巨大化
「えぇえええ!?」
(え、ちょっと待って!?こんなん聞いてないんだけど!!)
魔女の小屋をぶち壊すほど
巨大化していく私。
「えぇ!?」
とうとう山の木々をも超えた。
「キャーーーー!」
遠くの方から人々の悲鳴が聞こえる。
人々の視線、注目、圧。
「ギュルギュルギュル〜〜」
緊張のあまり胃腸が鳴ってしまう私。
「食われるぞー!!逃げろー!!」
逃げ惑う人々。
「いや、違うんです!」
(進◯の巨人じゃないよ私?!食べないから!人間とか食べないから!)
「大丈夫です!私、少食ですから!」
(何か誤解される言い方じゃん!?私、人間食べるみたいになってるじゃん!?)
「出たな、巨人」
足元に人間の姿。
「え・・・誰ですか・・・?」
「俺の名を言ってみろ・・・」
「え・・・」
(めっちゃ嫌な予感するんだけど!?)
「俺の名を言ってみろ!!!」
「まさか・・・」
(胸になんか、7つの★がある!!まさか!?)
「俺の名を言ってみろ!!!」
「えっと・・・ケン・・・シ」
「違うだろぉおおおおお!!!」
「え!?いやいや・・・」
(破れた黒ジャケット、日本人離れした肉体と眉毛)
「俺の名を言ってみろ!!!!」
「え・・・」
(いや、そうじゃん・・・胸に7つの★・・・上から2個、3個、2個・・・)
「え・・・」
(もしかして、七星◯!?七◯球なの!?チーシンチュ◯じゃん!?え、よく見たら肌オレンジ色じゃん!?)
「俺の名を言ってみろ!!!」
「チ◯シンチュウ・・・?」
ドドドドッ!!
空から稲光。
「誰だ・・・オラを呼んだのは・・・」
足元に緑色の龍が現れた。
睨み合う、緑の龍とオレンジの男。
「俺の名を言ってみろ!!!」
「オラ、知らないゾ!!こんなオレンジ色したおじさん。人の嫌な部分を連続で百回突いてきそうな、性格の悪いおじさんのことなんか、知らないゾ!」
(めっちゃ知ってんじゃん?!的確に当ててんじゃん!?)
「まず、おじさん。オラの名を言ってみろ!!」
「野原しぇんろすけ・・・」
思わず口に出してしまう私。
「えぇ!?」
緑色の龍が見上げる、巨大化した私。
「オレンジのおじさん、、、オラ達やばいゾ・・・」
「だな・・・ここは一旦共闘といこうか」
戦闘態勢に入るオレンジのおじさんと
パチモンの緑龍。
「え・・・」
(何で戦う気満々なわけ!?意味分かんないんだけど!?さっきまで争ってたじゃん!?ライバルと急に共闘するくだり、通用するの男社会だけだからね!?女はそんなんないから!?敵はずっと敵だからね!?)
「プシューーーーーーー!!!」
「え・・・」
(立体◯動装置で戦うの!?そこはマガ◯ンなの?!都合良くない?!)
「チーシンチ◯ウ!!裏へ回れ!!」
「了解!!」
「プシューーーーーー!!!」
「え・・・」
(口調も◯撃じゃん!!それは反則じゃん!?てか、チーシン◯ュウって呼ぶなよ!!てか、球が巨人と戦うな!!)
「プシューーーーー!!!」
「しぇんろ」「プシューーーーーー!」「だ!!」
「チーシン」「プシューーーーー!」「そこだ!!」
「ちがう、そこは」「プシューーーーーー!!」「だ!!」
「え・・・」
(うるさくない!?意外と立体機動◯置の稼働音うるさくない!?パチ屋の店員のインカムみたいになってんじゃん!!)
その日、私は思い出した。
パチ屋に侵されていた生活を。
遊技台の中に囚われていた屈辱を。




