1章 第5話 「アリソンは本当に正真正銘の〇〇でした」
拓巳とアリソンは鍵を開け、部屋に入った。
といかにも女の子らしいピンクのしましまの内装でぬいぐるみとコースターとソファーはある、そんでベッドは…
枕が1つというところか…まあ個人部屋だからそこまで騒ぐ必要もねぇかあのときにバカ見てぇに討論しまくっていたのは後悔した。
「お茶、出しておきますのでソファーに座ってください」
「おうわりぃな」
ーなんかぁ異世界にしてはずいぶん程遠い内容のストーリーな気がするのは気のせいかなぁこれ…いきなり女の子の部屋に泊まるなんてどんだけ誘惑させる気だろうよ
「はい、お夕食まで少し時間がかかると思うのでこれをどうぞお召し上がりください」
「おう牛乳か腹減ってから困っていたんだ、サンキューな」
「えへへどういたしまして」
拓巳は腹が減ってたのと喉が乾いていたため牛乳を一気にどくどくと飲んだ。
マジでこれはうまい!これは近くの牧場取り立ての濃厚か!めっちゃうまかったのである。
昔牛乳自体好きではなかったがこんなにも美味しく美味しくたまらなくやめられないのだ…そんなのは長く続かない、するとアリソンは棚を開け、白タイツを脱ぎ始めスカートとナース服を脱いだその姿を見てしまったのだ…1枚…2枚…そしてパンティー…おいおいおいおい!
思わずあまりの驚きの行動に目がでかくなって喉むせて…『うぐっうぐっ』と息をつまらせ床に苦しく寝転んでしまったのだ。
彼女は「どうしたのですか!なにか異物を入ってたんですか?」っと焦っていた、のと勘違いされている。
そうなんで詰まったかというと、服を脱ぐ…それも男の前で堂々と着替えをして思わずびっくりしたのだからだ、まさかのあれなのかと目を丸くなっていた。
ーあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかん…アリソン…近い近い…しかも…目の前にパットが…こいつ誘ってんのかマジで…そうはさせるか・・・
・・・はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ
「…もう大丈夫だ」
結局拓巳は…廊下で着替えを終わるまで寄りかかり待つことになる羽目になった。
あれから…どうしたのかって?ああめちゃくちゃだよ。
「どうしたんですか?そんなに私の着替えを見ていて何か気になることがあったんですか?」
「何があったかじゃねぇよ!俺がいて自分の体を見られて恥ずかしいと思わないんですか!?」
「えっ…?別にとくにそう気にならないと思わないのだけど、何にそんなにお気になされたんですか?」
…駄目だこりゃ出たほうが早いやつだ。
「んじゃちょっと俺外で空気吸っていくわ」
「窓があるのですからそこでも」
がたんっとすぐに閉じてココを去っていくことした。
ーなんてあって、唯一しっかり者であろうと思ったアリソンがまさかな…色々残念だ…
だがあの人はなんで俺の前で着替えたかというと一つわかったことがある。
それは、世間知らずである、いわゆる聖女系キャラだとそう勝手に思ったのだ…
その根拠はまず白い服装が目立つ、初めてあってから常にニコニコして表情も怒ることもねぇし、ゼスらの下ネタを散々言ってもそれを気にせず平気にと笑っていたのだからきっとそうに間違いないと思った、
…だがあと一歩遅ければ本当に捕まって人生オワタになるとこだったのは恐怖に感じる。
ーアスリーに「やっぱ狙ってたんだね!このロリコンをぶっ飛ばす!」
ーゼスに「貴様に性の罪を裁く」
ーハリーに「やっぱおめぇもスケベじゃねぇかこのクソ野郎」
ー愛菜に「お、お前ロリコンなのか!マジ引く!私に近寄らないで」
あれ?なんで関係ないはずの愛菜が思い浮かぶんだ?どうしてどうしてだ!あああ脳が震える!震える!
その中で愛菜だけこんなにも頭に残るんだ!
ーた~~く~~み~~ん!ろ~~り~~す~~け~~べ~!私を差し置いてロリコンタイムですかぁ~!?
なんともゲスい顔ゲスい顔で見るなぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!頭が頭が頭がなんで愛菜が出てくるんだあったこともねぇくせになんで絞られるんだ!
ーお前はもうこれでお別れだね、散々だよ、まさかのロリとやっていたとは
ドアからメイド服の姿に変わったアリソンが出てきた。
服装はよくある黒い衣装もそうだが、アリソンはどちらかといえば白い部分が目立つ服装だった。
「あのー!?お着替え終わってそろそろお風呂に入ってきますけどどうしま…」
「なんだ…」
「どうしたんですか?急に体操座りをして…」
「ーー」
「しかも体が冷えてる…なにか具合でも悪いんですか?風を引きますよ」
いつも間に空気を吸ってたら体が冷えてた、それも体力的でもなければ心が凍ってきてるのだからだろうか?なんでこんなくだらんことで落ち込んでのにそれを甘えているというのは本当に馬鹿だ。
「ごめん…ちょっとほっといてくれ」
「どうしたの?そんなに私の体を見て不快でも思ったのでしょうか?」
「別にそうじゃねぇんだ…とにかく俺は今一人になりたい」
「それなら良いんですけど、とりあえず私はお風呂に入ってきますので…悩みがあるならちゃんと言ってくださいね…」
あの娘はそうも世間知らずを除けばとても立派でいい子だ、それなのに俺のことを嫌な顔も感じもしない、立派な子になるはずなのにそんなことしたら…俺はその娘に何か悪気をしたと思うまじで思う。
今にも体が震え脳も震え
…するとなぜかアリソンは彼に対して耳元に魔法の呪文的な言葉を打ち出した。
「ちゃんと誰にでも罪を犯したことはあります、きっとあなたにも1つか2つかは後悔したことを思い出すのは悪いことではありません」
彼女はそう言って浴室に向かっていった…今の言葉で少し元気は出た気がする、まるで魔法の声のように俺のメンタルは落ち着くほどまで抑えていき、改めて顔をあげて部屋の中に戻ることにした。
ソファーに座って、作戦を考えて絞り出すことにしたいのだが…誰かがノックの音で『おーいアリソンいるかぁ?』っとその声は『ハリー』だ。
「アリソンは風呂に行っている、俺が変わりおるけど」
「邪魔する、あん?なんだ性欲なし客かよ」
「その名で名乗るのは差別定義だからやめておけよ、まるで俺が人間じゃないみたいじゃんでムカつくから」
「おうわりぃ、お前この世界にしてずいぶん珍しく性に興味のない男子だからよ、ちょっと変わっていると思っただけでな」
「別に下に興味がないわけではねぇけど、まあ俺は女にあんまし関わるの得意ではないからなぁ」
「ほぉうそうなのか?」
「そんで何のようだ?というか謹慎とかこんなことして平気なのか?」
「大丈夫だ、割とそこまでアスリー様は細かな動きにはうるさくねぇ人だから少しくらい出ても平気平気、それにしてもアリソンは今日もマジ天使だったな」
「まあ確かに…そうだな」
「なんだ?お前ずいぶん裏を見たような顔をして…ひょっとして部屋の中で裸を見てたっ」
拓巳はハリーを思い切り見事に股に狙いあったキングをし殴り飛ばした、それでまた…ちーん状態に気絶に倒れた
「とにかく冷やかしをするなら出ていって、俺は一人にしたいんだから」
「まあそういうなよ、男同士でしかできない話でもしようぜ」
「はあ…全くしょうがねぇな」
拓巳はため息で否定だ、それもわかっているのだから。
嬉しそうにハリーは堂々と勝手に人様のソファーに座り込んだ、全くのマナーやデリカシーもねぇやろうなやつにも色々知っておいても損はないから。
「なぁ・・・今日客室が取れなくてアリソンの部屋に泊まることになったのかお前」
「なんでお前がそんなこと知っているんだ…まあたまたまだから仕方ないのは仕方ないけれど」
するとハリーは匂いを嗅ぎ始め、何かを探っていたのだ。
するとハリーは手を伸ばした。
「おい、チョコレート今持ってねぇか?今すぐ興奮を抑えるために食いたいんだが」
声デケェよ…あいつみたいに…いやこいつの場合溶かすほど暑うざいだな。
拓巳は顔を引いた感じで否定に答える。
「んなもん持ってるわけない、というかここは飲み物以外飲食禁止と張り紙が書かれてるぞ」
「もう本当に釣れねぇなお前とこの屋敷は…まあいいや、アリソンの話でもしようかな今回」
暇人のようなポーズでまたアリソンの話を話題に出す…どうせろくでもねぇ話だろ。
周りからセクハラとか訴えたくねぇからあまり聞きたくもない…と否定心を強く顔に出していた。
「アリソン?どうせまたそのでかい胸とか真っ白の肌とかの話だろそれ」
「違う違う、アリソンのそのエッチ部分とかじゃなくてその過去、お前は知らないだろ?」
アリソンがこの時点でわかっていることすれば聖女みたいな人物像でナースというファンタジーで例えると回復役の重要な役割でもあるのだろうとそのくらい、アリソンの過去はぜひとも聞きたいほど深そうな内容だ。
「一口かじった程度しか知らん、知っているとすればそれも元聖女だろその性格からして」
「おめぇずいぶん察しが良すぎだろ、そうだそのとおりだ、あいつは元聖女だ」
「ーー」
やはりそうだと思っていた、てかマジもんじゃんと目を丸くなるほど驚いた。
アリソンは怒らない、やさしい、天使の3点セット。
ハリーはどうしてあまり知らされることもないはずの聖女を知っているのだろうか?
「よく聞いてくれ、これは紛れもなくマジの話だ」
ごくり…汗を流しそうなくらいの慎重に聞く、「おう」ととりあえずこれしか言うことができない、ひょっとしたら貴重な話だ。
「あいつはもともとこの世界でかつてあった世界で1番綺麗な滝の教会、『アリス』の聖女だった、その場所はここからずいぶん東に1000キロ以上にあった、基本川の水は消毒とかしないと飲んではいけないがこのアリスの付近の川は鮮度が綺麗で女神様がいると伝えられていることから、そのままでも飲めることができた」
彼の想像を頭の中はシルエットに川の水を飲んでいた、堂々と川の水を思い切りという想像で。
そこに映っていたのはエメラルド色の湖で水色の滝がざわざわといつにたっても底をつかない透明な水であったのだ。
「だがこの滝の水は人々たちが綺麗だと知って飲みすぎたりなどすると枯渇する心配性がある、だから守るために600年前くらいから教会を作り上げた、アリスはそのとおり女性の名前だ。作り上げたのも女性、アリスは生まれたときからは白髪であると知られている。」
映り込むその娘は『アリス』のイメージ、白い髪に白ワンピで顔はわからんからアリソンの顔に似た顔だろうと勝手に想像、それも先代からずっとずっと何が何でも水の女神様がいると信じ、汚したり近寄らないように色々していた、それも長く…
「アリソンはそのアリスの血を引き継いだ最後の聖女であったのだ、昔から育ちからしてその性格のままらしいという」
あの年齢からすればもう反抗期なはずだが…どうもあいつよりかは精神上大人なのかガキなのかよくわからねぇ、だがどうも育ちは胸だけは立派だった。
「ところが3年くらい前、アリスの教会に危機が現れる、今まで通り平和にきれいな滝を守り抜いたのだがそれが終焉になってしまう出来事があった、それはアンデット種と暗黒組がその滝を人々に襲いかかってきた、それも聞いた感じだとめちゃくちゃ火が広まっていたのだか、更にアンデット種の特有の猛烈な毒と暗黒組のその呪いで女神様はあっさりと死んでしまい、女神様のその光が消え水が枯渇してしまった、あたりは緑潤いだった場所がいつも間に廃荒れたサバンナへと変わってしまった」
アンデット種…あいつらこんなに感染度高いのか、しかも宗教を1つ潰すくらいの恐ろしい力…
それに暗黒組…まるで血まみれたテロ集団みてぇな胸糞な集団だろう…でもどのくらいの人数だろうか?
俺はアリソンの過去に絶望を呑み込んで「な、なんだと…」とあの笑顔にあの白い天使のような感じの子が絶望をもらっていくと許せないと…
「教会で多くの信者が呪いや猛毒で亡くなった、あのあと残った信者とともにおじさんがなんとかここまで引っ張っていたのだがそれも信者はみんな死んでしまった、今このアリス教が残っているのはこのアリソンだけ…別に変態の意味ではねぇがこの独特の甘い匂いのせいなのか今もその聖女としての機能感があるんじゃないかと俺は疑っていたりする」
…あの感じのさっきの廊下での言葉、まさに浄化されたかのような魔法の呪文だったあれは…いや浄化された、あれは人の気持ちを落ち着かせるすごい効果が強い能力である感じだった。
「ちなみに余談なんだが、おじさんはその事件がきっかけなのか不明だが、その時から片をつけると言ってあれ以来帰ってきていない、だが俺がそのおじさんが関わっている可能性がゼロじゃないと疑っている」
ハリーが謎の多いアリソンが知らぜざる内容は関係者だとそう言葉に伝えたものだった
「そういうことでこれが彼女の過去話、本当はおじさんからそのことを言うなとか言われていたのだがお前なら知らないし知っても口が悪い意味で硬いから伝えた」
…聞いた感じだとそのとおりだと俺も思う、だがそもそもあいつは何をしたのか全くも読めねぇ…顔が似てるとかまるで分身の術が使ったかのように他の人に罪をなすりつけそうな気持ち悪さだ。
アリソンよりも顔似せおじさんの謎が余計に深まる謎に調査をしたくなったもんだ。
ー時間は過ぎ、もうとうの本人が浴場から帰ってきた。
帰ってきてからのその顔は
「只今帰りました、拓巳様!」
変わらず笑顔にままで戻ってきたのだ。
「おうもう帰ってきたのかアリソン」
「お体は…良かったぁ~体が温まってきてます、これなら激しく動いても大丈夫だと思います」
ー今ので「おい」っとしか言葉に出せない、なんだこれ感動とツッコミギャグの差をどうすればええ!
「ちょっとまて…それなんか人によって別の意味で危険な言葉になるんだけど…」
拓巳はアリソンの顔をそむけて突っ込んだ…しかも今の発言人から聞こえれば18禁だよ18禁!
でも逆に言えばあいつは知らねぇことが多すぎるしかないからしょうがない。
おでこに手をやさしくぬくもりを感じさせたように俺を励ましてくれたのは正直と言って十分すぎるほどうれしい、だから俺は…
覚悟を決めた…
「大丈夫だバカになるほど元気だそやつは、なにせアリソンの話をしたら膨らんでいたのだから」
だがその前に余計な邪魔が一人…今の発言は汚すぎる問題なんで弱点にアタックで始末で!
アタックした場所は紛れもなく痛いところにやられハリー死にかけ寸前に倒れ込んだ。
「あら、ハリーさんも遊びに来たのですね、ってそれよりも謹慎とかは良いのです?」
ーそれに気絶してますね…ほっといてもいいのでしょうか?
俺はその言葉を聞いたのをきっかけに一つの芽を決断を打ち出すことに覚悟を決めた。
だから…
俺は名前を呼んだその娘を「アリソン」とはっきりと言った。
ーしっかりとあの娘の真っ白の心を誰も守るやつがいなければ…俺が作ればいい!たとえ愛などでもなくともアリソンは幸せの人生…を1秒とも長くそれ保護をしたいのだから。
俺はあの娘の手をしっかりと握りしめておかなくては!
「えっ、はい急にどうなされたんですか、さっきから気が変わったような顔をしていたので何かあったのかと」
「そうじゃねぇんだ、お前は色々人々たちの笑顔で幸せにしてくれた、だから俺はお前の聖なる天使の笑顔を見続けたい、あれほど迷惑をかけてばっかだったがもう大丈夫だ、これからは俺に頼ってくれ」
「はい、私は拓巳様の幸せであればそれで幸せです、私も拓巳様、そして弱い立場を守るのが私のお仕事でもありますから、えっとぉ…さっきからすごい真顔でいるのだけれども何かあったんですか?」
…いててっ、と弱点な場所を抑えながらと真っ直ぐに何もなかったかのようにツッコミを入れてきた。
「お嬢ちゃん、そいつは今が健全な状態だから心配しなくてええ、やるときはやる男だからな」
「そ、そうなんですか?」
「別にそういうつもりで熱くねぇけど、まあとりあえずココの世界のことは理解ができたと言ったほうがわかりやすいか」
「んじゃ…俺はここでさらばするせいぜい頑張れよお前…」
これで立ち去り終わりかと思いきや、俺の方にもう一度振り向いてきた。
ー最後に一つおめぇに伝えておく。
「これからどうするか?と明日まで決めておいたほうがいいぜ」
「どういうつもりだ?」
なんだいきなり急に人生の選択みてぇな言い方しよって、どこまでも広いのやらこの世界…職業選択とかよりかは迷わないけど…
「アスリー様がここを出るときになんかお前のことでなんか騎士とかどーうとか勇者になるとかで色々ぶつぶつと言っていたから、お前のこと相当気に入ってんだよあいつは」
「つまりは残るか出ていくかのどっちかの選択肢って言いたいのかそれ」
「察しが良すぎて説明がもはや不要だ、そのとおり!ここを出ていくか残るかのどっちかの選択肢になる、時間は明日の10時までに告白すると良い」
…もはや自由の選択はこの2つに絞られたと事実上そう思っていたほうがいい、だが最初から泊まる?と言われたのはこのことが駄目でわかっていてもそう実行に移っていたかもしれねぇと思った。
「選択はお前の自由だ、偉そうに俺が言うのもあれだが騎士とするなら死ぬ覚悟はしておけよ」
「おうそれは一応礼を言う」
…こういってハリーは部屋を出ていったのだのだが
「最後に…チョコレートはありますか?」
「イヤだからなんでそこにこだわる!マヨラーかよ」
「チョコレートならないですけど、材料で今からお出ししますよ」
「えっ…いいのか!」
ーなんだかんだ夜までハリーはアリソンの部屋に滞在し続けていたのだった。