↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紐操りの魔女と弟子たち  作者: れんP


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
36/36

第36話「魔族」その一



リーネたちは謎の魔石を回収し、アルヴェリア王国の王城に向かう。


「そういえば、あの魔物は放置で良かったのか?」


「そうだね、別に大丈夫だと思うよ。あの魔物は魔石の魔力を吸い続けたことによる変異だ。腐敗して消えても魔力溜まりが発生するだけで、問題はない」


「魔力溜まりは危険だと思いますが」


「あそこは元より、凄腕冒険者の狩場だ。多少強い魔物が出ても、問題はない」


リーネはそう言い切った。


「そ、そうなのか……」


「それにしても、あの魔石をよく持っていけますわね」


「紐は偉大ってことさ」


やがて王都の王城に着き、王様に会いに行った。


「おぉ、これは」


「アルベルンの森の最奥にあった魔石だよ。おそらく、これが原因」


アルヴェリア・レオンハルト王は、その魔石をじっと見つめた。


「ふむ、魔石に詳しい者に鑑定させよう」


「お願いするよ」


王は近くにいた兵士に指示を出し、魔石を鑑定できる魔道士を呼びに行かせた。


「それにしても、これほど大きな魔石が森にあったとはな……」


「私も驚いたよ。普通なら、ダンジョンや洞窟にあるものだからね」


「うむ。自然に発生したものなのか、それとも何者かが持ち込んだものなのか……」


「そこが気になるところだね。魔物が変異するほどの魔力を持っていたんだ。何か理由があるはずだよ」


リーネは魔石を見つめながら答えた。


「もし誰かが意図的に置いたものだとすれば、何のために?」


「さあね。魔物を強くするためか、それとも別の目的があったのか。今のところは何とも言えないよ」


「ふむ……」


王は腕を組み、難しい顔をした。


「ところで、そちらの弟子たちはどうだ? 森での調査は大変だっただろう」


「はい。魔物の数が奥に進むほど増えていました」


サントリナが答える。


「なるほど。やはり森に何か異変が起きていたのだな」


「でも、師匠が変異種を倒してくれたので大丈夫でした!」


フィアが胸を張って言った。


「ほう、変異種か。それほどの魔物が現れたのか?」


「キラーグリズリーに似た魔物だったよ。大きさも魔力も普通とは違っていたね」


「Aランクの魔物であるキラーグリズリーが変異したとなると……。冒険者たちにも注意を促したほうがよさそうだな」


「そうだね。魔石がなくなったからといって、すぐに森が元通りになるとは限らない。しばらくは様子を見たほうがいいよ」


「分かった。冒険者ギルドにも連絡しておこう」


王は兵士に追加の指示を出した。


「それにしても、リーネ殿は相変わらずだな。これほどの問題を前にしても、落ち着いている」


「慌てても仕方ないからね。分からないことは調べる。それだけだよ」


「ははは、実にリーネ殿らしい答えだ」


そんな話をしていると、部屋の扉が勢いよく開いた。


「陛下! 鑑定が……鑑定が終わりました!」


息を切らした魔道士が、慌てた様子で部屋に駆け込んできた。


「なんだ、慌てるほどのことなのか? まずは息を整えよ」


魔道士は息を整えて答えた。


「あの魔石を鑑定したところ、あれはこの国で生まれたものではありませんでした」


「……」


「ふむ、して、どこからやってきたものか、分かったのか?」


「はい……。魔王領【ヴォルディアス皇国】でしか生成されない魔石です!」


「!! なんだと!?」


王は立ち上がり、声を荒らげた。


「となると、魔族の仕業……」


王は考え込む。


「ねぇ、魔族って?」


「魔族は、悪魔のような角や翼、容姿をしている種族ですわ」


「なぜ、魔族が……」


「魔族と他種族は敵対しているからね。それに、あの皇国と他の国々は冷戦状態とはいえ、国際問題になるね」


リーネが答えた。


「……」


そんな中、一人の家臣が前に出た。


「王よ、一言よろしいでしょうか」


「む? なんだ」


「何者かが、我が国と彼の国を戦争させるため、わざとあの場に置いた可能性はないでしょうか」


王は考えた。


「ふむ、確かにその考えもある。しかし、そう簡単に決めていいことではない。しばらくは会議が必要か……。すまないが、リーネ殿、弟子の皆様、今から会議をする故」


「分かった、私たちは帰るよ」


「すまんな」


「別に、気にすることはない」


そう言い、リーネたちは王城を出た。


「なぁ、そういえば魔王ってなんだ?」


「魔王は、【クラス】の一つですわ」


「そ〜なの〜?」


「はい、実際に存在しますが、魔族にしか発現しません」


「【クラス】『魔王』は『魔女(ウィッチ)』の派生型ですわ。そして、『魔王』が生まれると、人族側に『騎士(ナイト)』の派生型『勇者』が生まれるのですわ」


「そうなんだな」


「そして、『勇者』は『魔王』と戦う運命にある」


リーネが答える。


「不思議だな」


「ですね」


「そんなことより〜、お腹すいた〜〜、ご飯〜」


ラファールが飛び回る。


「分かったから、飛び回らないでください」


「帰ったらご飯にしようか」


「やった〜〜」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。