そこだけ忠実
「さっむ、、、」
早朝。
歯をガタガタさせながら目覚める、私。
「ねっむ・・・」
結局、炎の魔法は使わなかった。
(嫌な予感したからね!!大体想像つくし?!)
「え・・・」
(めっちゃ、びしょびしょなんだけど!!!!)
辺り一面、ずぶ濡れ。
「さむっ・・・」
(えっ、待って・・・)
「え・・・なんで・・・」
(なんで、そこだけ忠実なわけ!?ドライアイスとかでよくない?!炎が凍るガバガバ設定なのに、なんでそこだけ忠実なわけ!?おかしくない!?)
「最悪だよもう・・・」
びしょ濡れになった魔術書。
「うわぁ・・・」
思い出す、辛い過去。
小学校。
豪雨。
正面玄関。
「ねぇ、陰野ちゃん、傘入る?」
「う、ううん。わたし、濡れるの好きなの!」
自宅で開くランドセル。
びしょ濡れになった教科書。
(マジで一緒だ・・・)
「あれ・・・」
(濡れるの好きってなんだよ!!スプ◯ッシュ・マウン◯ン大好き少年か!?)
「・・・」
(いや、スプラッ◯ュマウ◯テン大好き少年って何?縄跳び大好き少年のいとこかな?!)
寒さに凍えながら
床を拭く、私。
その姿は、まるでシンデレラ。
(シンデレラはオッケーなの!?シンデ◯ラじゃなくていいの!?)
「シンデレラは・・・童話だから・・・著作権とか・・・切れてるから・・・」
外の井戸からささやき声がする。
「え・・・?」
(うんちく語る系の貞◯?!)
井戸の蓋が開いていることに気づく私。
「閉めないと・・・」
恐る恐る井戸に近づく私。
「ビュンビュン、ビュンビュン」
奥から音が聞こえる。
耳を澄ます。
「え・・・」
(こいつ、、、インベーダーゲームしてる?!井戸の中で?!幽霊が宇宙人と戦うゲームしてる!?どんな世界観なの?!)
私は井戸の蓋をそっと閉じる。
「・・・」
井戸には、二度と近づかない。
私はそう誓った。
「ビュンビュン、ビュンビュン、ピッ、ビュンビュン、ピッ、ピリリリリリ」
「え・・・」
耳を澄ます。
「インベーダーゲームしながら、たま◯っち?!)
(井戸ならではの独特なマルチタスク!)
「どんだけ暇なのよ・・・」
井戸を離れる私。
(いや、私も大概暇だろ!!!)




