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………え、俺!?

あれだけいれば……ねぇ。

 


 普通の王道系主人公なら、色々と行動を開始しただろうが、俺は悪目立ちする訳にはいかないから、大人しくしている。


 ……と、いっても何もしない訳にはいかないだろうから、暗視の魔法を自分に発動しておく。

 勿論、クリスにも暗視の魔法を掛けておく。


 ……アレだな。


 暗闇に乗じて、魔人族らしき者達が国王達に襲い掛かろうとしている。

 俺は超高密度な風矢ウィンドアローを放ち、魔人族らしき者達の四肢を撃ち抜く。


「「「「……ぎっ」」」」


 あ、まだ動けるみたいだから、超高密度な風矢ウィンドアローをおかわりした。


「「「「……がぁ」」」」


 今度は、肩や肘や膝に集中砲火したから動けない筈だ。

 因みに、何時もの雷撃弾ライトニングバレットを使わないのは、暗闇だと雷光の軌跡が残るからで、誰が放ったかが分かってしまう。

 結局は、言いがかりをする奴らはいるだろうが、そんな奴らに「自作自演だろう」とは言われたくない。


 そして、灯りが復旧すると魔人族らしき者達が居た事が分かり、周りが騒ぎ出した。

 近衛騎士達が拘束する中、何人かの貴族が悔しそうに顔をしかめていた。


「些細な邪魔が入ったが楽しんでくれ」


 この後、王家の体面を保つ為に続行されたが静かだった。


 ……まあ、内緒話的な会話は入り乱れていたよ。


 そして、パーティーが終わると、俺達は親父とアルセリアさん込みで別室に呼ばれた。


「我々の目は節穴ではないぞ」


 あれ、バレた?


「ラグから色々と聞いているぞ。

 それに2度に渡る竜族討伐者ドラゴンスレイヤーの名前を忘れる訳が無いからな」


 ……ラグ?


「ジークハルトよ。 国王陛下がまだ王子の頃から、弟の様に接して頂いていたのだ」

「ラグよ。 非公式の場で、堅苦しい言葉を使うな」

「……分かったよ、アーロン先輩」

「お久し振りです、アーロン先輩」

「アルセリアも久しいな。

 さて、お前達を呼んだのは他でもない。

 拘束した魔人族共についてだ」


 ……やっぱり。


「まだ取調べ中ゆえに詳細は分からぬが、どうやら我が国の貴族が関わっているみたいなのだ。

 そして、魔人族の大群が押し寄せてくる……と」

「「「「……」」」」

「そこで、ジークハルト!」


 ………え、俺!?


「ラグから聞いたぞ。 近接戦闘だけではなく、魔法戦闘も凄まじいみたいだな。

 そこで、ジークハルトには魔人族の大群との戦闘に参加して欲しいのだ」


 親父を見ると頷いていた。

 つまり、受けろ……か。


「分かりました」

「それは良かった」

「ただ」

「ただ?」

「ジークハルト!」

「良い。 許す」

「ありがとうございます、国王陛下」

「良いから話せ」

「はい。 ただ、私達が上げた功績を公表せずに、

 対応した全員の功績にして頂きたい」

「……それで良いのか?」

「はい。 私は根も葉もない悪評に晒されていましたが、父上達やヴィルナーグ公爵様のお力添えをして頂いたお陰で下火になりましたが、まだ油断は出来ません。

 そんな時に……」

「分かった。 皆まで言うな。

 ジークハルト達の功績は、秘するものとする」

「ありがとうございます」

「それでだ。 魔人族の大群が何時来るのか分からない以上は、しばらくは王都に居る様に」

「御意」

「堅苦しい話は終わった。

 ラグ。 ランフィリアに戻ってからは、どうだ?」

「そうですね……」


 この後は、身分を忘れた会話が始まった。


 翌日からは、カレンは工房に籠もり俺達の武具等の改良に付いて思案中になり。

 サラはポーション作製の技術向上を目指した。

 リンは、親父と一緒に魔人族に関するあらゆる情報を集め始めた。

 因みに、魔人族という種族は、外見は竜族みたいな翼と角を持つ人族な感じで、能力は近接・遠距離の両方をこなすが、魔法攻撃の方が得意で、人族に化ける事が出来る。

 それと、生まれた時からの教育で、魔王を唯一神と思わさせられている……と、言われている。


 それと、会場で悔しそうな顔をしていた貴族達は、やっぱり魔人族と繋がっていたみたいで、俺の密告が最後の1ピースとなり、昨日の内に喚ばれて逮捕となった。


 ……そして5日後に大物が逮捕された。


 それは、第1王子のフェルナンド殿下だ。

 理由は、あの時の暗殺が成功した場合は、第1王子フェルナンド殿下が国王となり、魔人族の要求を飲むという書類が発見されたからだ。

 そんな事を承諾した理由は、最初の王子なのに王位継承権が第3位にすらなっていないからだ。


 ……と言っても、この事を公表はせずに内々に処理するらしい。

 公表しても、国や王家としてはデメリットしかないからな。

 この情報は、親父から聞いた。


 それから2週間後に、国王からの密命が親父経由で届いた。

 内容は、王都に潜伏している魔人族のアジトを発見したから奇襲を掛けて殲滅して欲しいとの事だ。


 ……3日後の夜に、俺達は魔人族が潜伏しているアジトを強襲した。

 勿論、皆には暗視の魔法を付与してある。


「皆、準備は良いな?」

「大丈夫よ」

「勿論だよ」

「大丈夫であります!」

「問題ありません」

「ウォン!」


 ベルには見張り番をお願いした。

 中距離から長距離の機動力なら、ベルが最強なのは事実だからな。

 正に、地の果てまで追ってくれる。


「行くぞ」


 ……思っていた以上に、この急襲は上手く成功したのだが、困った事があった。


「救けてくれて、ありがとう」




厳しくも温かいメッセージを待っています!

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