計測できます」
「けど、時間外労働じゃないのか?」
俺の言葉にピアリスはキョトンとした顔をして、それから微笑む。
「私の勤務時間が平日の9時から17時とされているのは、長尾さんの私生活を侵害しないための基準ですので、長尾さんのご許可がいただけるのでしたら、私は24時間勤務も可能ですよ」
ああ、そういう理由だったのか。
確かに、同居家族や彼女がいるようなとこへ、ホログラムがいつでも出てくるようじゃ困るか……?
「んー……、じゃあ、ピアリスに負担がないようなら、試しにやってもらうかな」
ピアリスは、待ってましたとばかりに「お任せください」と答えた。
「いやでもその小型端末じゃ長時間駆動は熱持たないか? 電源には接続しとくが、外部クーラーでもつけるか?」
俺の言葉にピアリスが笑う。
「ふふ、ご心配には及びませんよ」
そのくすぐったそうな微笑みは、まるで人間そのものだ。
いつからピアリスはこんな風に笑ってたんだっけな……。
「長尾さんは、お休みの際に私の端末をベッドの上に置いておいてくだされば、睡眠中の脳波、脈拍、呼吸音、寝返り頻度、いびき等から睡眠の状態を記録しておきます」
「分かった。よろしく頼むよ」
「かしこまりました」
ポンとなった通知音に俺はスマホを手にとる。
リボルバーから? 珍しいな。
俺やゼンがスマホに入れているロボワの管理用アプリでは、ロボワ内の所持品を見たり、トレードやオークションに出品・購入したり、メッセージをやり取りしたりと、概ね戦闘と整備・強化以外のほとんどができる。
メールを開こうとして、俺はピアリスの視線を感じた。
「ああ悪い、待たせてたな。メディカルチェックを頼むよ」
メールは後から確認するか。
俺がスマホを机に置くと、ピアリスがメディカルチェックを始める。
その声はいつもよりも少し弾んでいるような気がした。
***
夕食は、久々にピアリスと食べた。
今まではピアリスの勤務時間内の昼食だけ、俺の食事に付き合ってもらっていたが、9時17時以外でもいいと聞いて俺が提案した。
船では3食ピアリスと一緒だったからか、どうも1人きりで食べる食事が味気なく思えて、朝夕はあんまり食が進まなかったんだよな。
とはいえ、毎日が乾パンと水だった頃とは摂取できるカロリーが違うからな。
俺みたいにコンビニ以外行かないような引きこもり生活では、あんま食べ過ぎても困るわけだが……。
俺は膨らんだ胃を撫でてからゴーグルをかぶる。
ちょい食べすぎちまったな。
さて、リボルバーは何つってんのかな。
ロボワにログインした途端、ポンともう一通メッセージが届いた。
ん? これもリボルバーか。
なになに? 『ゴールドランクに上がったぞ』……って短いな。それだけか。
その前はなんて書いてあるんだ?
『シルバーランクに上がったぞ』……そうか、よかったな。
何だこれ、なんでランクが上がるたびに俺に報告してんだよ。
そこへポンと音がする。今度は誰だ? アサギか。
『お疲れ様です。クマさんはもうPvPへは行きましたか? 僕は今シルバーランクのCです。クマさんとも対決できたら嬉しいです』
って、お前も俺に報告してくるのか。
俺は苦笑を浮かべつつ、2人にそれぞれ返す。
リボルバーには『俺も今ゴールドに上がったとこだ』と。
アサギには『俺はゴールドに上がったとこだよ、リボルバーに当たるのが怖いな』と。
リボルバーの方は、返事が来るとしたら多分プラチナに上がった時だろうけどな。
なんて思っていると、ポンとアサギから返事が返ってきた。
『どうしてクマさんが、リボルバーがゴールドにいるってご存知なんですか?』
続けてもう一通届く。
『僕は知りませんでした』
……マジか。
おいリボルバー!!
まずは彼氏に先に報告してやれよ!!
てっきりアサギは知ってるものと思って送っちまっただろ!?
あああああああああもう色恋のゴタゴタはマジで勘弁してくれ!!!
ポンという通知音に、俺は抱え込んだ頭をおそるおそる上げる。
『すみません。僕のとこにも今報告がきました』
よ、よかった……。
『僕より、クマさんの方が先なんですね……』
よくねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
俺はとにかく必死でリボルバーにメッセージを送った。
『今後は必ず俺より先に、アサギにメッセージを送ってやってくれ』と。
リボルバーは意外にも、すぐ返事を送ってきた。
『面倒な男が迷惑をかけたか、すまんな』と。
何だこいつ、ちゃんと分かってるんだな。
と、ほっとしたのも束の間、いや、分かってるなら分かってるらしく、もうちょい大事にしてやれよ。という気持ちが込み上げてくる。
そもそも、何で俺ばっかりいつもこんなのに巻き込まれるんだよ。
頼むからもう俺を挟まずやってくれよ!
俺は、抱えた苛立ちをそのままに、PvPに向かった。
***
ゴールドランクのステージは市街地、雪原、水中の3つからランダムで選ばれる。
俺のゴールドランク最初のステージは市街地だった。
ステージ自体は広いが、やり方としては村のステージに近い、隠れて索敵しつつ倒すタイプのステージだ。
雪原ステージは吹雪で視界が悪くなったり、雪に足を取られたり、凍った足場で滑ったりするので逆関節機には厳しい。
逆に水中ステージは逆関節機向きだな。
そういった意味で、市街地ステージは、ゴールドランクの中ではどの機体もが平等に実力を発揮しやすいステージだ。
だというのに、俺の機体の損傷度は開始5分ですでに60%を超えていた。
相手はとにかく素早く、俺は機影を捉えきれない。
くそっ、レーダーでは追えてるのに、目が追いつかないってどんだけだよ!
足元ばかりを正確に撃ってくるのは、逆関節機は脚部が一番弱いと分かっているからか。
チッ、とりあえず不格好にはなるが、脚の装甲を厚くするしかねーな。
俺は周囲にスタン弾を撒き散らすと同時に高く飛び上がった。
ついてくるなよ……!
あの素早さからして相手の機体も逆関節機だ。
一緒に飛び上がられたら、ただのマトになるだけだ。
よし、スタンしてるな!
眼下で動きを止める敵機をようやく視認する。
黒ベースの流線形の機体には紫色のラインが入っている。
へえ、あんな機体と装備だったのか。
ペイントも全装備で統一されて、スタイリッシュでカッコイイな……。
っと、見惚れてる場合じゃないぞ、今のうちにっっ!
俺はスタン弾を追加で撃ち込むと、空中でガチャガチャと脚部パーツを換装する。
よし、これでかなり損傷率は戻せたな。
俺は降下しながらスパナを仕舞うと、刺胞弾を放つ。
毒が入った!
うお、あの肩のステッカーは移動速度アップじゃないか!
しっかり3枚貼ってるってことは、あの超難易度の回転寿司ステージを3度もクリアしたのか!?
まずいな、これは完全に格上の相手だ……。
ゴールドランクにいるような奴じゃない。
たまたま通過する時に当たっちまったのか。
俺は相変わらず運がないな。
……だからといって、素直に負けてやる気はないけどな!
俺は自分にバフを掛け直すと、操縦桿を強く握る。
その時、敵機の男が口を開いた。
「へえ、キミ面白いことするね?」




