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二流作家の感想講座  作者: 白河夜舟


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42/44

その42「スマホ的な小説への感想」

 頭にはずっと残ってましたけど、中々、作品に出来るモチベーションが取れなかったネタ。

 ようやく、書けましたね。

 まあ、書き始めさえすれば、一気に書き上げられるんですけどね。

編集「はい、始まりました企画もの第42弾。皆様いかがお過ごしでしょうか?」

白河「どうも、二流作家の白河夜舟です。よろしくお願いします」

編集「早速なんですけど。タイトルが、“その39 ラジオ的な小説について”に近いんですが」

白河「ですよね。本当は、対にして執筆するつもりだったんですが、タイミングが悪くて」

編集「と、いいますと?」

白河「こっちは普通に“感想”なんで。その39は、この作品がラジオっぽい構成なので、その解説です。なので、直接の関連性はないんですけど」

編集「では、別に対にしなきゃという意識はされてはいない、という事ですか?」

白河「いえ、文芸としての表現方法、スタイルとして、かなりの関連性があります」

編集「じゃあ、対にすれば良かったじゃないですか」

白河「いえ、“書きたい”“読みたい”を先に思いついちゃったんで」

編集「(いい加減だなぁ)ふむふむ」

白河「あと、単純な話、このスマホ的な作品、読了したのが先週なんで、間に合わなかったんですよ」

編集「(そういうことか)納得しました」

白河「今、自作として連載しているジャンルである“現代もの ヒューマンドラマ”で検索して、隣の芝生は何するものぞ、な気分で探してみたんですけど、このスマホ的な作品に惹かれまして」

編集「まあ、スマホ的な、とくると、興味は湧きますね」

白河「あ、タイトルがそういうの、という意味じゃないです。タイトルはもっと素朴。もっと“なろう系”じゃない感じ」

編集「あ、そうなんですか」

白河「こういう形で検索した場合だと、最新投稿順に掲載されます。ランキング形式じゃないんですよ。なので、トップページに表れますね」

編集「じゃあ、白河さんの作品も、トップに出てきたりするんですね?」

白河「そうですね。今の所、ほぼ毎日投稿を維持できているので」

編集「同じジャンル、同じ更新回数、というわけですか」

白河「いや、向こうは一日2回でしたね」

編集「ほうほう」

白河「あ、別にライバル意識とかじゃないですよ?」

編集「少し、期待しました」

白河「んな、小説じゃあるまいし」

編集「ですよね」

白河「元々“現代もの ヒューマンドラマ”って、なろうの中ではかなりの過疎地帯なんで。連載でアクティブな作品って、多くないんですよね」

編集「ああ、そういうの、ありますね」

白河「おれも別に過疎を狙って書いたわけじゃないんですけど、思ってた以上に読者層が薄いと、改めて実感しましたね」

編集「読者層がたくさんいそうなジャンルで勝負しないとダメですよね?」

白河「いや、おれは自分が書きたいものしか書かないから」

編集「“その40 書ける人…”ですね」

白河「そういうこと」

編集「前置きというか、経過説明が長くなりましたが、本題をお願いします」

白河「(自分で振ってきたくせに)さっきも言いましたが、スマホ的なのはタイトルじゃなくて“文体”の方ですね」

編集「解説をお願いします」

白河「今、これを書いていて、意識的にダブルクォーテーションを多用してたんですけど、あの作品はそういう表現が一切ない」

編集「“ ”ですね。使わないんですか」

白河「ついでに、句読点も一切ない」

編集「、 。 がないんですね」

白河「あと、一行が20文字」

編集「なるほど、それって確かにスマホ、ですね」

白河「おれはLINEみたく感じました。他の方の感想では、詩を読んでいる印象、というコメントがあって、共感しましたね」

編集「今の若者はLINEに句読点を付けると、威圧感を感じるそうですからね」

白河「みたいですね。未だにその感覚はよく分からないんですけどね。LINEする時は、気を付けてます」

編集「白河さんとしては、いかがなものなのでしょう?」

白河「最初は読みにくかった。読みにくいんだけど、そのうちに慣れてくるんですよ。LINEも、最初はそんな感じでしたよね。今はすっかり慣れたけど」

編集「まあ、そうですね。でも、文芸としてはどうなんですか?」

白河「内容は、素朴な村に起きた出来事なので、牧歌的な内容と妙にマッチしていましたね。都会の観光客や支援者とのやり取りもSNSでなされるんで、そこも文体がピッタリ。最初の読みにくささえ克服できれば、しっくりくるんですよ」

編集「ベタ褒めですね」

白河「連載途中から読み始めて、一日4話から5話位、感想を付けながら読み進めて、完結までには追い詰けましたんで。そういう“読ませる力”を持った作品でした」

編集「本当にベタ褒めですね」

白河「完結まで読めたので、イチオシレビューも一気に書き上げましたね」

編集「スマホ的な文体って、スゴイんですね」

白河「い、いや、そういうわけでもない、んですよ」

編集「急に、トーンが落ちましたね」

白河「文体が作品内容にピッタリだったのは間違いないんですが、なんでもこれでイケルという訳じゃない様には思えます」

編集「と、いいますと?」

白河「一行20文字制限。なので長いセンテンスが使えません。句読点も使わないので、長文が成り立たないんですね」

編集「白河さん、長文好きですもんね」

白河「文芸なので、むしろ多用したい。でも、今どきの読者様はあまり長い文を好まない傾向らしいので、意識して段落を変えてますけどね」

編集「“その25 白河夜舟の段落の付け方”ですね」

白河「はい。スマホ的な文体は、そういうテクニックが使えないんですよ」

編集「まあ、そうでしょうね」

白河「とてもあっさりした印象になるので、人物の深掘りが出来ない。キャラクターの印象が薄いですね。とても薄い。名前を間違えたり、見失いそうになったりしました」

編集「キャラクター作家の白河さんにとっては、鬼門というか、天敵みたいなもんですね」

白河「そこまでは言いませんけど。まあ、そういう薄さ、軽さも狙いなんだろうなとは思います。ちょっとやってみましょう。



ナオは 鏡の前で 自分の服装を見つめて



これで19文字。最初の段落も入れないのがスマホ流。それでも足りない。

厳しいな、キビシイよこれ。もっと長い文章を書かせてくれよ。

段落変えると、スマホ文体としてはダメなんだろうしな。

んじゃリテイク。



ナオは 鏡の前に 立っていた

自分の服装に チェックを入れる

お気に入りの パステルグリーンのパーカー

インナーに 白とネイビーのトレーナー

白の バギーパンツで 印象をまとめて

コンバースのオールスターで 足元を締める

ゆるふわ感に 活動的なイメージを重ねて

先輩に 可愛いわたしを見て貰いたい

そうそう 髪はやっぱり ポニーテール

男の人って こういうの 大好きだよね

先輩 似合うよって 言ってくれるかなぁ


鏡の前のわたしが だらしなくにやけていた



 軽さ、薄さ…

 うーん、やっぱりこれだと、雰囲気というか、おれらしさが出ないですね」

編集「この後、続きは?」

白河「いや、これサンプルから」

編集「そうですね。こういうのは、白河節で読みたいですね」

白河「(なんだよ白河節って。鰹節かよ)まあ、短編プロットから引っ張り出しただけですけど」

編集「他にもありますか?」

白河「恐らくですけど、作者様はスマホでこの作品を書かれているんだと思います。スマホだと、作品全体を俯瞰するのが難しいですね。なので、同じ時空列で起きた出来事を描いているとは思うのですが、薄い印象の登場人物が複数でてくると、誰が何をしているのか、混乱してくる事がありましたね」

編集「な、なるほど…(辛辣だなぁ)」

白河「いや、ダメとか批判じゃないですよ。そんな顔しないで」

編集「顔に出てました、か」

白河「まあ、書きようによっては、そういう混乱を避けられるのになぁと思っただけです。一つのエピソードに付き一人の視点で登場させて、エピソードごとに視点を変えればいい。同じエピソードに入れたいのなら“その頃”とか“他の場所で(建物や地名など)”と冒頭に入れればいい。何も無しに、改行も無しに他の人物視点を放り込まれるのは、ああ、分かってないなあと思っただけです」

編集「それ、感想で直接、言ってますよね」

白河「多分。気になるので言ってると思います。伝わってるかは分かりませんけど、“そう読める”んで、それはもう、しょうがないかな」

編集「“その1 読者目線…”ですか」

白河「そうかもしれません。ちなみに作者様は、本作品の読者様でもあられますので、厳しいことは言えません。言えないんですけど…」

編集「白河さん、感想に忖度はしませんもんね」

白河「しないですね。オブラートには包みますけどね」

編集「(そうかなぁ、白河さんのオブラートって、安物だからすぐに破けるんだよなぁ)本人、これ読んで、自分の事だと思うんじゃないんですか?」

白河「そうかもしんない。ちなみに、新人賞に応募するらしい」

編集「なるほど」

白河「なので、今のうちに気になることはここで書いておいて、参考になればいいなあ、という気持ちですよ」

編集「そんな事言って、裏があるんでしょ?」

白河「ん-まあ、ネタが出来たら、やはり書かないと。作家ってそういうもんでしょ」

編集「そんな事だろうとは思ってましたよ」

白河「あの作品を読み終わった後、ずっとモヤモヤしてたんですけど。言いたい事言えて、書きたいこと書けて、スッキリしました」

編集「では、締め言葉をお願いします」


白河「一次選考は、読みにくい作品を選別する場所。そこを通り抜けられたら、結構いい所まで行けそうな作品」


編集「さて、お時間が来たようです。また次回、お会い致しましょう」

白河「また聴いてくださいね。ではまた―」



                         (続く)


 新人賞。選考先によって、好みが分かれるんですよね。

 ホント、通るといいですね。通りさえすれば、いい作品だと思うんですけどね。

 ただまあ、内容はともかく、文章や構成としては、色々と甘い。

 もちろん、手直しされると思いますけどね。


編集「あまり余計な事言わない方が」

白河「なんで?」

編集「感想でキッツイ反撃がやってきますよ?」

白河「いや、でも、書いちゃったもんはしょうがないでしょ?その辺は、お互い様という事で」

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