……何か、反応が薄いわね
新しい仲間が……
アジトの地下から囚われた人達が居た。
「どうするの?」
「国王に丸投げするしかないだろう」
「……そうよね」
そんな訳で、何らかの実験に使われていた人達を、後詰めで控えていた騎士達にお願いした。
しかし、翌々日に俺達は王城に呼ばれた。
「……え? 生存者1名!?」
「宮廷魔術士達が必死にやっているが、位階が足りぬのか、現状維持がやっとなのだ」
位階とは、魔法に存在する階級の事だ。
特に、攻撃魔法以外には歴然としている。
「分かりました」
筆頭宮廷魔術士に頭を下げられては引き受けるしかない。
魔法誓約書で誓って貰い、俺は魔法を放つ。
「……状態異常全除去」
「おお! 顔色が良くなったぞ!」
「……完全治癒」
最後の生き残りは、バイオハザードに出れる全身包帯だったが、包帯から覗く顔は美少女だった。
「……完全治癒まで使えるとはな」
「約束ですよ」
「分かっている。 そもそも、魔法誓約書で誓ったのだから、誰かに漏らし様が無い」
因みに、秘密の呼び出しの報酬は、筆頭宮廷魔術士秘蔵の魔道書だ。
これで、俺が常識外れの攻撃魔法を放っても言い訳が出来る。
更に3日後に、今度は国王に呼び出された。
「今回、来て貰ったのは他でもない。
魔人族共のアジトから救出された者についてなのだが、身元が分かった」
「それで?」
「勿論、身元を証明する物は無かったのだが、本人の証言で判明した」
つまり、関係者しか知らない様な情報を持っていたという事だな。
「それで、彼女は何者だ?」
「国を1つ挟んだ北方の軍事国『アトラザード王国』の第九位のエレオノール王女だ」
「……!?」
「気持ちは分かる。 儂も同じ気持ちだ」
「何故、あの軍事国の王女が?」
軍事国アトラザードは、軍事力……つまり騎士育成に力を入れている王国で、間違いなく周辺国家最強を誇る。
しかし、アトラザード王国の直ぐ南に存在する皇国「アーウルム」のお陰で、南方に向かって進軍する事は無いらしい。
その代わりに、アトラザード王国より北方の国は、ほぼ侵略されて属国になっているらしいが……
それで、何故、そんな王女様があんな事になっていたかというと、流石に第九位ともなると、国王の血を持つと言えども平民と変わらず、冒険者をしていたみたいだ。
「それで、俺達が呼ばれたのは?」
「本人から聞け」
国王が、そう言って呼び鈴を鳴らすと、約1分後に1人の美少女が入ってきた。
「初めまして。 私は、アトラザード王国第九王女のエレオノール=ドラド=アトラザードです」
「冒険者のジークだ」
「仲間のクリスよ」
「同じくサラだよ」
「同じくカレンであります!」
「同じくリンです」
「それで、俺達を呼んだ理由は?」
「はい。 私を仲間に入れてください!」
「俺達の仲間に?」
「ええ。 実は、聞こえていたんです。
私を救けてくれたのは貴方だと!」
俺は国王を見る。
「……結果を出したとして、不問にする」
良かったな、筆頭宮廷魔術士!
「お願いします!」
クリスやリン達を見ると頷いた。
「分かった。 仮で良かったら」
「ありがとうございます!」
その後、少しモジモジして言った。
「救けてくれて、ありがとう」
「もう良いよ。 それより名前をどうする?
エレオノールだと色々とマズいし……」
「エリーって呼んで!」
「分かった、エリー」
「よろしくね、エリー」
「よろしく、エリー」
「よろしくであります、エリー」
「よろしくです、エリー」
それで、エリーが出来る事を聞いたら、完全な後衛型で魔力量もそれなりだった。
しかも、使えない属性は雷属性だけで、それ以外は得手不得手無しで使える。
「……どうかしら?」
「凄いわね」
「凄いよね」
「凄いであります」
「凄いですね」
「……何か、反応が薄いわね」
「そりゃあ……」
「「「「ねぇ!」」」」
「何故、俺を見る?」
「ジーク、やっちゃって」
「……分かった」
第4位階魔法までの魔法を教科書みたいに放った……無詠唱で!
更に、軽く合成魔法の火炎竜巻を放ったり、オリジナルの雷撃弾も披露した。
「締めの一撃だ……烈光轟雷!」
……耳をつんざく轟音が周りに鳴り響く。
「じ、ジークさん!?」
「仮にも仲間になったんだ。 ジークで良いよ」
「それなら。 ジーク、今のは?」
「俺のオリジナルで、第7位階相当の魔法だ」
「……そうよね。 第5位階魔法の完全治癒を詠唱破棄で使えるものね」
……詠唱が必要な切り札を持っているけど、黙っておこう。
こうして仮ではあるが、エリーが俺達の仲間になった。
「……ウソでしょ!」
俺が辺境伯の次期後継者だと知った時のエリーの台詞だ。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
俺は、エリーに対してアイアンクローを振る舞ってやった。
そして、俺達の武具の改良を思い付いたカレンが、工房に籠もった。
……2日後にカレンが工房から出た。
「改良と言うのは言い過ぎになるのでありますが、防具に魔石を使って各状態異常を防ぐ付与をしたであります!」
「それは良い! ありがとう、カレン」
俺は、カレンの頭を撫で撫でした。
「……えへへであります!」
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