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最終話  仲間が増えたけど終わった。完!

『最終回です』


「「は?」」


 あまりに唐突に女神が言った。

 俺の隣でコンビニのチキンにかぶりついたまま、魔王が硬直している。

 俺はもう一度聞き直す。


「なんだって?」

『いえ、ですから。最終回です』

「嘘だぁ!」


 魔王がチキンをキチンと全部食べ終えてから絶叫した。


「だって私! だって私まだ前の話で出たばっかり! まだ全然出番無い! 私の過去編とか私がかっこ良く戦闘する話とか私と誰かのハーレムとかあったはずでしょ!?」

『そんなもんもともと無いです』

「いやあああああああ」

『というかそもそもこの作品自体出オチみたいなもんですし』


 やめろよ。

 薄々察してたよ。あまりに更新が無いこととかさ。前作はきっちり毎日更新してた上に完結したのにな。


『というわけで、ダラダラやるぐらいならスパッと打ち切り! こういうことです!』

「いいのかよ、まだ救ってない世界あるだろ」

『いや、仕事はまだしてもらいますし。俺たちの冒険はここからだ! です』

「ふざけんなーーーーー!」


 魔王が頭を窓に打ち付けながら絶叫し続ける。


「いや、よく考えたらこの先の展開とか全く考えてなかったし延々と轢き殺すだけだしな……」

『そうです、この現実世界に魔王とかいるわけも無いですし倒すべく巨悪とかもいないんです。つまりこの先に展開なんて無いんですよ』

「私! 私召還したでしょ!! 私なんてまだ名前も出てないんですけど!」

『あなたの名前なんて最初から考えてないのでありません』

「うそだぁあああああああ」


 嘘じゃないんだな、これが。


『というわけで最終回です』

「まあそういうわけなら仕方ないよな」


 俺は納得して目の前に飛び出してきた自転車のニートらしきジャージを撥ね飛ばした。


「いや……こんなところで出番終わりなんてイヤや! ワイ嫌や!」


 混乱のあまり口調が変になり始めた魔王は放っておこう。

 そう、俺たちの冒険は始まったばかりなのだ、この果てしなく長い轢き殺し異世界転生させる坂はよ……。


「え、ほんとに終わるの? え? 私の出番ほんとにもうないの?」

『終わります。今までありがとうございました』

「うそやぁああああああああああ」


 そして、たなびくように魔王の叫び声は蒼空に溶けて消えた。


「無理矢理綺麗に終わらせるな」


そもそもタイトルのインパクトだけで勝負しようとしたのが間違いだった。

それではまた次作でお会いしましょう。

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