カワセミのヒナ 2002年8月
鳥の国から すずがも通信135号 2002年8月
カワセミのヒナ
野鳥病院の5月の入院鳥は82羽、6月は101羽、7月は12日現在で31羽です。昨年はこの時期の入院が少なくて楽だっただけに、今年のラッシュはことのほかこたえます。放せなくて生涯飼養の鳥が多すぎるのですね。何種類、何羽いるのかは、あいかわらず、数えてみなくてはわかりません。
今年初体験のヒナは、7月8日に木更津から持ち込まれたカワセミ3羽。全身がつんつんした白い羽鞘(うしょう;伸びてくる羽が1本1本これに包まれていて、羽が開いてくるとフケのようにおちる)に包まれた筆羽におおわれて、まるでヤマアラシだか、ミノムシといった姿。およそ鳥らしくない機械音のような低いブルブルブルという声で鳴きます。
なんでも山の尾根近くで埋蔵文化財の発掘作業をしていて、重機で掘り出してしまったとのこと。4月に作業開始後、5月に巣ができたことは知っていたけれど、糞の痕もないし、巣立ったものと思っていたら、ヒナ7羽(うち4羽は死亡)がいたそうです。
幸い、目黒の自然教育園の矢野亮さんが、親がいなくなってしまった巣のふ化後18日目のヒナ7羽を、餌とりの訓練を済ませて無事放鳥した、という実績をお持ちで、その時の状況を報告された機関誌をいただいてありました。
自然教育園では、モニターカメラでずっと追跡した子育ての記録があり、それに基づいて餌の量や種類等を工夫されています。野鳥病院に入所した3羽は、若干日齢が若く、たぶんふ化後12~13日と思われました。巣立ちはふ化後24日、体重がいったん減少し、30gを切ったころ。何より大事な餌とり訓練は、生きた小魚を浅いお皿に入れ、次は10㎝深さの容器、20㎝深さの水槽、というように、順次難易度を上げて、自力で捕らせるとのこと。
羽鞘に包まれた筆羽の先端がほどけはじめ、カワセミ特有の美しい青色が少し見えてきました。なんとか無事に育てたい。あちこちに四つ手網やビン筒をしかけて、カダヤシやモツゴを採っています。




