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白薔薇


「緊張なさっていたから途中で宰相閣下を止めなくてはいけないと思っていたのですが、そんなことありませんでしたね?」

「社交は苦手ですが、商談ならまぁまぁ叩き込まれてきたからね。」

「社交界でしたら紳士もご婦人も皆、お客様ではなくて?」

「そう思うとなんだか落ち着いてきたよ。」


くすりとほほ笑んだ彼女の瞳にはいたずらな色が輝いている。

そんなエリーの冗談で僕はようやく肩の力を抜くことができた。


「アネモネ公爵閣下は白薔薇がお好きなので、居るとすればそのあたりですわ。」


たしか、親軍派の方々は赤薔薇が見える区域に、中立派の宰相閣下はデルフォニウムがメインの区域を社交場に居を構えていた。

花によって自身の意向を表しているのだろう。


エリーに連れ立って庭園を歩いていくうちに、花の色が移り変わり、白薔薇が中心となったエリアへと出た。


「アネモネ公爵閣下は…」


庭園を見渡しながらエリーは目的の人を探す。

倣うように、僕も庭園を見渡すと見覚えのある姿を見つけた。


「あれ、フィフォニア姉上」

「あら、フィエンじゃないの」


出会ったのは僕の姉上、その人だった。


「どうしてここに?」

「あなたと一緒よ、社交と旦那様のお迎えにね。」


白薔薇を背に、薄紅色のドレスを纏った姉上は悠然と微笑んで見せた。


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