……充分です!
増えた!
聞こえてくる言葉使いや身嗜みや仕草で、身分が判るのか、ステージから遠い席から退場していき、ステージに近い人達はゆっくりしていた。
そんな中で、俺達はスタッフのお姉さんに案内されて、多分受け渡し用の個室に入った。
個室に入ると銀行とかのカウンターみたいな間取りになっていて、向こう側にはスーツみたいな服装の男性スタッフ3人に、俺達が受け取る予定の3人の奴隷に、俺達側には案内してくれたスタッフのお姉さんと、屈強なガードマンが5人居た。
……あ!
察した俺は、素早く「倉庫」から白金貨100枚入っている袋を3つ取り出して口を開ける。
すると、ガードマンは1人になった。
俺がした事の意図を察した向こう側のスタッフが、笑顔で言った。
「では、奴隷の売買を始めたいと思います」
……やっぱり、支払い能力を疑われていたか。
この後はスムーズに行き、手続きの全てが終わって、晴れて3人は俺の奴隷になった。
スタッフから談話室を有料で借りて、部屋に遮音魔法を掛けると、話せる部分を全て話した後に、3人とも、魔法誓約書の穴を突いて本名を聞き出して名付けた。
女参謀は「パトラ」となった。
元侯爵令嬢はフランティラから「フローラ」に。
元王女はイネスベルから「イネス」に。
ただ、女参謀の「パトラ」は、本人が過去と決別したいと希望したから、俺のオリジナルとなり、元ネタは勿論「クレオパトラ」からだ。
パトラからの話を要約すると、幼馴染みの彼とは将来を約束していて、幼馴染みの彼は騎士団長を目指し、パトラは幼馴染みの頭脳としてお互いに頑張ったが、それを良く思わない連中に因って冤罪を掛けられ、そのまま国家間戦争で裏切り者扱いされ犯罪奴隷にされた。
そして、幼馴染みの彼はパトラの目の前で斬首刑に処せられた……という訳だ。
因みに、外見はToDのハロルドに似ている。
それで、フランティラことフローラの場合は、俺が半強制的に卒業した後に来た留学生で、クリスが世話役を任せられて、それ以降は仲良くなり友人になった。
そして、留学期間は半年だったが、仲良くなってからはお互いに色々と話して、フローラには両思いの婚約者がいると話していたみたいだ。
クリスが知っているのは此処までだが、フローラが続きを話してくれた。
要約すると、その婚約者の両思いは演技で利用され政争が成功すると、その政争での汚い部分をフローラの家に擦り付けられ、フローラは特殊奴隷に堕とされ、両親は斬首刑にされた……という訳だ。
因みに、外見はToVのエステル似だ。
イネスべルことイネスは、クーデターという暴力に因る政変を、少しでも綺麗に見せようとして特殊奴隷に堕として、命だけは救けたと美談にされたらしい。
それで、イネスによれば、唯一の救いは王位簒奪を果たした王弟の息子は、王としての素質が高い事だけみたいだ。
因みに、外見はToAのナタリア似だ。
3人から話を聞いた俺達は、オークション会場から外に出ると、少しでも金を稼ごうと、オークションに出品が出来なかった奴隷を売っていた。
すると……
「フェリー! シータ!」
「テレサ! メリッサ!」
……フローラとイネスの侍女だった4人を購入してとお願いされて買いました。
流石に奴隷を7人も連れて歩くのは目立つから、馬車を1台貸切り宿屋に向かった。
オークションが終わって早々に出発した人達が居たお陰で4人部屋が2つ空きが出来たから2つとも押さえた。
パトラは、エマやセロンと同室にしたよ。
彼女達には、今日はゆっくり休めと言って部屋でのんびりさせた。
翌日、オークション組を連れて日用品を買いに行き、パトラだけ武具も既製品だけど購入した。
……まあ、戦える者が増えるのは賛成だしね。
「チンピラ5人が精々だけどね」
……充分です!
「流石に、これだけの大人数を抱えながらの冒険は出来ないから、一旦帰ろう」
「賛成よ」
「賛成だよ」
「賛成であります!」
「賛成です」
「奴隷の身分なので、是非もありませんが、それが良いと思います」
「あたしも同じだ」
そんな訳で、奴隷達が色々と空間拡張させた馬車の中身に驚きながら出発した。
「待ってくださいー!」
「ん?」
宿屋から「さあ、出発だ!」って移動10秒後の時に、品格を隠し切れない上等な馬車の御者から「待て」の声を掛けられた。
「とある方からの手紙です」
読んでみると、国王からの手紙だ。
中身は「知り合いの娘が、お前の奴隷になったから会わせろ」だった。
「分かった」
こうして、俺達は出発をキャンセルされ、自分達の馬車で王城へと向かった。
……いや、終わったら帰るからな。
聖狼グランヴォルフであるベルだけ留守番となり、メイドの案内で総勢13人が王宮に向かっている。
「初めまして、ガルシアナ国王陛下」
「よくぞ参った。 ベルモンドの娘よ」
「奴隷となった身には過ぎた御言葉です」
「よい」
「恐れ入ります」
イネスとフローラが国王と話している間は、俺達は第3王女のエステルシアと、ミゼルディア公爵家の次女クラリーサと、第4王女のエクステシアと会話していた。
3人から「もう、帰るのー?」な文句を言いながらも楽しそうに話している。
ただ若干2名が、空気に徹しようと頑張っていた。
それは、エマとセロンだ。
エマは転移者といっても6才の頃から異世界で生きているから、この異世界が自分の世界だ。
だから、普通に緊張している。
セロンも、まさか自分が国王と同じ部屋に居るなんて夢にも思っていなかったから、エマと同じ様に緊張していた。
結局は、王宮で三泊四日過ごしてから俺達は出発したのだった。
因みに、テンプレなイベントは一切無かった。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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